陶製灯篭(射和萬古)
問い合わせ番号:10010-0000-2675 更新日:2017年 4月 1日
種別 |
県指定有形文化財(工芸品) 重要美術品 |
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所在地 |
四日市市文化会館 |
法量 |
高174.0cm |
材質 |
陶器 |
製作年代 |
万延元年(1860)十月 江戸時代末期 |
指定年月日 |
昭和57年4月27日 |
解説 |
一般的な石灯籠の形、大きさとほぼ同じものを陶器で作りました。上から宝珠、笠、火袋(明かりを入れるところ)、中台、竿(柱にあたります)、基礎(台座)をそれぞれ個別に作り、下から積み上げたものです。宝珠を受けるところ、中台の裏面、六角形の台座に蓮の花弁が表されています。宝珠を蓮花に載せるのは、密教の仏具にもありますし、台座に表れる蓮弁は、仏像の台座の反花(かえりばな)そのものです。また、側面の窓の中には、僧侶が威儀を正す如意の頭部がみられ、この石灯籠がまさに仏教の世界観のなかで作られたことを匂わせます。ただし、中台の側面には笹の葉が刻まれ、もっとも目につく火袋の壁には狐が四体刻まれています。狐といえばお稲荷さんを想像しますからこれは神社の世界の話になります。しかしその一方でこれらの狐も蓮華や宝珠を携えているところは、やはり仏教の世界観が投影されているという印象を拭いきれません。竿には「奉納 竹川彦三郎政悌」「萬延元年期庚申年十月 射和萬古窯製」と刻まれています。射和萬古は江戸時代後期に松阪で興った焼きもので、萬古焼の創始者沼波弄山の妻の生家、竹川家の当主竹斎が始めました。奉納者の彦三郎もおそらく同族でしょう。萬延元年は1860年ですが、残念なことに誰に何のために奉納したのかまでは不明です。全面が薄い緑色をしていますが、これは緑青(ろくしょう)に白を混ぜた白録(びゃくろく)が釉薬に含まれているようにみえます。古萬古によくみられる萬古青磁と同じ釉薬と思われます。 |
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