令和05年11月01日 記者発表資料 石原産業株式会社四日市工場における土壌汚染について
問い合わせ番号:16987-3572-2960 更新日:2023年 11月 1日
1.発表内容
令和5年10月31日、三重県生活環境の保全に関する条例第72条の4第1項に基づき、石原産業株式会社(大阪市西区江戸堀一丁目3番15号 代表取締役社長 社長執行役員 高橋 英雄(※))から同社四日市工場(四日市市石原町1番地)において、土壌汚染を発見した旨の届出がありました。
同社が工場敷地内において新たに工場建設工事を行うにあたり土壌を調査したところ「1,2-ジクロロエタン」、「ジクロロメタン」、「ふっ素及びその化合物」、「セレン及びその化合物」、「砒素及びその化合物」が土壌溶出量基準を超過し、「鉛及びその化合物」が土壌含有量基準を超過しました(地点は別紙参照)。
土壌溶出量基準を超過した物質について当該工事範囲の境界付近で地下水を調査したところ、いずれの物質についても基準を満たしていたことを確認しています。
なお、当該工場敷地では、過去に土壌・地下水汚染が判明していることから、事業者が土壌・地下水汚染対策を検討するための第三者委員会である「環境専門委員会」を設置し、学識経験者等の指導を得ながら調査、修復に取り組んでいます。
基準を超過した有害物質及び検出された濃度は次のとおりです。
<土壌調査結果(溶出量)>
物質名 |
最大検出濃度 (土壌溶出量基準の倍数) |
土壌溶出量基準 |
1,2-ジクロロエタン | 6.7mg/L(1,675倍) | 0.004mg/L |
ジクロロメタン | 3.8mg/L(190倍) | 0.02mg/L |
ふっ素及びその化合物 | 13mg/L(16.3倍) | 0.8mg/L |
セレン及びその化合物 | 0.38mg/L(38倍) | 0.01mg/L |
砒素及びその化合物 | 0.22mg/L(22倍) | 0.01mg/L |
<土壌調査結果(含有量)>
物質名 |
最大検出濃度 (土壌含有量基準の倍数) |
土壌含有量基準 |
鉛及びその化合物 | 920mg/kg(6.1倍) | 150 mg/kg |
※汚染が発見された土地の大部分はコンクリートで覆われていますが、一部に裸地があることからシート養生を行うとともに、当該地を立入禁止措置とすることにより、直接摂取防止、飛散防止等の措置が講じられています。
(※)高橋の「高」は正式には「はしごだか」
2.対応方針
(1)11月1日に現地への立入調査を実施します。
(2)汚染土壌を場外搬出する際は、適正に処理をするよう指導します。
【参考】
○「1,2-ジクロロエタン」
有機塩素系溶剤の一種で、無色透明の液体、不燃性、水に難溶。塩化ビニルの製造であり、そのほか合成樹脂原料、フィルム洗浄剤、有機溶剤、混合溶剤、殺虫剤、医薬品、化学反応中間体などに使用される。
皮膚または目に接触すると炎症を引き起こす場合があることが知られている。蒸気を大量に吸引すると麻酔作用を示し、中枢神経系を抑制する。慢性毒性として肝機能障害が知られている。発がん性についても疑われている。
○「ジクロロメタン」
有機塩素系溶剤の一種で、塩化メチレンとも呼ばれる無色透明の液体、不燃性、水に難溶。金属・機械等の脱脂洗浄剤等に使われるなど、洗浄剤・溶剤として優れている反面、環境中に排出されても安定で、地下水汚染の原因物質の一つとなっている。
皮膚または目に接触すると炎症を引き起こす場合があることが知られている。蒸気を大量に吸引すると麻酔作用を示し、中枢神経系を抑制する。慢性毒性として肝機能障害が知られている。発がん性についても疑われている。
○「ふっ素及びその化合物」
ふっ素及びその化合物は、ホタル石などの形態で自然界に広く分布しています。環境中においては、河川や地下水、土壌中に含まれており、海水中のふっ素は比較的高濃度(1.3~1.4mg/L程度)となっています。また、ふっ素化合物は、ガラス加工や電子工業等において使用されるほか、ふっ素樹脂等として広く用いられます。適量のふっ素は虫歯予防に有効であり、歯磨剤にも添加されています。ふっ素による健康影響としては、飲料水として過剰な摂取による斑状歯の発生等が知られています。
〇「砒素及びその化合物」
砒素は、地殻の表層部には重量比で0.0005%存在し、水中や土壌中、大気中に広く存在している、金属光沢のあるもろい灰色の固体です。その化合物は、花火の着色剤や半導体、赤色の発光ダイオードの原料などとして利用されています。急性の中毒症状としては、めまい、頭痛、四肢の脱力、全身疼痛、麻痺、呼吸困難、角化や色素沈着などの皮膚への影響、下痢を伴う胃腸障害、腎障害、末梢神経障害が報告されています。
○「セレン及びその化合物」
人にとって必須元素とされていますが、過剰なセレンの摂取は、人や家畜の健康に影響を与えます。セレンは光を受けると電気を流す性質があるため、コピー機の感光ドラムや太陽電池に使われています。また、ガラスや陶磁器などの赤、ピンク、橙黄色の着色剤や顔料、ガラスに含まれる不純物の色を吸収する消色剤、合金の添加剤として用いられるほか、セレンが欠乏している地域の土壌改良剤にも使われています。
○「鉛及びその化合物」
古くから人類に利用されていた金属であり、現在でも鉛蓄電池やはんだ等に広く用いられています。鉛は地殻の表層部には重量比で0.0015%程度存在し、水や大気中から検出される鉛には、人為的な排出のほかに地質に起因するものが含まれます。なお、鉛は人の臓器や組織に通常存在する物質ですが、高濃度の鉛の暴露では貧血や筋肉の虚弱などの中毒症状があらわれます。また、無機鉛化合物では発ガン性があるとされています。
別紙 【PDF(PDF/404KB)】
【問い合わせ先】
四日市市 環境政策課(担当:大気水質係 中尾、浦) 電話:059-354-8189