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令和7年02月 市長所信表明

問い合わせ番号:17393-2233-1959 更新日:2024年 11月 27日

 

 ただいま上程されました各議案等のご説明を申し上げます前に、今後の本市のまちづくりにつきまして、私の所信を述べさせていただき、続いて議案等についてのご説明を申し上げます。
 現在、国においては、「令和の日本列島改造」が謳われ、一極集中を是正し、多極分散型の多様な経済社会を構築することにより、日本全体の活力を取り戻すとされています。その柱として、若者や女性の活躍、産官学の地方移転、地方イノベーションの創生、新時代のインフラ整備、広域リージョン連携の推進が挙げられています。働きやすい職場づくり、暮らしやすいまちづくり、都市対地方という二項対立ではなく、一人一人の多様な幸福が実現できる場として、都市も地方もその魅力を高めていくことが示されています。
 本市におきましては、本年3月に北勢バイパスの国道477号バイパスまでの区間が開通します。また、中心市街地再開発プロジェクトにおいて、令和7年度には国によるバスタ四日市の整備が本格化するとともに、円形デッキが完成するほか、四日市市民公園のリニューアルに引き続き、中心市街地の鵜の森公園、諏訪公園のリニューアル工事を進めてまいります。
 中心市街地再開発プロジェクトに呼応して、中心市街地への民間投資も増加していることからも、本市は未来に向けた大きな可能性を有していると実感しています。その可能性をさらに大きなものに成長させていかなければなりません。

 四日市市総合計画については、令和6年度が策定から5年目となることから、時代の潮流や社会情勢の変化を踏まえた中間見直しにこれまで取り組んでまいりました。具体的には、後半5年間で推進する新たな重点的横断戦略プランを策定するとともに、分野別基本政策についても必要に応じた見直しを行いました。この見直し案について、今定例月議会において審査をお願いするところでございます。
 令和7年度は、中間見直し初年度にあたり、未来に続く「まちづくり」を進めるため、この総合計画に掲げる各施策を確実に実施してまいります。
 それでは、総合計画に掲げる目指すべき4つの都市像に基づき、各分野において重点的に取り組んでいく政策や施策について、順に私の考えを述べさせていただきます。

 将来都市像の1つ目は、充実した人生を歩むための基盤を育み、誰もが憧れる「子育て、教育安心都市」です。
 本市では、令和6年度中に策定する「四日市市こども計画」において、こどもの視点をより重視しながら、こども・若者の健やかな成長と子育て家庭への支援をはじめとしたこども施策を総合的に推進することとしており、社会全体でこどもの育ちを支える「こどもまんなか社会」の実現に向けた周知啓発を行うとともに、こどもの意見を聴き取る機会を設けながら、次のような施策を展開してまいります。
 具体的には、妊娠前から、妊娠・出産、乳幼児期、学齢期へと続くライフステージを通して、適切な教育・保育、保健、医療、療育、福祉を提供し、切れ目のない、包括的な支援を引き続き行ってまいります。
 こどもの居場所づくり事業については、こども食堂や学習支援などの事業に対する補助を継続するほか、ウェルビーイングな環境で成長できる機会を創出するため、学校や地域、民間団体等と連携しながら多様なこどもの居場所づくりに取り組みます。
 就学前教育・保育施設については、認定こども園の増改築や改修、設備更新などの整備費用に対する補助を引き続き行うとともに、公立園については「四日市市認定こども園整備推進計画」に基づく認定こども園化を進めていきます。そのうち、園舎の老朽化に伴う施設の建て替え整備が必要な大矢知地区及び下野地区においては、新園舎整備に向けた用地取得や土地・建物の基本設計等を進めます。
 本市では、令和6年度当初において保育所等の待機児童が6年ぶりに発生しました。そのため、共働き家庭の増加に伴う低年齢児の申込み増加等による保育ニーズに対応するため、保育士の人材確保が喫緊の課題となっています。保育士の人材確保にあたり、民間保育所等の給与改善や就労継続への支援を拡充します。併せて、民間保育所の低年齢児の受け入れ枠の拡大への支援を行います。
 さらに、保育士の働きやすい職場環境の実現に向けた新たな取組として、園の事務をサポートする保育支援者、園外活動時の見守りやプール活動時のスポット支援員の配置に対する支援に加え、保育現場のICT化に対する支援を行います。
 そのほか、不妊治療費の助成や、昨年9月から対象を18歳年度末まで広げた子ども医療費助成を継続して実施していくほか、多胎児育児に伴う保護者の負担軽減のため、家事等の援助に対する費用助成、家庭におけるレスパイトケアの促進による保護者の負担軽減を図っていきます。併せて、結婚を希望する独身の方を対象にした出会いイベントや、結婚祝い金の給付についても継続して実施していきます。
 また、組織の見直しに伴い、こども家庭センターの相談機能を強化し、児童虐待の早期発見、早期対応、未然防止を図ります。
発達に不安があるこどもについては、専門職員等による相談を実施し、必要に応じて障害児通所支援事業の利用につなぐなど、早期発見、早期支援に努めます。
 教育の分野では、就学前から小学校、中学校へと一貫した考え方でこどもたちの読解力・コミュニケーション能力・運動能力向上等の取組を行う新教育プログラムにおいて、非認知能力を土台として展開することで、教育的効果を高めてまいります。
 部活動については、令和8年度からの中学校の休日部活動の地域展開に向けて、総合型地域スポーツクラブとの連携強化や拠点型活動の実施に取り組むことにより、生徒がスポーツ・文化芸術活動に継続して親しめる機会を確保するため、「みんなのブカツ推進室」を設置し、強力に推進してまいります。
 本市の小中学校における不登校児童生徒数の増加に対応するため、登校サポートセンターを核として、各校のふれあい教室での通級指導や相談、指導員による支援などを着実に実施します。校内ふれあい教室については、令和7年度で全中学校への設置を完了させ、さらに小学校についてもモデル校として設置を行います。
 小中学校の校舎等整備に関しましては、四日市市学校施設長寿命化計画に基づいて、校舎の防水や外壁改修、教室やトイレなどの改修を実施するほか、新たに橋北小学校の校舎改築に着手します。
 また、危険な暑さに対応した教育環境の確保のため、指定避難所でもある屋内運動場をはじめ、中学校武道場や空調が未整備な特別教室への空調整備を行います。
 学校プールのあり方については、学校プールの老朽化の状況等を踏まえ、現在、小学校における水泳指導業務委託を進めております。令和7年度は、小学校21校に拡大するとともに、全小学校での実施に向けて民間プール施設活用の運営方法や学校プールのあり方等について検討してまいります。

 次に、文化の分野においては、多様な文化財をまちづくりに活かしながら次世代へと継承していくため、文化財に関する情報発信や文化財施設の活用を図るにあたり、四郷・富田・富洲原各地区のデジタルマップの作成や、ウォーキングイベント等への活用など、「四日市市文化財保存活用地域計画」に基づく施策を、国や県はもとより地域の皆様と一層の連携を図り、推進してまいります。
 文化・芸術の振興に関しては、文化会館を今後も安全で機能的に利用していただけるよう、給排水管の改修や楽屋側にエレベーターを設置するなど設備改修工事に着手します。
 スポーツの分野においては、新たに、市外からも広く参加を募るかたちでランニングイベントを令和8年2月に開催し、スポーツの振興や市民の健康増進はもとより、本市の魅力を市内外に発信し、シティプロモーションにつなげる機会となるように取り組みます。
 また、市民がトップレベルのプレーを観戦することができるようプロスポーツの試合や各種競技の全国大会等の誘致を継続して支援するほか、市民の皆様がスポーツに親しむためのきっかけ作りとして、スポーツ能力測定会及びスポーツ体験会等を継続して実施します。
 スポーツ施設に関しては、温水プールの建て替え工事のほか、霞ケ浦第1野球場など老朽化した施設の計画的な改修を進め、利用者の利便性の向上を図るとともに、夏の猛暑等に対応するため、三滝武道場等への空調整備の検討を進めます。
 本市が有する観光資源については、四日市スポーツランドにおける施設修繕等を行うとともに、宮妻峡に関しては、民間活力を導入するかたちでキャンプ場等の再整備に取り組むほか、四日市花火大会については、四日市港千歳地区を会場として開催いたします。
 また、こどもみらいクーポン事業については、小中学生が生の文化芸術やスポーツに触れることにより、さまざまな体験や経験ができるよう、令和8年度中の事業実施を目指して十分に検討し、関係機関とも協議を行いながら制度設計を行っていきます。

 将来都市像の2つ目は、東海地域をリードし、地域社会のイノベーションを誘発する「産業・交流拠点都市」です。本市の産業が競争力を確保し、持続的な発展を遂げていくため、企業の投資を引き続き促していきます。
 脱炭素社会が進展する中、本市の産業基盤である四日市コンビナートのカーボンニュートラル化に向けては、四日市コンビナートカーボンニュートラル化推進委員会で検討を深めるとともに、将来ビジョンの実現に向けて行われる企業間のインフラ整備等の調査や社会実証に対する支援を行います。
 なお、今議会で条例改正議案を提出している企業立地促進条例では、企業のカーボンニュートラル化に向けた投資を新たな重点分野として位置付けていきます。
 さらに、産業用地の不足に対しては、本年3月に北勢バイパスの国道477号バイパスまでの区間と、東海環状自動車道のいなべインターチェンジまでの区間が開通することから、広域交通の利便性が高まる区域において、本市の土地利用計画と整合を図ったうえで、新たな企業立地や再編に必要な土地利用の誘導を図ります。
 じばさんについては、スタートアップ支援やリスキリングなど市内事業者の支援機能を備えた、産業の新たな拠点施設としての整備に向け実施設計を行います。
 また、障害者の意欲、能力を発揮できる職場空間へと整備を行う事業者に対する補助を拡充し、障害者雇用のさらなる促進を図ります。
 農業の分野では、農業経営の多角化やビジネス化の推進に加え、持続可能な産地育成に取り組んでまいります。特に、本市の特産品である茶に関しては、作業の効率化等に資する農地の集積・集約化を進めるほか、競争力のある品種への転換や茶以外の高収益作物への転換など産地強化を図ります。他に、スマート農業として、気象データを利用した栽培やICTを活用した農業機械の普及に継続して取り組み、生産性の高い農業の実現に努めます。
 北勢地方卸売市場については、開設から40年以上が経過し、施設が老朽化していることから、サウンディング調査結果を踏まえて行政による支援の方向性を検討するほか、食肉センター食肉市場については、将来の市場全体の展望を見据えつつ、衛生対策に取り組んでまいります。
 四日市港につきましては、コンテナ取扱機能の集約化による効率化と大規模地震時における物資の緊急輸送等に対応するため、四日市港管理組合を通じ、令和8年度の一部先行利用をめざして引き続き霞ケ浦地区北ふ頭81号岸壁の整備促進に努めます。また、令和6年度に国の直轄事業として採択された石原・塩浜地区の海岸保全施設整備は、四日市港管理組合を通じて、海岸保全施設の耐震改良とかさ上げを行うことにより、津波や高潮から地域住民の生命・財産を守るとともに、企業活動の維持を図ってまいります。
 また、みなとまちづくりプランにおいて「ヒトの交流ゾーン」と位置付けた四日市地区については、市民が集い、交流できる「みなとまち」の実現を目指しており、引き続き、関係者と協力しながら、「BAURAミーティング」などのイベントを実施し、みなとまちづくりの機運醸成に取り組みます。また、まちとみなとをつなぐ自由通路の計画と合わせ、千歳運河の整備を実施するとともに、四日市地区を歩いて回ることができる動線の確保に向け、納屋防災緑地や千歳運河における集客施設などの整備の方向性についてみなとまちづくり協議会で協議していきます。

 続いて、交通・にぎわいの分野においては、中心市街地の活性化や、居心地がよく歩きたくなる魅力的なまちなかの実現に向け、中心市街地再開発プロジェクトをより一層推進してまいります。
 中央通り再編事業においては、近鉄四日市駅西側の道路工事及び市民公園整備工事の完成に引き続き、近鉄四日市駅東側において本格化してきた国の直轄事業「バスタ四日市」の整備とも連携しながら、令和7年度には円形デッキを含む駅東西の歩行者デッキの整備や車道を南側に集約する道路工事を行います。
 さらに、鵜の森公園や諏訪公園の再整備を進めるとともに、国道1号から東側では、中央通り公園の整備に合わせて、Park-PFI制度を活用した官民連携による施設整備を進めます。
 中央通り再編事業の進捗に合わせ、AIカメラや環境センサ等のスマート・インフラから得られるデータ活用や3D地図を活用した歩行者空間利用のマネジメントシステムの実装に官民連携で取り組みます。そのほか、鉄道やバスなどの交通情報や中心市街地における店舗情報の検索などができる「四日市版MaaS」の実装など、実証実験も踏まえながら中心市街地のスマート化への取組についても着実に進めていきます。
 また、自動運転車両の導入については、中央通り再編事業に合わせた定常運行に向けて、引き続き実証実験を進めます。
 中心市街地の拠点のひとつである新図書館等拠点施設については、市役所北側の民有地を候補地として、あらゆる世代が集い交流することができる滞在型の複合施設として、設置に向けた取組を引き続き進めていきます。
 JR四日市駅前に設置を検討している大学に関しては、設置主体、学部・学科などの研究分野、定員や施設規模等を取りまとめた基本計画を令和7年度のできるだけ早い時期に策定するとともに、想定する教育研究分野に応じた教員編成やカリキュラム構成、具体的な企業連携の方策などの検討を進めます。
 また、中心市街地においては、買い物拠点としての役割を果たしている各商店街において、所有するアーケードなどの共同施設の老朽化が進んでいるため、各商店街の協力を得ながら実態調査を行ってまいります。
 幹線道路の整備については、慢性的な渋滞を解消するため、小杉新町2号線や泊小古曽線、三重橋垂坂線の整備を進めるとともに、渋滞ネック箇所の改良に向けて赤堀小生線や阿倉川野田線などの改良に取り組んでいきます。
 鉄道駅周辺環境の整備としては、高角駅駅前広場の整備に向けて地域や地権者等との協議を行います。
 北勢バイパスについては、市道日永八郷線から国道477号バイパスまでの間が、本年3月に供用開始となりますが、引き続き、北勢バイパス全線の早期完成に向け、関係機関とともに国への要望活動を行ってまいります。
 また、北勢バイパスの延伸により、広域交通の利便性が高まる区域においては、先ほど申し上げた産業用地の確保に加え、道の駅の整備に向けて、機能や設置場所の候補地について検討いたします。
 また、公共交通ネットワークの維持を図るため、郊外部においては、こにゅうどうくんライナー、四日市市デマンドタクシーの運行継続に加え、市街化区域内の一部の交通空白地域において、AIを活用した乗合デマンド交通の実証実験を継続して行っていきます。
 加えて、バス路線の基幹部分と支線部分などの接続点となる新たな乗り継ぎ拠点の整備に向け、調査などに取り組みます。
 四日市あすなろう鉄道に関しては、令和6年度で運行開始から10年を迎えました。新たに策定した令和7年度以降の次期10年間の鉄道事業再構築実施計画に基づき、引き続き、市民の生活を支える公共交通として、公有民営方式での事業を継続していきます。
 
 将来都市像の3つ目は、まちの未来を守り、将来の市民にバトンをつなぐ「環境・防災先進都市」です。
 環境分野においては、2050年までに温室効果ガス排出量実質ゼロを目指す「ゼロカーボンシティ」の実現に向け、今後も、市民及び事業者の皆様と一体となって様々な取組を進め、持続可能な循環共生型の社会を目指してまいります。
 令和3年度から10年間を計画期間とする環境計画については、脱炭素社会の実現に向けた施策の強化、気候変動や循環型社会の構築等の視点を反映した中間見直しを行います。
 また、「省エネ」「創エネ」「蓄エネ」設備等の導入に対する補助を引き続き実施するとともに、交通事業者に対しては、企業版ふるさと納税制度を活用したEVバスの導入を支援します。また、市内の中小企業における脱炭素への取組を促進するため、脱炭素経営セミナーを開催していくとともに、中小企業に対して、脱炭素に向けた取組の支援を行います。
 公共施設においても積極的に温室効果ガスの削減に取り組んでいきます。昨年設立した地域新電力会社により、クリーンセンターでごみを焼却する際に出るエネルギーを活用した電気を公共施設で利用するとともに、将来的な民間事業者への供給も見据えながら、電力の脱炭素化を進めます。その他、公共施設等への太陽光パネルの設置やEV車等次世代自動車の導入などについても積極的に進めます。
 また、四日市港管理組合が実施する良好な自然環境の構築とブルーカーボンの創出に向けた藻場再生等の取組を促進していきます。
 ごみの減量施策につきましては、食品ロスの削減や家庭から排出される生ごみの量の削減について一層取組を進めるとともに、市内の民間事業者が取り組んでいる廃プラスチック類の資源化についても引き続き研究を行い、資源循環型社会の形成に努めます。   
 一方、自然共生サイトとして国の認定を受けた吉崎海岸については、シロチドリやハマニガナなどの希少な動植物の生息や繁殖が確認されています。今後も、市民の皆様を中心とした保全活動を支援することにより、生物多様性の維持に努めます。
 水道事業につきましては、第3期水道施設整備計画に基づいて、小牧水源地における紫外線処理による高度浄水処理施設の整備のほか、経年管の更新や水管橋の耐震化を実施するなど、安全安心で良質な水道水の安定供給を行ってまいります。
 また、下水道事業については、生活排水処理施設整備計画や雨水管理総合計画に基づき、計画的な整備を行っていきます。特に汚水管渠については、市街化区域における概成に向けて、着実に整備を進めます。
 住空間の面については、団地再生に向けた取り組みとして、坂部が丘団地において、利用の低下している小規模公園を集約・統合し、子育て世帯から高齢世帯までみんなが利用する魅力的な公園として、引き続き整備してまいります。

 次に、防災分野においては、能登半島における、令和6年能登半島地震や9月の豪雨による災害を踏まえ、防災情報の的確かつ迅速な発信や、防災・減災に関する啓発に引き続き努めるなど、市民の皆様の防災意識を一層高めていくため、災害に強く、災害対応力に優れたまちを目指していきます。
 また、被災地への支援として、令和7年度も継続して富山県高岡市と石川県輪島市への復旧・復興の支援に努めていきます。
 また、住宅等の耐震補強工事については、令和6年度に開始した改修に対する補助金額のさらなる拡充等により耐震化の促進を図るほか、建物の倒壊などから命を守る取組のひとつとして耐震シェルターの補助を実施します。
 地域防災力の向上のために、地区の防災組織活動に対する補助を引き続き行っていくとともに、防災大学の開講などにより防災人材の育成を推進するほか、防災教育センターや新たに導入した地震体験車を活用し、実践的な防災教育を実施していきます。
 防災倉庫の備蓄品に関しては、国の動向を注視しつつ、本市の防災備蓄品の見直しや拡充などについて検討するほか、防災倉庫管理システムの活用も含め、災害時の物資の荷捌きや配送等の効率化・円滑化に向けた検討に取り組みます。
 また、大規模災害時における避難者をはじめ、災害対応業務従事者の衛生環境の向上を図るため、本庁舎周辺における貯留式マンホールトイレの整備に向けて測量・設計業務を行うほか、住家(じゅうか)被害認定調査や罹災証明書の発行などの被災者支援業務の効率化や、市民の迅速な生活再建に向けた支援に資する被災者生活再建支援システムの導入を行います。
 全国的に頻発している降雨による災害への対策につきましては、治水安全度の向上を図るため、準用河川などの整備・改修を進めるほか、三重県が行う三滝川分派整備の進捗に併せて、堀川の内水対策としての放水路工事や排水機場築造工事を進めます。
 また、市街地の浸水対策を図るため、雨水排水施設の整備、施設の更新・耐震化に引き続き取り組みます。
 消防分野では、消防車両更新計画に基づき、車両の着実な維持更新を図ってまいります。また、消防活動拠点の機能強化を図るために、西南出張所の移転開設に向けて整備を行います。また、地域の消防防災活動拠点である消防分団車庫について、順次老朽化した車庫の改築を進めてまいります。
 消防力・救急体制の強化を図るため、救急需要の高い昼間時間帯に対応するため、日勤救急隊を新たに配備し、現場到着時間の短縮を図ります。
消防指令センターにおける新消防指令システムについては、令和8年度からの運用にむけた更新工事を引き続き実施するとともに、消防隊のウェラブルカメラ機能を持つIP無線や消防団のクラウド型車両端末の配備を行い、消防活動の高度化を図ります。

 将来都市像の4つ目は、本市に集まる人々の力を、まちづくりの原動力にする「健康・生活充実都市」です。
 定住促進や子育て環境の向上を図るため、子育て・若年夫婦世帯に対する住み替え支援や、空き家の取得利用者などに対する改修工事に係る助成を引き続き行うとともに、空き家の所有者に対しても、空き家・空き地バンクに登録した場合などの奨励金の交付に加えて、空き家の改修工事や、家財等の処分に係る費用の助成を継続して実施していきます。
 また、市街化調整区域の既存集落の維持・地域再生を図るため、空き家等活用計画を策定した地域においては、地域の自然や農産物を活用した飲食店や農産物直売所、観光客の案内所や休憩施設等として空き家等を活用できるよう地域との連携を図り支援を行っていきます。
地域力の向上につきましては、核家族化等により共助・公助の必要性が高まっている中、高齢化等により担い手不足が進むなど、地域コミュニティを維持・向上させていくことが困難となっているため、持続的・安定的な地域活動の運営に向け、まずは地域課題の把握・整理に取り組みます。また、安全・安心なまちづくりについて、地域における防犯活動が継続されるよう、防犯パトロールや見守り活動を行う団体に対する支援を引き続き行います。
 性別に関わらず誰もが働き続けられる環境づくりの推進にあたっては、企業や事業所におけるワーク・ライフ・バランスへの理解促進、またその実現に向けた取組が重要となってきます。本市においては、毎年度、「男女がいきいきと働き続けられる企業表彰」を実施しており、そうした企業との連携を一層強化して引き続き啓発活動を行っていきます。
 国際交流事業については、令和7年度に天津市との友好都市提携45周年を迎えることから、公式訪問団等を相互に派遣するなど、記念事業を実施いたします。
 一方、超高齢社会や多死社会を迎える中での終活支援として、相談支援や、民営との役割分担を整理したうえで、合葬墓の設置に向けた取組を進めていきます。
 さらに、火葬件数が増加傾向にある北大谷斎場につきましては、目標耐用年数まで機能を維持するため、火葬炉及び制御機器等の周辺設備の更新にむけて取り組んでいきます。

 続いて、健康や福祉の分野においては、すべての人や関係機関が互いに支え合い、多様性を尊重し合う地域共生社会の実現に向けて、高齢福祉、障害福祉、子育て、保健医療など各分野における施策を推進してまいります。
 健康の分野では、歩く、からだを動かすといった健康づくりに親しむ機会を増やすためにアプリの活用や、がんや糖尿病などの生活習慣病予防対策を進めるとともにこころの健康相談などを受けやすい体制を引き続き整備していきます。
 感染症への対応といたしましては、令和5年度に策定した四日市市感染症予防計画等に基づき、感染症に備えた保健所応援外部専門人材の確保に努めるとともに、研修や実践型訓練の実施のほか、物資・資機材の確保等、新型コロナウイルス感染症での教訓を踏まえた事前準備・事前訓練に取り組みます。また、衛生検査施設については、鈴鹿山麓リサーチパーク内での整備を行っており、令和7年度に完成することから、現在の三重県四日市庁舎からの移転を行います。
 介護保険事業に関しては、住み慣れた場所で健康で自分らしく暮らせるまちを実現していくため、高齢者を支える地域包括ケアの仕組みを充実させていきます。介護予防の取組としましては、フレイル対策として、難聴高齢者の補聴器購入費用を助成し、積極的な社会参加を促進するとともに、一人暮らしの高齢者の電気使用量をAIで分析してフレイルリスクを検知し、介護予防事業や生活改善に関する情報提供及び支援につなげていきます。
 また、認知症の人が尊厳を保持しつつ、希望を持って暮らすことのできる「認知症フレンドリーなまち」の実現を目指し、令和6年1月に施行された認知症基本法に基づき、認知症施策推進計画の策定を目指します。加えて、認知症の正しい知識や理解の普及啓発、官民連携も含めた認知症バリアフリーの推進、ステップ四日市を拠点とした認知症当事者の社会参加活動やチームオレンジ活動の支援を継続して取り組んでまいります。
 また、老朽化が進んでいる共栄作業所やあさけワークスなどの障害福祉施設については、一体的に事業を行う多機能型施設としての再整備に向けて、利用者や地元関係者等との協議を進めます。
 市立四日市病院に関しては、災害拠点病院、地域医療支援病院、地域がん診療連携拠点病院などの役割を担うとともに、引き続き北勢地域の中核病院として質の高い医療の提供に努めます。
 病院経営については、医療の高度化に伴う高額医薬品・診療材料の増加、働き方改革・処遇改善による職員給与費の増加、新型コロナ感染症流行以降の入院患者数の減少、厳しい診療報酬改定などもあり、令和元年度以降厳しい経営状況となっています。今後も、救急医療・高度医療などの急性期医療を安定的に提供していくため、経営状況分析を行い、経営改善を推進します。
 病院施設については、目標耐用年数を迎える令和20年頃までは現在の病院施設において安全、安心な医療を提供していくため、引き続きインフラの経年劣化対策、中央検査室改修など大規模な施設改修事業を行います。一方、現在の病院施設の目標耐用年数を見据え、切れ目なく病院を運営していくため、患者数の将来予測や当院を取り巻く環境の分析・把握など病院施設更新計画策定に向けた基礎調査を実施します。

 様々な政策や施策を展開していく上で基本となる都市経営の土台や共通課題についても取組を進めてまいります。
 人権問題に関しては、今後も一人ひとりの人権意識をさらに高めていく必要があります。多様化・複雑化する人権課題等に対応できるよう、令和6年度に実施した市民人権意識調査の結果も踏まえ人権教育や啓発、相談員の資質向上等により人権課題の解決を目指していきます。
 また、引き続き、全庁的に効果的なシティプロモーションも実施していきます。令和7年4月から開催される大阪・関西万博では、三重県が設置するブースにおいて、本市の魅力の発信に取り組みます。令和6年度まで試験販売を行ってきた、本市の地域ブランド「泗水十貨店」については、令和7年度から正式販売を開始いたします。
 ふるさと応援寄附金に関しては、積極的な取組を進めた結果、赤字額は拡大傾向に歯止めがかかったものの、さらなる寄附受入額の増加に向けて、新たな返礼品の開拓や既存返礼品の発信力の強化などに積極的に取り組むとともに、返礼品のPRを通じ、市外の方に本市の魅力を広く発信することにより、本市の認知度と都市イメージの向上を目指します。
 一方、迅速で効率的かつ質の高い行政サービスを提供するため、単純・反復作業が伴う事務の自動化ツールや、生成AIを活用した資料作成を推進することで業務の効率化を図り、市役所のスマート化を進めます。また、行政手続のオンライン化をはじめとした全庁的な窓口業務のデジタル化の一つとして、令和6年度から一部所属の窓口で、「書かない窓口」を実施しており、引き続き、窓口業務の改善や行政手続の効率化などに取り組んでいきます。

 以上、総合計画に掲げる4つの都市像を実現していくため、令和7年度に推進していく政策や施策について述べてまいりました。
 冒頭にも申し上げましたが、令和7年度からは総合計画の後半5年間の新たなスタートを切ります。引き続き、4つの都市像の実現に向けて取り組みを進めてまいります。
 これらの取り組みの一つひとつが、未来に続くまちづくりにつながるものです。他の地方都市と比べて産業が活況な本市では、中心部で民間投資も進んでおり、人口減少が進んではいるものの、未来に向けた大きな可能性があると言えます。その可能性を、さらに大きなものへと成長させていきます。
 併せて、市民の皆さん一人ひとりに寄り添った行政運営を行ってまいります。
 国において地方創生の取組が本格的に開始されて10年が経過しましたが、人口減少や東京圏への一極集中などの大きな流れが変わるには至っておらず、地方は依然として厳しい状況にあります。今後もこれまで以上に北勢地域5市5町の連携を強化し、協力しあうことにより、地域としてもさらに大きく成長していかなければなりません。本市が有する高いポテンシャルを今後も活かし、また、これまで述べてまいりました政策や施策を着実に実現させていくことにより、東海エリアにおける西の中枢都市として本市の存在感を高めてまいります。
 皆様方には、格別のご指導ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げまして、私の所信表明とさせていただきます。

このページに関するお問い合わせ先

政策推進部 秘書国際課
三重県四日市市諏訪町1番5号(本庁舎8F)
電話番号:059-354-8111
FAX番号:059-354-3974

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