令和04年12月21日 記者発表資料 川尻町100番地(JSR株式会社所有地)における土壌汚染について
問い合わせ番号:16714-4295-2568 更新日:2022年 12月 21日
1.発表内容
令和4年12月20日、三重県生活環境の保全に関する条例第72条の4第1項に基づき、JSR株式会社(東京都港区東新橋一丁目9番2号 代表取締役社長 川橋 信夫)から、四日市市川尻町100番地において、「ふっ素及びその化合物」、「砒素及びその化合物」及び「鉛及びその化合物」による土壌汚染を発見した旨の届出がありました。
JSR(株)四日市工場敷地内において、当該土地の占有者が新たに研究棟建設工事を行うにあたり、三重県生活環境の保全に関する条例第72条の2第1項の規定に基づき地歴調査を行い、工場敷地内で使用履歴のある有害物質を対象に、工事予定地(5,594㎡)について、自主的に土壌調査を実施しました。調査の結果全84区画中、1区画で「ふっ素及びその化合物」が土壌溶出量基準を、2区画で「砒素及びその化合物」が土壌溶出量基準を、1区画で「鉛及びその化合物」が土壌含有量基準を超過しました(地点は別紙参照)。また、土壌溶出量基準を超過した区画で地下水調査を実施したところ、検出されなかったことから、周辺環境への影響はないと考えられます。
なお、工場敷地内において過去に「ふっ素及びその化合物」、「砒素及びその化合物」及び「鉛及びその化合物」の取扱いがありましたが、汚染が発見された区画においては各物質の取扱い履歴がなかったことから、土壌汚染との因果関係は不明です。
基準を超過した有害物質及び濃度は次のとおりです。
<土壌調査結果>(溶出量)
物質名 |
検出濃度 (土壌溶出量基準の倍数) |
土壌溶出量基準 |
ふっ素及びその化合物 |
1.0 mg/L (1.25倍) |
0.8 mg/L |
砒素及びその化合物 |
0.024 mg/L (2.4倍) |
0.01 mg/L |
<土壌調査結果>(含有量)
物質名 |
検出濃度 (土壌含有量基準の倍数) |
土壌含有量基準 |
鉛及びその化合物 |
730 mg/kg (4.87倍) |
150 mg/kg |
※汚染区画について、裸地部は被覆養生および立入禁止措置が、裸地部以外はアスファルト舗装がなされており、直接摂取防止、飛散防止及び雨水浸透防止の措置が講じられています。
2.対応方針
(1)届出に記載の措置内容が適正に実施されていることを令和4年12月22日、現地への立入調査を実施して確認します。
(2)事業者に対して、土壌汚染対策が適切に実施されるよう指導しています。
【参考】
〇「ふっ素」
ふっ素は、地殻の表層部には重量比で0.03%程度存在し、その化合物は、ホタル石などの形態で自然界に広く分布しています。環境中においては、河川や地下水、土壌中に含まれており、海水中のふっ素は比較的高濃度となっています。ふっ素化合物は、ガラス加工や電子工業等において使用されるほか、ふっ素樹脂等として広く用いられます。
また、適量のふっ素は虫歯予防に有効であり、歯磨材にも添加されています。ふっ素による健康被害としては、飲料水として過剰な摂取による斑状歯の発生等が知られています。
〇「砒素」
砒素は、地殻の表層部には重量比で0.0005%存在し、水中や土壌中、大気中に広く存在している、金属光沢のあるもろい灰色の固体です。その化合物は、花火の着色剤や半導体、赤色の発光ダイオードの原料などとして利用されています。急性の中毒症状としては、めまい、頭痛、四肢の脱力、全身疼痛、麻痺、呼吸困難、角化や色素沈着などの皮膚への影響、下痢を伴う胃腸障害、腎障害、末梢神経障害が報告されています。
〇「鉛」
鉛は、地殻の表層部には重量比で0.0015%存在し、広く分布しているため、地質等に由来するものも発見されます。古くから人類に利用されていた金属であり、現在でも鉛蓄電池やはんだ等に広く用いられています。なお、鉛は人の組織等にも存在しますが、高濃度の鉛では、貧血や筋肉の虚弱などの中毒症状が現れます。また、無機鉛化合物では発ガン性があるとされています。
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