令和06年04月09日 記者会見要旨
問い合わせ番号:17137-7653-0874 更新日:2024年 4月 9日
市長定例記者会見
日時
令和6年4月9日(火曜日) 午前11時00分~
場所
本庁6階 本部員会議室
出席者
報道機関
朝日新聞、伊勢新聞、CTY、時事通信、中日新聞、日本経済新聞、毎日新聞、読売新聞、
(Youよっかいち)
市側
市長、草川指導課長、坂下教育支援課長、伊藤都市整備部次長、山口道路管理課交通安全係長、
鈴木都市計画課長、橋本道路管理課計画グループリーダー、
金子都市計画課総務・まちづくり支援グループリーダー、加藤広報マーケティング課長
発表事項1.令和6年度 ICT活用で「四可一」がスタート Four Systems for Students.四つのシステムで 可視化して 一人ひとりを支援する
市長:今年度からICTを活用して、四日市の教育現場が大きく変わっていく。4つのシステムが同時に開始するということで、本市の特色として発信をしていきたい。
4つの中には、全国初、三重県初の取り組みもあり、さらに4つが同時に開始するということが非常に有用なことであると認識をしている。Four Systems for Studentsということで、生徒のためのシステムが4月からスタートする。それを総称して「四可一」と名付けた。「四つのシステムで」「可視化して」「一人ひとりを支援する」ということである。
文部科学省からは、GIGAスクール構想の一環として、教育の現場においてデータの活用に取り組むべきであるとの方針が打ち出されており、本市もその国の方針に基づき、積極的にICTを活用していく姿勢の表れと捉えていただければと思っている。
4つのシステムを順に説明をしていきたい。
まずは1つ目のダッシュボードという機能である。ダッシュボードの説明をする前に、令和5年度までに教員のパソコンはICT化が既に進んでいるが、出席簿や保健室の利用記録、通知表の記録などがばらばらに表示されていた。これがダッシュボードを導入することにより、ある子どもの名前をクリックすると、その子どもの出欠席や保健室の利用記録、通知表の成績などの一覧が出てくる。これまでフォルダごとに成績は成績、出欠は出欠と見にいかなければいけなかったものが、子ども一人ひとりのページができ、その情報が一覧で見ることができるということである。1人の子どもの情報を幅広く知ることができることから業務時間の短縮にもつながっていくということである。
2つ目は、子どもの気持ちを可視化するというところで、スクールライフノートという機能である。これまで子どもたちは、ノートなどに時間割を書き込み、さらに1日の感想やコメントを書いて担任の先生とやり取りをしていた。これを今1人1台のタブレット上で行っていこうというのがスクールライフノートということである。このスクールライフノートには、今日の「心の天気」はという問いがあり、子どもが「晴れ」か「くもり」か「雨」ということを入力することができる。子どもが入力すると、先ほどのダッシュボードに反映することができる。個人だけでなく、クラス一覧のページもあり、教員がクラスのダッシュボードを見ると、誰がくもりなのかなどが一目で分かるということである。そのほか、毎時間ごとの振り返りや感想を書くことができ、この内容も教員のタブレット端末からすぐに確認ができ、授業の改善に生かしていくということである。
3つ目は、子どもの学力を可視化するということで、全国初の取り組みとなる。ベネッセとの共同研究になるが、本市の中学校3年生が受験しているLiteras論理言語力検定の結果と、国が実施している全国学力・学習状況調査の結果と結びつけ、個々の学力を多面的に分析して、今後の指導改善につなげていこうというものである。
4つ目は、三重県で初めての取り組みになる。いじめのリスクの可視化である。これは「いじめリスクアセスメント」プロジェクトでリスクを可視化する。本市では、学期ごとに少なくとも1回以上いじめ調査を定期的に行っている。このいじめ調査は、スタンドバイ株式会社と連携をして、SNS相談アプリ「STANDBY」を令和4年度から導入している。これは、子どもたちが自由に書き込めるというもので、令和5年度においては2月末時点で2,000件を超える相談が寄せられて、児童生徒の相談ツールの1つとして定着してきている。令和6年度以降は相談アプリを利用できる対象を、小・中学校全学年に拡大し、このデータを使って、いじめ調査をデジタル化し、その結果からリスクを可視化するというものである。スタンドバイの開発したソフトにいじめ調査の結果を連携させると、学級一覧でアラートが表示される子どもが出てくる。そのアラートをクリックすると、この子どもの個票が表示され、どのような傾向の悩みを抱えているかが表示される。例えば、「組織的な対応をしてください」など、その子どもに応じた対策が表示される。いじめ調査の結果をデジタル化して、それをシステムが解析して、この子どもが危険という場合にはアラートを出してくれ、どのように対応するべきか、そのアラートで表示してくれるということである。この仕組みについて、さらにスタンドバイ株式会社と共同研究をさらに深めていくという取り組みである。
このように令和6年度は4つのシステムを導入して、頭文字を取って、「四可一」というプログラムで実施をしていきたいと思っている。冒頭も述べたように、Four Systems for Studentsということで、生徒のための4つのシステムが今年度から新たにスタートするということである。
質疑応答
質問:それぞれのシステムは前から導入していて、四つを一体化して運用することが今年度からということか。
回答:1と2のダッシュボードとスクールライフノートに関して、ダッシュボードに示される初期画面については、既に昨年度までもC4th(シーフォース)という似たものがあり、出・欠席や保健室の記録などを入力、管理していた。保護者から欠席などの連絡もここに入り、自動的に記録されて表示されるというシステムは昔からあったが、これにオプション機能として、一元化してカルテのように見ることができるというのが、このダッシュボード機能である。そこに付随して、子どもたちの紙のノートもなくして、オンライン上で先生とやり取りができるスクールライフノートもオプション機能でつけた。1・2は従前の機能にプラスして、オプションをつけたということである。(教育支援課)
回答:ベネッセとの共同研究による学力の可視化は、昨年度までのデータを共同研究して、今年度分析をしていくということが、全国で初めての試みである。
そして、いじめリスクアセスメントは、小学校2校、中学校2校で試験的に導入をしていたが、今年度は全ての小・中学校でいじめアンケートをデジタル化し、活用していくということで、三重県で初めての取り組みとなる。(指導課)
質問:このベネッセのLiteras論理言語力検定という検定は、いつから実施しているのか。
回答:令和3年度から実施している。(指導課)
質問:「いじめリスクアセスメント」は、STANDBYというアプリを試験導入することになったということか、それとも、デジタル化が試験導入になったということか。
回答:両方である。試験導入で、STANDBYは5年生以上で導入していたが、今年度からは全ての学年で相談アプリを使える。いじめの調査も、同様である。(指導課)
市長:STANDBYというアプリは導入していたが、それとはまた別に、今回は可視化できるものである。このSTANDBYのアプリは匿名なので、個人とは紐づけできない。関係構築してきたスタンドバイという会社と、いじめ調査を基に新しい仕組みを導入するということである。
質問:いじめの調査によって、アラートが出てくると思うが、それと相談内容をリンクさせることができないとすると、いじめ実態は分からないのではないか。
回答:相談内容はあくまで匿名であるので、個々に家からでも相談できるものである。今度のいじめアセスメントについては、紙で行っていたいじめ調査をデジタル化して、相談に対しても、デジタルで答えていくという内容である。(指導課)
質問:このアラートは、どのように判定してくるのか。
回答:三重県で初ではあるが、浜松市では全小・中学校で取り組みがされている。そういった基準や北海道大学とプロジェクトを組み、基準や仕組みを研究してきた。その基準に基づいて黄色・赤色、あるいはびっくりマークが出てくる。今回、導入することで、データが集まり、基準を統一化していくということもある。いろんな利点もあり、例えば、朝の会でいじめ調査をすると、すぐに結果が分かるので、職員で相談し、対応策を出すまでに迅速に動ける。また、全職員が確認することができる。
発表事項2.運転免許の自主返納の支援について
市長:本市でも、この4月から運転免許証の自主返納の支援を新たにスタートする。
自動車などの運転に不安を感じている人が運転免許証を自主的に返納された場合、それを支援していこうというもので、4月1日以降の返納者から支援を始めていく。
支援内容は、自主返納手続していただいた人に対して、鉄道会社が発行する交通系ICカードで5,000円分を交付するものである。この対象者は、自主返納された人で市内に住所を有している人で、年齢制限はない。高齢者の免許証返納は大きな課題となっているところではあるが、年齢関係なく運転に不安を感じている人に対象を広げる。三重県では年齢制限なしは本市が初めてである。これまでに2市1町が既に導入しているが、全て65歳以上で、本市は高齢者に限らず、運転に不安を感じている人全般を対象にしていきたい。
申請手順は、住所地を所管する警察署、または運転免許センターで返納手続を行った上で、通知書や証明書を受領していただき、本市の道路管理課で手続をしていただく。1人1回限りとなり、この申請受け付けを6月から開始するが、4月以降に返納された方が対象である。
本市における高齢者の免許返納者数の推移は、令和2年が1,254人で、令和5年は1,016人である。ここ数年は1,000人から1,200人の方々が毎年返納している。
質疑応答
質問:交通系ICカードの種類は何か。
回答:あすなろう鉄道、近畿日本鉄道、もしくは三重交通のバスでも利用はできるというところで、ICOCAを想定している。(道路管理課)
質問:2市1町では65歳以上ということだが、この2市1町は何市か。
回答:鈴鹿市、桑名市、紀北町である。(道路管理課)
質問:運転免許証返納者のうち65歳未満の人は何人ぐらいか。
回答:後ほど回答する。(道路管理課)
発表事項3.空き家の活用について新たな取り組みを始めました
市長:非常に大きな課題であるが、本市は令和6年度もしっかりと空き家対策に取り組むということと、さらにその対策を強化していくというところである。
資料とは別になるが、市役所において、今年度から建築指導課にあった「建築安全係」という係を「建築安全空き家対策係」という名前に改称して、「空き家」を組織名に入れ、より相談窓口を分かりやすくしていこうという組織改編も行った。それと併せ、空き家活用についての新たな取り組みをスタートする。
4月1日より空き家の住宅利用に関して、新たに3つの補助制度の運用を開始している。
1つ目は、空き家流通促進補助金である。これは空き家を流通させようということで、空き家・空き地バンクに登録を促進をしていこうというのが目的で、まず空き家の所有者に対する補助金ということになる。空き家の所有者に対して、リフォーム工事、家財の処分、そして建築状況の調査といったところを補助対象にして支援する。所有者側が整えた上で、空き家・空き地バンクに積極的に登録してもらおうというのが1つ目である。
2つ目は、空き家取得活用補助金である。これは空き家を取得する側に対する補助で、リフォーム工事に対する補助である。かねてから、さまざまな補助制度があり、例えば、子育て若年夫婦世帯の住み替え支援の補助金があるが、それとも併用して活用してもらうことが可能である。子育て若年夫婦世帯の住み替え支援は、固定資産税相当分の2年分、上限20万円、親世帯と近居であれば上限40万円の補助金がある上に、加えてリフォームをした際には、さらにこの上限50万円の補助が出るという、大変手厚い制度となっている。
3つ目は、市街化調整区域における空き家賃貸活用補助金である。市街化調整区域での住宅の賃貸活用は、かなりハードルが高く、昨年の3月から本市では規制緩和を行ってスタートした。三重県はもとより東海エリアでも初めての取り組みと認識をしている。この賃貸活用をさらに促進していこうということから、まず賃貸物件の所有者に対して、許可申請書類の作成についての補助を行う。市街化調整区域での賃貸活用はハードルが高いと言ったが、規制緩和した上でも、かなりの手続きが必要になってくるので、この手続きのサポートと、また借りられる側にも別でリフォーム工事の補助を行っていこうというものである。
次に、4月1日から小山田地区と水沢地区に限ってだが、既存集落などにある空き家を、賃貸住宅に加えて、新たに地域資源を生かした店舗などへ活用していくことを可能にした。例えば、店舗や観光の施設など、こういうところに賃貸できるという取り組みがスタートした。それに関するのがお配りしている「四日市 都会田舎暮らし」というチラシである。要は住宅利用だけでなく、店舗なども賃貸活用できるようになる。チラシの裏に幾つかの補助制度が出ている。先ほど紹介した空き家の取得活用や、空き家の賃貸活用である。チラシの下の空き家で店舗を開きたいというところが、今回の制度開始に伴う新たな補助制度である。例えば、観光もてなし事業補助金ということで、観光案内所や休憩施設の提供に資する事業に対して、改修工事費の一部を助成していこうということ。また、空き家店舗等活用支援事業補助金ということで、飲食業及び小売業の提供に資する事業に対して、改修工事費などの一部を助成する。またさらに、アグリビジネス支援事業費補助金ということで、市内の業者による農業に関連する事業、農産物直売所などに対して、設備導入費や施設整備費などの一部を助成するということで、さまざまな補助制度がスタートをしていくということである、総じて空き家活用の促進に大きく貢献していく取り組みと思っている。
質疑応答
質問:市内に空き家は、今何軒あるのか。
回答:国が行っている平成30年の住宅土地統計調査で推計値にはなるが、本市の空き家数は約1.8万戸で、市内の住宅の12.1%となっている。
質問:現状は、これよりもさらに増えているという見通しなのか。
回答:空き家の推移は、年々増加をしてきていると認識している。さまざまな制度を積極的に活用していただきたいということで、今回補助制度を拡充したというところである。(都市計画課)
質問:今回のさまざまな新しい取り組みに伴い、空き家をいつまでにどれぐらい解消したいとか、そういったものはあるのか。
回答:具体的な数字はない。既にホームページ上で登録をする空き家・空き地バンクがあるが、年間で空き家の登録が50件、成約に至っているものが32件程度あるので、これらが全てリフォームというわけではないが、そういった数字も加味しながら対応をしていきたい。(都市計画課)
市長:今とにかく、その空き家が増えている状況で、減らすという状況にはなかなかなりにくいのが現実である。ただ流通を促進して、できる限り空き家を有効活用していこうと、今模索している段階で、それにつながるような支援を拡充している最中である。全国的にどこを見ても、空き家解消には程遠くて、増加していかないようにするというのが現状である。それでも増加していくので、いかにスピードを緩めていくか。より多くの人が空き家に対する意識を持っていただきたい。
質問:新しく空き家を使って店舗を開きたいという企業、個人からの要望などがあれば、教えていただきたい。
回答:対象になっている地区が現時点で水沢地区と小山田地区になっている。都市計画課で、この制度をつくるまでに地域とさまざまな空き家の活用に関して、あるいは既存集落の維持に向けて、協議してきた。その中で、地域から、「あそこの空き家、こういう使い方したらいいんじゃない」というような話は数件挙がっている。これは空き家を所有者と、使いたい人をマッチングしてということなので、今後、地域と空き家に対する対応を協議しながら取り組んでいきたい。(都市計画課)
その他
質問:リニア開通が2027年から、早くても2034年になった。中心市街地の再開発プロジェクトは、リニアの開業を見据えて2027年と設定していたが、市としては、リニアの開業が遅れることによって、影響はあるのか。
市長:延期とは聞いていたが、2034年とは思っていなかったので正直驚いた。本市の中心市街地再開発プロジェクトも、当初はリニア開通の2027年を1つの目標としてきた。リニア開業にとらわれず、2027年を目標としていることに変わりない。ただ、日本全体のことを考えると、リニアの開通による経済効果は大きいし、その上で、東京・名古屋間の人流が活況になってくるということを踏まえると、名古屋からの効果というのは四日市も非常に恩恵を受ける部分があろうかと思うので、遅れることに対する四日市のまちとしての影響はあると思う。ただ、それは致し方ないことなので、そのリニア開通を待ち構えるかたちで中心市街地再開発をしっかりと完成させる。早期開通を望みながら、粛々と続けていくということしかない。
質問:新図書館整備事業の見通しを教えてほしい。
市長:近鉄との交渉が始まろうとしているところである。さまざまな課題は見えてきているので、少なくとも5月に議員説明会があり、このタイミングでは一定の状況、方向性を示す必要があると認識している。そこまでには、一定の形は整えていきたいと思っている。
質問:以前、6月の議会には補正予算なりを出すということであったが、その方針は変わりないか。
市長:近鉄と本市との最終的な協議の段階になってきている。まずは5月の議員説明会で、いろいろ方針を示していきたいと思っている。議会、イコール市民だが、皆さんには、何らかの報告をさせていただき、それを踏まえて6月議会の対応もお伝えしていきたいと思っている。
質問:改めて、ICTを活用した教育のシステムを導入するに当たって、期待する効果など、コメントいただきたい。
市長:令和6年度から本市では、「四可一」という名のプログラムをスタートをさせる。四つのプログラムで一人ひとりの児童生徒を可視化して、教育現場での活用を図っていく。学校教育の質の向上とともに、教員の働き方改革にも大きくつながる仕組みであるで、ぜひともご期待いただければと思っている。
質問:具体的にどういうところで利便性が上がるのか。
市長:生徒一人ひとりの情報が1つのページで一覧できるということは非常に大きな効果と思うし、いじめの機能はシステムでアラートが出て、デジタルで管理していくということから、今までよりもきめ細かく、また質の高い取り組みにつながっていくのではないかと思っている。
司会:運転免許証の返還のところで、ご質問いただきました、年間の免許証の返納者数は、令和5年は、65歳以上の方の返納者数が1,016人、プラス65歳以下が40人で、合計で1,056人が返納されたということである。
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