令和04年02月02日 記者会見要旨
問い合わせ番号:16636-4990-9396 更新日:2022年 2月 2日
市長定例記者会見
日時
令和4年2月2日(水曜日) 午前11時00分~
場所
四日市市役所6階 本部員会議室
出席者
報道機関
朝日新聞、伊勢新聞、NHK、CTY、時事通信、中日新聞、毎日新聞、三重テレビ、読売新聞、(Youよっかいち)
市側
市長、森シティプロモーション部長、稲垣都市整備部長、土井都市計画課公共交通推進室長、廣田財政課長、田中財政課課長補佐、秦広報マーケティング課長
発表事項1.自動運転車両の走行実験に向けてテスト走行を開始します
市長:まず、自動運転車両の走行実験に向けてテスト走行を開始するという項目である。自動運転車両の導入については、検討会議を立ち上げて、継続的に議論を進めているところである。昨年の3月にも、自動運転車両の実証実験を市として初めて行ったところであり、2回目の自動運転車両の走行実験を本年も予定しているところである。走行実験は3月であるが、その前にテスト走行を実施する。
現在、中央通りを中心とした中心市街地の再開発プロジェクトを進めている。歩行者を中心とした空間を創出していくというのがコンセプトであるが、それに見合った自動運転車両の運行も検討していくところである。環境に優しく、低速で街中の回遊性を高める効果が期待されるグリーンスローモビリティを走行させてはどうかということで、今回実験を行うこととなった。
今回実験で使用する車両はバス型で、フランスのナビヤ社のアルマという車両である。前回は、乗用車型のレクサスを使用したが、今回は、アルマという10人乗りの小型シャトルバスを予定している。実はこの車両には、ハンドル、アクセル、ブレーキペダルがない。高精度の三次元地図やGPSを使用して自動運転を実現するという、新しい技術を用いた車両となる。走行時はどのように運転するかというと、自動運転の場合は、車両に搭載されているセンサーやカメラで周囲の障害物を検知して安全確認を行い走行し、手動走行の場合は、コントローラーで操作して走行する。
この車両は、公道を走行するためには、事前に警察官または警察職員の審査を受ける必要があり、この審査に向けてテスト走行を行うというのが本日の発表項目である。
自動運転の車両の審査及びテスト走行の予定についてであるが、2月8日に手動走行、3月15日に自動走行の審査が行われ、3月に実証実験を行うという予定である。
テスト走行は、自動走行の審査の前後の3月8日から3月18日を予定している。審査の15日以降も期間を設けているのは、審査後も微修正等を行うためであり、3月8日から18日の間テスト走行の車両が、近鉄四日市駅とJR四日市駅間を走ることになる。
この車両は、茨城県境町において、令和2年度から通年の実証運行を行っているが、三重県内では初めての公道走行になる。
車両審査、テスト走行を受けた後、3月に自動運転車両の走行実験を行うが、詳細は、次回2月15日の記者会見で報告したいと思っている。車両がバス型なので、多くの市民に乗ってもらえるよう準備をしていきたいと思っている。
質疑応答
質問:前回の車両は普通乗用車タイプの4人乗りだったと思うが、今回は少し大きい車両で実施する意味合いは、より導入する車両に近い車両で実験するということか。
市長:今中心市街地の再開発プロジェクトを進めているが、今後はハード整備に加えて近鉄四日市駅とJR四日市駅間を一つの面として考えて、回遊性を高めていかなければいけないと思っていて、このような自動運転の公共交通のようなバスを走らせることを視野に入れている。
将来、どのような車両を走らせるかは今後詰めていかなければいけないが、前回は普通乗用車タイプであり、バスとして人を運ぶという形で運行することには無理がある車両であったが、まず自動運転車両の実験を行った。次の段階として、多くの人を運べる車両で行うということで、小型のバス型車両を使うことになり、より現実的なところに近づいてきていると思っている。
質問:速度が時速18キロということで、前回より低速になると思うが、1号線を渡るときなど交通量が多い中で、センサーなど搭載するとしても、安全性は担保できているということでいいか。
回答:出歩くことを中心としたまちづくりを進めていく中で、より気軽に乗ってもらえるように、今回、グリーンスローモビリティとして低速でカーボンニュートラルということについても配慮した車両を使っている。
広い道路を渡るのに時間がどれぐらいかかるかなど解決していかなければならない課題が出てくると思うので、今回、一度走らせて課題を浮き彫りにしていきたい。そして、それが解決できるのか、少し速度を上げなければいけないのか、実際に走らせることで課題を検証していくことを目的に今回実験を行う。また、全部自動でいけるのか、一部手動にするのかなどの課題をあぶり出すことが今回の目的になる。(都市計画課)
発表事項2.令和4年度当初予算について
市長:次は、当初予算の説明になる。令和4年度の当初予算案について、新型コロナウイルス感染症対策を確実に行っていくというところと、総合計画に位置づけた推進計画事業を進めていくというところを併せて、しっかりと予算をつけた。
一般会計では、1,300億円を初めて超えて、総額1,309億2,000万円という過去最大の予算規模となった。昨年度も過去最高で1,211億6,000万円であるので、97億6,000万円の増である。コロナ対応の予算を除いても過去最高の予算規模となっていて、コロナ後の四日市の未来を見据えた部分についてもしっかりと予算をつけた。また、全会計においても過去最高の2,756億5,610万2,000円になっている。
一般会計の歳入の概要については、市税収入716億8,530万1,000円を計上している。令和3年度予算は685億円程度であったので32億円程度増になるが、コロナの影響もあって令和3年度は、厳しく当初予算を見込んでいたこともあり、決算額は721億円の見込みで、例年並みの税収は保てると判断している。税収の内訳としては、償却資産に係る固定資産税が減少していく一方で、個人市民税や法人市民税が13億円と22億円の増加である。また、コロナ関係の補助金などによって、国庫支出金が45億円程度増になっている。
次に、一般会計の歳出について大幅に増加しているのは教育費である。給食センター整備事業費や小中学校の大規模改修事業費などが含まれていて、前年度比44.7%増の160億8,209万8,000円である。一方、総務費は減少している。三重とこわか国体・とこわか大会の推進事業費や文化会館の大規模設備等改修事業費などの減により15.1%減となって、147億6,965万3,000円になる。
予備費については、今年度初めて大幅に増加し3億円計上したが、来年度は今年度よりもさらに2億円を積み増し5億円とし、コロナ対応を含めて臨機応変な対応、柔軟な対応ができるように備えている。
予算規模全体が98億円の増となっているが、コロナ関連などの国庫支出金が45億円増加しており、これを除いても50億円強、予算枠を増加している。
増要因の主だったところでは、プレミアム付デジタル商品券として予算規模で20億円程度、令和5年度に運用開始する給食センター整備事業費で30億円というところで50億円程度押し上げている。一方、財政調整基金については、今年度の11月補正後には138億円であったが、当初予算で116億円と22億円程度減少する。このうち20億円は、プレミアム付デジタル商品券に充てたことによる減であるが、引き続き100億円以上の水準を維持している。また、市債についても市債残高自体は減少している。
このように本市の財政状況を見ると、財政調整基金の残高は100億円以上を維持しながら、市債残高を減少させることができているということから、コロナ禍でも健全な水準を保っていると判断している。
コロナ収束の見通しがつかない不透明な状況ではあるが、コロナ対応に加え、推進計画をしっかりと進めていきながら、四日市市の活路を見いだしていくという予算編成になっている。
令和4年度予算のネーミングとして、今回も元気をテーマとし、「コロナに打ち勝つ元気回復予算」とさせてもらった。厳しい状況ではあるが、過去最大の予算規模で市民の皆さんの生活を支え、景気を良くし生活水準を上げていくといった思いを込めている。
次に、特に思い入れが強い事業など幾つかの事業を取り上げて説明していく。
まず、子育て・教育の分野についてであるが、これまで、四日市市は待機児童解消に向けて取り組みを進めていて、ここ何年かは年度当初の待機児童はゼロというところであるが、現在、市の課題として、育休退園や、兄弟姉妹が別々の園に通うという状況がある。このような状況を解消していくため、民間保育所整備事業として、新たな保育園の整備も含めて予算をつけていく。令和5年度開園目標の1園の予算を計上している。
また、現在保育士の人材確保が厳しい状況であり、保育士不足による定員の拡充がかなわない状況に直面しているので、保育士等の人材確保は喫緊の課題である。ここにも踏み込んでいき、本市は、三重県下でも他の市町に比べて待遇改善を積極的に行っており、条件としてはかなりいいのだが、さらなる待遇改善を行っていく。
令和5年度からの開始になるが、勤務してから1年と3年経過した保育士に対して10万円の支給を行うという取り組みを進めていく。まず令和4年度は、1年間勤務すると10万円が支給されるという情報や保育士のリクルーティング情報の発信を積極的に行い保育士等の人材確保事業に力を入れていきたいと思っている。ハード面の整備やそして保育士の確保によって、育休退園や兄弟姉妹別々の園の問題を解消していきたいという強い思いがある。
次に、30億円の予算で中学校給食のための学校給食センター整備である。供用は令和5年度からになるが、来年度1年かけて最終的な工事を完了する。全員喫食を前提とした食缶方式による中学校給食の導入は、多くの人が待望している事業であるので、しっかりと進めていきたいと考えている。
次は、ICT活用による学習環境整備事業である。子育てするなら四日市、教育するなら四日市と、子育てと教育に力を入れていくことを宣言しており、学校の環境において、さらにICTを使った事業を行っていく。三重県下でも先進的な取り組みになる。
まず一つ目は、個別学習支援ソフトウエアの導入になる。今まで「学んでE-net!」というソフトを使っていたが、このソフトは、記述式の学習ソフトウエアであった。これに加えて、新たにデジタル学習教材「AIドリル」というものを導入していこうと思っている。中学生では、より効果が生まれる「AIドリル」を取り入れるとともに、記述式の「学んでE-net!」と併用して、学習を進めていく。「AIドリル」は、タブレットに回答を入れていくと、ドリルがその子の得意、不得意を学習して、不得意部分を補えるような問題を出してくる。例えば、小学校5年の子が解いている中で、5年生の課題が困難だと思ったら、4年生の問題が出てきたり、3年生の問題が出てきたりと、それぞれの子どもに合った問題を提供する。このようなAIドリルを採用している自治体はまだ少ないということで、このようなデジタル学習教材も活用しながら、子どもたちの学習を進めていきたいと思う。
次に二つ目は、三重県で初めてとなるが、アプリを用いた学校と保護者双方向の連絡システムを導入するというものである。今、学校と家庭との連絡手段は、電話かメールである。現在のメールは、「すぐメール」というもので、学校から一斉にメール配信するという一方通行の情報伝達方法であるが、家庭から学校に対してはそのような仕組みがなく、電話や、子どもを介して伝えていた。今回、双方向連絡システムを導入することによって、例えば、今までの欠席連絡は、欠席するということを学校に届けるか、連絡して欠席を伝えていたが、今後はアプリに入力することで欠席連絡を簡単に届けられる。また、プリントの配布については、子どもにプリントを持たせて、家庭で親に見てもらっていたが、アプリに掲載すれば、親が直接見ることができるようになる。欠席連絡は、学校の校務支援システムと連動して、出欠のシステムに自動反映されるという利便性もある。保護者も容易に学校と連絡が双方向で取れるようになるので、便利な仕組みになると思う。また、アナログで行っていたやり取りがデジタルになり、教員の働き方改革としての負担軽減や、保護者の利便性の向上にもつながるため、非常に期待している。
次は、文化・スポーツ・観光の分野であるが、2つ取り上げたい。
1つ目は、四日市コンビナート夜景ランフェスティバルの開催を予定している。これまで四日市ハーフマラソンを実施したいということで計画・準備してきたが、コロナ禍で実現することができない。来年度の開催も準備期間を考えると厳しいと判断している。そのような中、何も実施しないと、市民の皆さんの期待に応えることができない。そこで、ハーフマラソン開催に向けた機運を醸成するため、四日市市コンビナート夜景ランフェスティバルによって走る機会を設けていくことを計画している。霞ケ浦緑地を想定し、四日市の夜景を見ながら10キロや2時間のリレーマラソンなどを計画しており、四日市ならではの環境の下でマラソンイベントを行い、ハーフマラソンにつなげていきたいと考えている。
2つ目は、今年度、三重とこわか国体・とこわか大会が中止となり、国内のトップレベルの選手が集って競技してもらうことができなかったので、これを補完するものとして、全国大会や国際大会の誘致を積極的に図っていこうというものである。
国際大会では1大会最大1,500万円、全国大会では最大1,000万円の支援を行う。三重県も支援を行うので、県と市の補助制度を合わせて利用してもらうことによって、大規模大会を誘致していきたいと考えている。スポーツのハード面では、かなり本市は環境が整っているので、ハード施設を有効活用していく。
次は、産業・港湾の分野であるが、幾つか取り上げたい。
まずは、四日市コンビナートカーボンニュートラル推進事業である。2050年のカーボンニュートラルを実現するために、本市として大きな課題になるのが、産業部門における脱炭素化である。このような課題に直面して、民間の努力が非常に大事になるが、民間だけに頼るわけにはいかないと認識している。民間と公共で力を合わせてカーボンニュートラルに取り組むという体制を構築し、その姿勢を全国に発信していきたい。
まずは、四日市コンビナートのカーボンニュートラル化に向けた検討委員会を年度内にも設置し、具体的な議論につなげていくことができればと思っている。
四日市コンビナートのカーボンニュートラル化に向けた検討委員会については、四日市市が事務局を担い、知事にも参画してもらう。国や県にも入ってもらい、民間のコンビナート関係者、学識経験者にも参画して予定であるので、脱炭素一辺倒ではなく、脱炭素における新たな技術革新、ビジネスチャンスの創出も模索しながら、コンビナートに削減を強いるだけでない、新しいコンビナートの形を民間企業と創っていく検討会にしたいと考えている。
次に、大きな枠組みの変更になるが、現在ある三重県の北勢地域地場産業振興センターが3月31日で解散することにより、四日市市直営となり、新たに四日市市地場産業振興センターという形で運営していくことになる。運営主体が変わるだけでなく、新たな産業の拠点施設として活用していかなければならないという認識を持っている。まずは、新たな拠点としてどのような産業振興に寄与する施設にしていけるのか、調査検討を行い、将来的に中心市街地の再開発プロジェクトと連携しながら、産業の拠点施設化を図っていきたいと考えている。
次は、交通・にぎわいの分野である。
まず、令和4年度ならではの取り組みになるが、令和4年4月4日は、まさに四日市の日である。この四日市の日を盛り上げていきたいということから、特別な記念事業を実施していく予定である。毎年恒例となっているエキサイト四日市・バザールは、平成4年4月4日にオープンバザール四日市という形で開催がスタートした。30年前の平成4年4月4日にもこのような取り組みが行われたので、このような歴史を感じながら、444を祝っていきたいと思っている。
次に、四日市市プレミアム付デジタル商品券事業である。予算も20億円を超える21億円を投じて、コロナで疲弊した地域経済を建て直していきたいと考えている。プレミアム率が40%で、このプレミアム分に使われる予算が20億円であり、発行総額70億円のデジタル商品券の発行になる。
デジタル商品券は、紙の商品券ではなくスマホを用いた商品券になるが、三重県下で初めての取り組みとなる。コロナ禍において非接触を推進していくという目的と、まち全体のデジタル化を進めていかなければいけないので、キャッシュレス決済を普及させていくという目的がある。地域の各店舗においてもキャッシュレス決済を活用してもらい、さらなる取り組みに生かしてもらいたいと考えている。70億円の発行総額になると全国最大級の規模となる。予定としては、2月下旬から参加店舗を募集し、4月上旬から市民に対し先行して受付を行っていく。最大5万円の購入ができて額面7万円の商品券となり、1,000円単位で購入できる。利用期間は5月から10月を想定しており、第6波を乗り越えて、5月から10月で地域経済を戻していきたいと考えている。
近鉄四日市駅周辺等整備事業については、中心市街地の再開発プロジェクトとして来年度も着実に進めていく。
次は、環境・景観の分野である。
まず1つ目は、四日市公害判決50年関連事業であるが、令和4年が四日市公害裁判から50年の節目を迎えることになり、本市にとっても重要な1年となる。この1年を迎えるにあたり、企画展を開催していきたいと考えている。また、企画展を開催するとともに、四日市公害と環境未来館が開館から7年が経過するので、常設展の一部改修を行っていきたい。この一部改修では、第4期の新しい環境計画やSDGsの視点も踏まえたリニューアルを行い、四日市公害と環境未来館が1年間で大きく変わっていく。多くの人に来てもらい、50年の歴史を感じて、次に生かしていけるような1年になればと考えている。
次は、防災・消防の分野である。
大きな取り組みとしては、南消防署整備事業がある。今、南消防署の建て替えを行っており、来年度に完成して供用開始するため、整備をしっかりと進めていきたいと考えている。
次は、生活・居住の分野である。
1事業を取り上げると、予算規模は600万円であるが、新たな取り組みとして、女性のつながりサポート事業がある。コロナ禍で孤立や孤独による不安や悩みを抱える女性が増えていることが全国的に大きな課題となっている。ここに光を当て、社会との絆やつながりを回復することができるような支援を始めていく。具体的には、相談窓口を設置したり、居場所の提供を行うなどを実施していく。また、相談員の研修にも取り組み、相談員の専門性を高めていく。
次は、健康・福祉・医療の分野である。この分野では2つ取り上げる。
まず、認知症早期診断事業であるが、力強く取り組んでいきたい項目の一つである。認知症の早期発見、早期治療は重要であると訴えてきたが、啓発だけでなく、市として新しい仕組みをつくっていこうと思っている。この取り組みをしているところは、全国でも極めて少ない状況である。どのような取り組みかというと、一定の条件をつけてスクリーニングを行うもので、75歳以上の高齢者を対象に、簡易な認知機能検査を無料で実施する。認知症の発見といっても、多くの人は当事者意識がなく自ら検査を受けることは基本的にないため発見できない。市として一定の条件を超えると誰でも無料で検査を受けられる仕組みをつくることによって、自ら検査を受ける動機づけを行い、全体からスクリーニングし、早期発見につなげ、認知症の防止に努めていきたいと思い、来年度から始めていきたいと考えている。
また、介護予防等の拠点施設を整備していく。中央老人福祉センターを介護予防及び認知症支援の拠点として再整備していく。当事者や家族の支援も含めて、拠点として中央老人福祉センターの機能を大きく変えていく1年になると思っている。
また、コロナに対しては継続的に取り組みを行っていく。
最後に、都市経営の土台・共通課題では、マイナンバーカードを活用した行政手続のオンライン化事業に力を入れていく。これは全国的な取り組みであるので、本市だけということではないが、他市に負けずに積極的に取り組みを進めていく。来年、14手続を選定してオンライン化を進め、実現化していく。また、行政手続に係る手数料のキャッシュレス決済の実証実験も行っていきたいと考えており、本市もデジタル化を進めていきたいと考えている。
他に、一般会計以外では、競輪事業は、コロナ禍においてインターネットでの売上げの好調が続いていくと思っている。また、企業会計の市立四日市病院事業においては、新しい施設整備の投資を行っていく。昭和53年の移転新築以来、未改修である薬局、中央検査室、中央放射線室を中心とした部門を改修することに併せて患者支援のための入退院支援部門の新設なども行う。令和8年度の完成を目指し、令和4年度から工事に着手していくところである。
質疑応答
質問:一般会計の総額が1,309億円となり、初めて1,300億円を超えたということだが、それに対する意味合いや込めた思いはあるか。
市長:1,300億円というのは超えることがないと想定していたラインであるので、従来では考えられない水準である。ただ、超えた理由にコロナ対応の予算がある。今までコロナ対応は補正予算で計上してきたので、コロナ関係の予算が当初予算で計上されたことはない。今回初めてコロナ関係の予算を当初予算に計上したが、それが48億円程度になるので、予算規模を押し上げた要因の一つである。コロナ関係の予算無しで1,300億円を超えたということではないので一概には言えないが、その予算を除いても過去最大の予算規模であり、本市において大型の公共事業を進めていることが要因としてある。中心市街地の再開発プロジェクトや、令和5年4月供用開始の中学校給食のための給食センター整備が重なったこと、また、コロナ対応として、プレミアム付デジタル商品券20億の発行もある。ハード面の整備が今までにない高水準で進んでいることと、財政状況が健全であるため財政調整基金を使い、総額70億円の商品券を発行して景気回復を図っていくことにより、かなりインパクトはあると思う。プレミアム率40%で、発行総額70億円の規模で行うところはあまりないので、経済波及効果も全国的にも上のレベルでの取り組みになり、コロナを乗り越えた際には、四日市は力強く発展していけると思っている。
質問:コロナ対応での国庫支出金によって48億円程度膨らんだ部分はあるが、それを除いたとしても過去最高の規模になり、かなりインパクトのある予算になったということか。
市長:そうである。コロナ関連予算がなくても過去最大の予算規模であるので、様々な部分で市民生活を押し上げられる、中身の濃い予算になっていると思っている。
質問:予算規模を考えると、コロナ禍において財政も厳しい自治体がある中、四日市は健全な状況で推移していると思う。そこには、製造業が踏ん張っていて市税の落ち込みがそれほどなかったところもあると思うが、コロナ禍でいろいろな影響が出ている中で、四日市がインパクトのある財政規模で進められて、来年度も交付団体を維持できると考えられるなど、健全な財政状況を維持できる要因としてどういうところだと考えているか。
市長:コロナ禍において、当初は全産業が厳しい状況になると予測していたが、業種にもよるものの、コンビナートを中心に本市の製造業の業績が良いという話を聞いている。半導体不足により厳しい業種もあるが、総じて好調であると聞いていて、税収の落ち込みがかなり和らいでいる状況にある。一方で、サービス業を含めた第3次産業については、非常に厳しい状況であるので、第2産業で支えてもらった税収を第3次産業であるサービス業に回して、全産業を盛り上げていく取り組みをしたいと考えている。そこで、今回のプレミアム付デジタル商品券を大規模で実施していくことになった。
質問:個別の事業で、認知症の早期診断事業費というのを上げていたが、市長のマニフェストに重要項目として当初から上げていたと思うが、実現するのに年数がかかったと思う。改めて認知症の早期発見、早期対応というところの重要性をどのように考えているか。また、これまでの経緯を振り返って、今後、認知症の対応について、どのように制度を充実させていくのか教えてもらいたい。
市長:認知症対策に力を入れていくことは公約の中に掲げていた。できれば、今年度、認知機能の検査に取り組みたかったが、医師会を通じて検査を実施するので、医師会の協力が必要になる。この協力を取り付けるなかで、コロナ禍で医療機関が逼迫している状況で取り組みを進めるのが困難であったが、何とか現場において交渉を進め、医師会としても認知症の早期発見システムというのは有用であるということを協議してもらい、体制を整えられる状況になった。これはすばらしい取り組みであると思っている。今までは、どちらかというと、認知症になってからの対応で、保険適用や、道に迷われた人の捜索など、そういう対応が多かった。一方、認知症を悪化させないことや、早期に発見することが入り口として大事であるが、国全体でもなかなか進んでいない。本市は自治体として先駆けて、入り口のところでスクリーニングしていくという取り組みを行っていく。知らず知らずのうちに進行している人が多いということも聞いているので、自覚症状のないうちから認知機能検査を無料で受けられるという仕組みは有効であると考えており、すぐに効果は出ないかもしれないが、今後効果が出てくると思っている。
質問:認知症に関して、早期発見は大事であると言われているが、介護状態を予防するという点に力を入れている印象がある。そのようなことを重要視する理由を教えてもらいたい。
市長:病気になりたくない、重症化したくないということが、市民一人一人の思いであると思う。困ったときに助けてもらうことも大事であるが、病気になって困らないようにすることも大事である。困ってから初めて考えるので、困らないようにする状況を自分で考えていくことは難しいことであると思っている。しかし、やはり困らないようにするとか、病気にならないようにするとか、重症化しないようにするというところを心がけていくことが大事であると思う。ただ、人間は弱いところもあるので、ルールをつくることで、市民一人一人の意識を高めていけると思っている。市民が幸せであるために、病気にならない、重症化しないというところに重きを置くことが、本来の施策であると思っているので、今までの対症療法から事前の対処、対応に傾斜していき、良い循環をつくっていきたいと思っている。
質問:コンビナートのカーボンニュートラルの話で、これから検討委員会を設置すると思うが、いつ頃、具体的にどのようなことを検討していくかを教えてもらいたい。
市長:カーボンニュートラルの取り組みは、2050年までにしなければいけない国の目標であるので、本市もそれに向かって進めていく。しかし、簡単な問題でなく、本市の大半の炭素は産業部門から排出されているので、産業界の協力なしに本市のカーボンニュートラルはなし得ないというのが事実である。そこで産業界、経済界と公が連携を組んでいくことが大事である。ただ、産業界も脱炭素の規制の観点から削減を求めていくことは難しいところもあるので、四日市全体として、四日市のコンビナートとして脱炭素を契機に何か新しい産業への転換ができないか、新しい取り組みができないかという観点も踏まえて、本市のコンビナートをさらに発展、飛躍させるような検討会にしたいと思っている。各企業がそれぞれ取り組んでいくのでは限界があるので、地域として取り組みを進めていくことが大事であると思っており、県・市が連携して発信していきたいという思いである。
質問:検討委員会は、今年度内に設置するのか。
市長:年度内で考えている。3月を想定しているが、具体的な日程は改めて報告する。
質問:内容については、検討委員会を設置してから協議するのか。
市長:皆さんの意見をもらいながら方向性を模索していくことになると思うが、大きな観点からいうと脱炭素化をどうなし得ていくのか、そのプロセスの中で、新しい産業のきっかけがないか、ビジネスチャンスがないか、また、コンビナート関連の連携ができないかというところを掘り下げていくことになると思う。
質問:公害の判決から今年で50年であるが、これに合わせたということではないのか。
市長:50年の節目に、このような検討会が始まるというのは偶然であるが、やらなければいけない取り組みである。
質問:プレミアム付デジタル商品券について、70億円の規模ということでかなりの規模であるが、デジタル商品券ということで、スマホを持たない人やデジタルに疎い年寄りの人などには恩恵がないのではないかとも考えられるが、そのような人への支援についてなにかあるのか。
市長:今回のプレミアム付デジタル商品券はスマホを持っていないと買えないので、スマホを持っていない人は利用できないサービスになる。申し訳ないとは思うが、今後、デジタル化は止めることができないと考えるので、完全デジタル化にて行い、市民の皆さんのデジタル化を促進していきたいという思いがある。また、スマホを持っていても使い方が分からないという人もいると思うので、専用窓口を設置して支援させてもらう。また、地区市民センターについても、操作方法などを伝えて、スマホを使っていろいろなことができるような取り組みを根づかせていきたいと思っている。最初はハードルが高いかもしれないが、高齢者の人などにも使ってもらい、スマホが身近なものになって違う用途でも使えるようになり、それぞれの生活の利便性も上がると思う。また、市民にデジタルになじんでもらうということも目的であり、これを機会にデジタル化を進めていきたいと思っている。
質問:名古屋市において、最初デジタル商品券で行い、後に紙の商品券を追加したが、そのようなことは考えているのか。
市長:デジタルだけでは取り残される人がいると思うが、今回はキャッシュレス決済を普及させるということと、市民のデジタル化を促進することを考えている。また、紙の商品券を発行すると手続きが煩雑になるが、デジタル化によって手続きも簡略化される。デジタルで貫き通していこうという思いがあるので、今回はデジタルということにこだわって進めていきたいと思っている。
質問:紙の追加は考えてないということか。
市長:今のところ予定はない。
質問:学校業務サポート事業は、三重県初でよいか。
市長:ドリル関係は、実施しているところがある。
質問:アプリは県内初めてか。
市長:学校と家庭をつなぐアプリは初めてである。
質問:過去最高の一般会計の総額となったが、新年度、どのように市政運営をしていくのか。
市長:コロナ対応の部分も含まれているが、それを抜いても過去最大の予算規模となっている。一般生活を支える部分についてもしっかりと予算を計上しているところである。新しい取り組みと合わせて、コロナの後、本市がしっかりと成長、発展していけるような予算にしたので、ぜひ期待してもらいたいと思う。
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