令和05年05月09日 臨時記者会見要旨
問い合わせ番号:16842-2317-6418 更新日:2023年 5月 9日
市長定例記者会見
日時
令和5年5月9日(火曜日) 午前11時30分~
場所
本庁6階 本部員会議室
出席者
報道機関
伊勢新聞、NHK、共同通信、CTY、CBCテレビ、時事通信、中京テレビ、中日新聞、
東海テレビ、毎日新聞、三重テレビ、読売新聞、(Youよっかいち)
市側
市長、日下ふるさと納税・シティプロモーション戦略プロデューサー、
清水ふるさと納税推進室長、秦広報マーケティング課長
発表事項1 ふるさと納税・シティプロモーション戦略プロデューサー(任期付職員)の着任について
市長:待望のふるさと納税・シティプロモーション戦略プロデューサーのお披露目の場ということで、私もテンションが高まっている。以前から公募していたふるさと納税・シティプロモーション戦略プロデューサー日下幸一郎氏が5月8日に着任したので、私から紹介したい。
山口県下関市生まれ。早稲田大学卒業後、株式会社電通に入社。一貫して広告制作部門でコピーライター、クリエーティブディレクターとして様々な企業の商品広告や企業広告などを担当。地方創生にも関心を持ち、2020年から2年間、内閣府の地方創生人材支援制度で、石川県加賀市にシティプロモーション政策官として出向。企業版ふるさと納税の制度を活用した企業からの寄附による事業や広報、シティプロモーションなどの業務に従事。2023年5月8日から本市のふるさと納税・シティプロモーション戦略プロデューサーに着任。
今回のふるさと納税・シティプロモーション戦略プロデューサー募集の経緯から少し説明する。
まず、昨年12月23日から今年1月29日の期間において、本市はふるさと納税・シティプロモーション戦略プロデューサーの公募を行った。その結果、147人の応募があり、1次の書類選考では12人が合格。その12人を対象に2月19日に2次試験としてプレゼンテーション面接を実施した結果、日下氏の着任に至った。
任期は1年で、令和6年3月31日までだが、採用日から5年を超えない年度末までの範囲内で任期を更新していく予定。最長で令和10年3月31日まで1年更新で契約していくことになる。
本市はふるさと納税の寄附の受入額と、市民が他の自治体に寄附する市民税控除額を比較すると、マイナス部分が大きい。令和3年度の実績でマイナス8億円であり、市の財源流出が非常に厳しい状況になっている。直近の令和4年度の数字はまだ集計中であるが、マーケットの拡大などを鑑みると、マイナス幅が9億~10億になっている可能性もあるという状況からのスタートとなる。何とか日下プロデューサーを中心に、一丸となって、ふるさと納税のマイナス部分を取り戻していくスタートを切りたいと思っている。
日下プロデューサーには、今までの経験を基に、本市の新たな返礼品の発掘や開発、また見せ方、PRの仕方を工夫してもらい、より多くの方が本市の返礼品の魅力を感じ、多くの寄附をしていただける流れをつくってもらいたい。
また、日下プロデューサーは市外の方で、本市には基本的にご縁のなかった方である。外から見た本市の魅力を今一度見直しながら再評価していくきっかけにもなると思っている。新たな返礼品発掘に加え、既存の返礼品のさらなる魅力アップも期待したい。今までも市役所の中で頑張ってきたが、民間の発想、経験を生かして職員を引っ張っていただき、新しい目線、アプローチで四日市のふるさと納税が大きく躍進するきっかけになればと期待している。
日下戦略プロデューサー:皆様、初めまして。このたびふるさと納税・シティプロモーション戦略プロデューサーを務めることになった日下です。よろしくお願いします。
初めに、市長の説明と重なる部分もあるが、この役職のミッションと、そのミッションに対する私のありたき姿について説明したい。
まずミッションについて、ふるさと納税が、地方で生まれ育って、都会に出た人が寄附という形でふるさとに恩返しをするためにつくられた制度であることは承知しているが、現状は自治体間で返礼品を競っている。まずはそこにどう対応するかが私のミッションの一つ。そのほかのミッションとしては、企業版のふるさと納税制度を活用した企業からの寄附による地方創生の事業企画や、それらと併せて四日市を全国にPRするシティプロモーションの業務も兼任する。
ふるさと納税に関しては、現状は残念ながらその収支の差が8億の赤字となっている。四日市市は地方交付税交付金が国から交付されない自治体であるため、交付される自治体がふるさと納税による流出額の75%を国から補塡されるのに対し、その補塡もなく、8億がそのまま減収になるということで、四日市市にとっては喫緊の課題だと聞いている。
その収支のマイナスを解消するためには、国の定めるルールで返礼品の条件が地場産品に限るとなっているため、地場産品をより魅力的にPRしたり、より魅力的な地場産品を新たに開発することが重要になってくる。地場産品である以上、地域の事業者の皆様の協力なしに事はなせないので、地域に出て、地域の皆様と話し、皆様との協業で目的を達成できればいいと考えている。
外から来た人間ならではの、地域の人が気づかない四日市のいいものやいいところを発掘し、四日市市のふるさと納税を全国にPRしていきたい。ふるさと納税は、返礼品の競争になっているが、全国の自治体が地場産品をめぐり知恵を絞り、競争することで地場産品が有名になったり、新たな地場産品が生まれることで地域の活力が上がり、結果として地方創生につなげられれば、それはそれで悪くはないと思っている。ただし、制度本来の目的であるふるさとへの恩返しのための寄附ということに関しても、その趣旨をご存じでない方もいると思うので、四日市市出身で都会に出た方などに制度の本来の趣旨をPRするなどし、ふるさと納税の制度の健全な発展にも貢献できればと考えている。
最後に、企業版ふるさと納税による地方創生事業に関しては、四日市市は臨海部のコンビナートだけでなく、内陸部の半導体関連の産業をはじめ、四日市萬古焼などの伝統産業から農業に至るまで、幅広い産業に恵まれているとともに、子育てや教育にも力を入れており、暮らしやすく、とても豊かなまちである。その豊かさを未来につなげられるSDGs関連の事業を企業の皆様に理解いただき、ご寄附による事業を推進し、またシティプロモーションに関しては四日市の豊かさを広くPRすることで移住・定住の促進につなげたい。
質疑応答
質問:電通を辞めて四日市市へ来ることに関して、大きな決断があったと思うが、その決断の理由を教えてほしい。
日下戦略プロデューサー:今回応募したきっかけは、もともと下関市出身で年末年始帰省すると、商店街のシャッターの数が増えてきている。地方の元気なくして日本の元気はないということで、数年前から地方創生に関心を持ち、自治体へ観光誘客の提案をしたり、内閣府の地方創生の人材支援制度を活用して地方自治体に出向したり、いずれ将来的にはこれまでの経験を生かして地方創生に関わる仕事につきたいという希望はあった。今回、たまたまテレビのニュースで四日市市の公募が流れたのを見て応募したら、ご縁あって選んでいただき、今回着任した。
質問:今回、年収1000万円で四日市市も本気を見せて募集するという触れ込みがあったが、この年収の魅力はあったのかどうか。
日下戦略プロデューサー:もちろんその給与が自治体の給与としてすごく価値があるということは承知している。その負託に応えられるよう頑張っていきたい。
質問:四日市に住むのは初めてということで、四日市の印象を教えていただきたい。
日下戦略プロデューサー:コンビナートというイメージだったが、自然豊かで、コンパクトなところに31万人の人口があり、産業のバランスもよくて、豊かなまちというのが最初の印象。
質問:今までの経験を生かして、四日市のどういう魅力を発信していきたいか。
日下戦略プロデューサー:産業もいろいろあるので、返礼品も実はいろいろある。ただ、PRの仕方やマーケティング的な視点が、成功している自治体に比べて若干弱いと思う。まずはその辺を事業者の皆さんと相談しながら改善するとともに、せっかく機会をいただいたので、新たな四日市の地場産品をいろいろ集結、ミックスして、新たな地場産品が開発できて、それが地場の活力を上げることにつなげていければいいと思う。
質問:これまでどういった業種のどういった会社のコピーを手がけていたかを伺いたい。
日下戦略プロデューサー:37年間一貫して制作の現場にいたので、食品から自動車、住宅、流通、ほぼあらゆる業種のクライアントを担当した。
質問:実際にふるさと納税のプロデューサーとして着任するに当たって、ふるさと納税の業務の中でもご自身のコピーライターとしての経験をどう生かしていけると考えているか。
日下戦略プロデューサー:まず返礼品の魅力をもう一度見直し、キャッチコピーや、その商品のバックグラウンドにあるドラマをストーリーとして記入し、ご寄附いただく方に選んでいただけるようにしたい。
質問:少し具体的に、どういう形でストーリーを伝えるとか、ご自身の頭の中に既にあるのか。
日下戦略プロデューサー:まだ着任したばかりなので、具体的には勘弁してほしい。
質問:1000万円という金額がどうしても先行して報道されるが、これまでの年収よりは下がると思うが、ご自身の中では金額は関係ないという思いか。
日下戦略プロデューサー:(1000万円という年収は)もちろんありがたいが、それよりも地方創生で何かお役に立てればいいという思いでやってきた。
質問:現状の四日市市のふるさと納税事業の課題について、産品のバリエーションは足りていてPR不足だという認識なのか、課題について具体的に教えていただきたい。
また、森市長に日下氏にされた決め手と、1年後に収支をこれぐらい改善してほしいという目標値を課されているのか、お聞きしたい。
日下戦略プロデューサー:返礼品は出ているが、写真の撮り方、見せ方とか、皆さんふるさと納税のポータルサイトでされるので、そこで基本的には他市との競争になっている。少しでも返礼品がよく見えるように写真の撮り方を工夫や、キャッチフレーズをつけて他市と差別化して選んでもらえる視点が現状では足りないので、まずはそこから手をつけていきたい。
市長:返礼品に対する目標は、すぐに結果が出るものではなく、複数年で取り組んでいかなければならないので、ある一定のスパンを持って取り組みを結実させていきたいと思っている。
例えば京都市の事例では、かなりのマイナスだったものを2019年から取り組まれ、2022年に黒字化したという報道がある。豊富な返礼品がそろっている京都市でも4年かかっている。ただ、黒字化に向け熱心に取り組めばできたという成功事例でもあるので、できる限り我々は赤字の幅をなくし黒字化を目指したい。長期的に希望を持ってやっていきたい。
放っておけば、今のマイナス幅が固定されているわけではなく、どんどんマイナス幅が広がっていく状況にある。できる限り赤字幅を減らしていくのが至上命題だと思っている。明確な数字を今設けてはいない。
質問:森市長に、改めて日下氏に対する期待の言葉をいただきたい。
市長:四日市はふるさと納税でかなり苦戦しているので、今回の日下プロデューサー就任によって一つの大きな起爆剤になればと思っている。民間で活躍されてきた経験とノウハウで市役所の限界を超えていくようなスパイスを効かせてもらい、市役所一丸となり、市民も巻き込んだ形でふるさと納税の起死回生となるような一手を打っていきたい。
質問:先ほど市長から、すぐに結果が出るものではないという話があったが、その中で1年契約としている理由は何か。
市長:1年契約とした意味は、単年度で勝負してほしいということがある。結果は単年度では出ないが、1年1年しっかりと取り組んでもらって、その姿勢も含めて更新をしていきたいと思っている。また、年収が1000万というと、行政としてはかなりの待遇にもなるので、そういったけじめをつけながら共に歩んでいくという姿勢をアピールしている。
質問:業績次第で年収1000万円が動くことはあるのか。
市長:年収が変動することはないが、1000万円を投じた結果がどうかというのは市民の関心も高いので、単年度では結果として出にくい部分はあるが、できる限り分かりやすい形で市民の皆様に取り組んだ結果が伝わっていけるようにしたい。
質問:着任したばかりの日下氏から見て、これは伸び代がある、磨けば光ると思える四日市の返礼品を現時点で1つ挙げるとしたら、どんなものがあるか。
日下戦略プロデューサー:今回、私は引っ越しの荷ほどき中に喉が渇き、ふだんは飲まない水道水を飲んだら、おいしくて驚いた。調べたら、四日市の水道水は鈴鹿山脈からの地下水が原水で、この原水100%の天然水「泗水の里」を出しており、ヨーロッパの国際品質評価機関であるモンドセレクションで3年連続最高金賞を受賞している。最高金賞とは、モンドセレクションに出品される全商品の15%にしか授与されない名誉ある賞で、飲んでみたら非常においしい。今日、皆さんにお配りしているので、試飲していただきたい。非常にマイルドで、水なのにかすかに風味もあり、そのまま飲んでよし、いいウイスキーを割るもよし、既に四日市市の返礼品となっているので、よろしくお願いしたい。
市長:日下氏と話したときに、「泗水の里」を非常に評価していただき、我々もおいしい水ということで販売はしているが、まさかここまで「泗水の里」に価値を見出してもらえると思っていなくて、我々の中で当たり前のものが市外の方にとって非常に価値が高いこともあるのだと改めて感じた。一つ一つ、我々が当たり前になっている四日市の魅力をもう一度精査し、本来の価値を再度正面からPRしていくこともできると思っている。
質問:電通時代のこういった仕事の仕方が今回の仕事に生かされるのではないかというイメージはあるか。
日下戦略プロデューサー:いろんな企業の商品広告を担当してきたので、広告の制作はターゲットやメッセージの出し方、マーケティングの粋を集めてやるので、その経験をそのまま返礼品のPRに生かしていけたらと思っている。
質問:ふるさと納税としての寄附金額をここまで上げたいという数値的な目標はどうか。
日下戦略プロデューサー:直近のデータと改善計画を合わせて数値は出していくが、まだ、できていない。とりあえずは赤字の解消というミッションをいただいているので、何年かかるか分からないが、私の期限内で達成できればと思っている。
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