令和04年04月26日 記者会見要旨
問い合わせ番号:16528-3174-5409 更新日:2022年 4月 26日
市長定例記者会見
日時
令和4年4月26日(火曜日) 午前11時00分~
場所
本庁6階 本部員会議室
出席者
報道機関
朝日新聞、伊勢新聞、NHK、共同通信、CTY、時事通信社、中日新聞、中部経済新聞、日本経済新聞、毎日新聞、三重テレビ、(Youよっかいち)
市側
市長、三輪農水振興課長、宮本農業センター所長、秦広報マーケティング課長
発表事項1.気象データを活用した栽培技術向上に向けた取り組み(スマート農業の導入)について
市長:本日は、気象データを活用した栽培技術向上に向けた取り組み(スマート農業の導入)についてである。今年度から新しく始まったスマート農業の取り組みについて報告できればと思っている。
まず、本市はスマート農業導入支援を行っていくということで各種取り組みを進めているが、今回は農業センターと茶業振興センターに気象センサーなどを設置して気温や湿度などの各種栽培に関するデータを収集・集積を行うという取組を現在進めている。今年の1月からデータを取り始め、4月から農業センターのホームページでデータを公開している。このデータで農作業の効率化、省力化や適切な病害虫の防除等に資する独自の栽培歴の作成に向けて取り組むというところで、生育の見える化を図っていきたいと考えている。
この栽培歴というのは、これまで経験や勘に頼る農業から詳細な気象データに基づいた農業への転換を図るためのツールとして活用していくということである。熟練の農業者のノウハウを新規就農者や経験の浅い農業者でも短期間で習得することができるように、今後新たな農業者の確保につなげていきたいということである。
また、農業者の方には本市が開催する研修会などを通じて、こういった取り組みを普及していきたいなと考えている。農作業において、さまざまなデータを駆使しながら熟練の農業者がしていることを、新規の就農者においても技術をキャッチアップしてハードルを下げていく、そういう取り組みである。
今、画面に出ているのが、4月から農業センターのホームページで公表していくようになった各種データである。例えば、積算温度というものは、桜の開花予想でも使われているものであるが、字のとおり基準となる日から毎日の平均気温を合計した値ということになる。この積算温度も農業センターと茶業振興センターの気象センサーで入手したデータから導くことができるということである。農業センターのホームページ上にリアルタイムの情報が記載をされているということである。また、過去の情報もCSVのデータで蓄積され、グラフでも見られるようになっている。このようなデータを駆使して、積算温度の算出が可能になっている。つまり、今まで経験や勘で判断してきた収穫のタイミングなどを積算温度などのデータを用いて計算上適切なタイミングで収穫を図ることができるということになる。また台風などの天候リスク管理にも、これを生かすことができるということになる。
このような情報を4月から公開をしているが、ただ、これを公開してもすぐには新規就農者が理解することができないので、市主催の研修を実施していく。例えば三重県やJA、とも連携して研修の場を設け、農業者にデータ活用方法についても習得してもらえるような取り組みも行っていくということである。この栽培技術のデータ化は新規就農者にとって大きな助けとなるものである。このようなデータを駆使し新規就農者のサポートをしていきたいと考えている。
WEBカメラを農業センター、茶業振興センターに設置をしている。このカメラの状況もホームページからご覧いただくことができる。
(ここからは、市ホームページの画面を投影して説明)
これは茶業振興センターでお茶を栽培している状況であるが、栽培状況も現在、1週間前、1か月前、2か月前、3か月前、4か月前の写真が出て、時系列で映像を追っていくこともできる。茶業振興センター、農業センターそれぞれで見ることができる。例えば、茶業振興センターのお茶は分かりやすく成長の過程をご覧いただける。
新規就農者のためのノウハウづくりもあるが、一方で農業センターに令和5年度から中学校の給食センターも併設されるという形になる。食育の授業などにも農業センターと給食センターが一緒になって取り組んでいこうと思っている。このようなデータを子どもたちに見せて、いろんなものを実際に栽培することは難しいが、栽培過程を子どもたちが把握したりすることもできることになる。このデータを教育にも生かしていくことができないかなということで、今から教育委員会との連携を図りながら、教育という部分にも使っていきたいと考えている。
最後に、総じた効果として収穫のタイミング、水やりのタイミング、病害虫の発生予測、各種作業時期の把握が可能となるので、データを農業の振興にもっともっと生かしていけるような環境をこれからも整えていきたいと考えている。
質疑応答
質問:資料に気象センサー等とあるのは、気象センサーのほかに何かあるのかということと、その気象センサーでは何を測れるのかという尺度をもう一度教えてほしい。
市長:気象センサーとWEBカメラである。先ほどお見せしたWEBカメラの映像ということである。
回答:簡易気象観測センサー、土壌複合センサー、葉面濡れセンサー、この3種類の組み合わせで設置しており、そこで温度・湿度・照度・降雨量などホームページ上に載っているデータを公表している。(農業センター)
質問:何種類のデータを取れると言えばいいか。
回答:温度・湿度・照度、それの組み合わせで10種類ほど見られる形になっている。(農業センター)
質問:農業センターの対象品目、露地野菜、ハウストマト、ナシ、ブドウとあったが、今見られるデータとしては何品種を育てていて、どういうデータが公開されているか。
回答:ハウストマトは現在、栽培中である。ナシ、ブドウについては、まだ植えたばかりなので、収穫等々になるまでには二、三年かかる形になっている。ナシ、ブドウについては根域(こんいき)を制御した特別な方法で栽培をしているところである。露地野菜については、これから夏野菜のナス、トマト、ピーマンなど、一般的な給食で使える食材をこれから展示栽培し展開していこうと考えている。(農業センター)
質問:この品目を選ばれたのは、茶は四日市でよくつくられているのはよく知っているが、ほかの品についても市内で結構つくられているものなのか教えてほしい。
回答:お茶は産地にはなっている。県地区中心に西部では全般的に栽培は行われており、さまざまな野菜、お米、少し違うが畜産も盛んに行われている。(農業センター)
質問:農業センターは、どちらにあるのか。
回答:県地区の、県小学校の南にあたる。(農業センター)
質問:住所は分かるか。
回答:四日市市赤水町971-1。(農業センター)
質問:茶業振興センターはどちらにあるのか。
回答:水沢町。(農業センター)
質問:令和5年に、農業センターが新しくなるということか。
市長:はい。赤水町にある農業センターに中学校の給食センターを造っている。新しく給食センターができる一方、農業センターをリニューアルさせて、令和5年度4月から双方がリニューアルとオープンを同時にスタートするというところで、今は整備をしている段階である。
質問:場所は同じ場所か。
市長:農業センターという大きいエリアがあり、その一角に中学校の給食センターを造るということである。
質問:中学校の給食センターができるということで、教育との相乗効果も図っていきたいということか。
市長:そもそも、そういう施設が併設することになるので、食育を絡ませた農業の取り組みもしていこうというコンセプトで進めている。
質問:さまざまなデータが提供されるということだが、例えばナスであれば収穫の時期を教えてくれるという感じなのか、それともデータから農家の方が読み取り、そろそろ収穫と判断するのか。
回答:現在のところはデータの公開という形である。種まきからの積算温度で収穫時期というものが大体決まってくるところであるので、それを目安に栽培をしていただくという形になる。農業の指導機関である、市、三重県の農業改良普及センター、JAの営農指導の担当者が、データも参考にしながら営農指導に活用できるという形になっている。(農業センター)
質問:要するに、データを読み取り収穫の時期というのは判断していただくということか。種まきからの積算温度は収穫と関わっているのか。
回答:そうである。(農業センター)
質問:病害虫の予測は、何か注意報を出すのか。
回答:そこまではないが、お茶であればクワシロカイガラムシがあるが防除する適期というのが限られている。これも積算温度でいい時期が出せる。現在も県の病害虫防除所から出されてはいるが、その基準となる気温の場所が水沢地区ではない。より近いところでデータも取れ、より正確な防除に活用できると考えている。(農業センター)
質問:新規性という意味ではどうか。県内で事例がほかにあるのか。全国的に珍しいのか。
回答:このセンサーは、ベジタリアという会社の製品を使っている。この商品を、露地で設置しているところは少ないと思っている。費用対効果もあり、個人の農家では設置するのは難しいと思っている。県内では、事例はないと思っている。(農業センター)
質問:県内では先行事例がないのか。
回答:はい。(農業センター)
質問:では、1番ということでいいか。
回答:ほかのところでも入れているところはあるかと思うが、こういう形で導入をして情報提供している三重県の他市町ではない。(農業センター)
質問:自治体が導入し、一般農家に情報提供する試みは県内では初めてか。
回答:県内ではない。(農業センター)
質問:このシステムは、データを提供することが一義的にある。つまり、新規就農される方がおられるという中で、システム自体を導入してもらうとか、そういうことをモデル的にやっているというわけではないのか。
回答:まずは農業センターと茶業振興センターに設置したが、これから産地でこういう形のデータも収集していきたいということであれば、設置に向けて検討する形になると思っている。(農業センター)
質問:ベジタリアのセンサーの導入コストを教えてほしい。
回答:確認して、回答する。(農業センター)
質問:気象センサーは全部で5か所設置しているということでいいか。
回答:はい。
質問:新規就農者を育成したいという狙いは高齢化とかそういったものがあってのことか。
回答:そうである。耕作放棄地などが増えてくる中で、それを解消していく方法の1つとして、農業者の確保が今から大事になってくると思っている。現在農業者の方も、当然支援するし、その後継ぎの方、また、全く農業の経験のない方、新規就農者の方を支援し1つの手段として栽培歴をつくり、いち早くある一定のレベルまで上げるということを考えている。(農業センター)
質問:気象センサーの設置は1月ということでいいか。
回答:段階的にしている。初めに露地と茶業振興センターが10月ころ、ビニールハウスが1月ころ、最後に果樹のナシとブドウを3月ころに設置した。それぞれビニールハウスが完成した時期、果樹園が完成した時期にそれぞれ設置をした。(農業センター)
質問:データの取り出しは1月から始めているのか。
回答:データ自体は古いものも見れるが、ホームページで見れるようにしたのは1月ころである。(農業センター)
質問:県内ではかなり新しい事業ということで、県外でこのような事業を行っている県であるとか、何か参考にした取り組みなどがあれば教えてほしい。
回答:データを収集しているところはあるが、こういう形で公開をしているというところはあまりない。参考にしたのは長野県の飯綱町である。同じベジタリアの気象センサーを導入しており、データの公開を町のホームページでしている。本来、気象センサーのデータを見ようとすると専用のアプリを取得して、場所の登録をして初めてこの情報が見られるという形になっている。それを広くたくさんの人に見ていただこうということで、本市は農業センターのホームページに載せ、アプリの取得、場所の登録、そういう手間を省いて全てのデータを見られるという形にした。それに当り、飯綱町を参考にした。(農業センター)
質問:お茶の栽培に関しても飯綱町を参考にされているのか。
回答:飯綱町はお茶の栽培はしていない。野菜、果樹だったと思うが、そういう形で公開していた。(農業センター)
質問:お茶の栽培で同じようなデータの収集を行っているような地域とか、事業は何かあるのか。
回答:お茶のデータの収集自体は、静岡県や鹿児島県でもされている。(農業センター)
質問:公開はされていないのか。
回答:そうである。こういう形では公開されていない。(農業センター)
質問:このスマート農業の導入で、今後の新たな農業者の確保につなげたいと考えているそうだが、スマート農業の導入にどのようなことを期待しているのか教えてほしい。
市長:農業はさまざまな課題を抱えている。休耕地がどんどん広がっていくということもあるし、就農者の高齢化も非常に大きな問題である。また後継ぎ、担い手の育成も非常に重要になってくる。そういった中、参入障壁が高いと思うような人々が多くいる。そういった人々の障壁を下げ、より農業に入っていきやすくするような環境を、このスマート農業化で努めていきたいと思っている。これまで経験でしかできなかった農業が、データを駆使して新規就農者でもある程度のレベルの農業ができるということは非常に画期的なことであるし、データを使った取り組みはこれからもどんどん進めていきたいと考えている。
質問:スマート農業の導入で市としてはどのようになってほしいか、何か狙いを教えてほしい。
市長:農業の担い手を四日市市としてもしっかりと確保していきたい。そして、この地域の農業をしっかりと守っていく。そういった取り組みにつなげていきたいと考えている。
質問:四日市市では、農業に携わる人の人口が今どのような状況なのか教えてほしい。
回答:2015年では四日市市内に約3,500人、2020年には2015年の74%の2,650人まで減っている。かなりの数が減っているので、このようなスマート農業を普及し、少しでも農家の数を維持していきたいと考えている。(農水振興課)
質問:数字なので、再度確認させてほしい。
回答:2015年は3,577人。2020年は2,650人。(農水振興課)
質問:何%減少したか、もう一度教えてほしい。
回答:2015年の対74%。(農水振興課)
その他
質問:もうすぐ大型連休ということで、いろいろと移動するというような予定を立てられて、新幹線の予約も埋まってきているということで、またコロナの話になるが、最近はよく高齢者施設や病院での蔓延が気になるというところもある。ワクチンを打っているにもかかわらず感染する方が減らないというところもある。大型連休に向けて市民の方への呼びかけや施設への対策というところをどういうふうに考えているのか教えてほしい。
市長:感染者数が下げ止まりの感はあり、徐々には下がっているような傾向も見られるが、まだまだというところだと思っている。ただ、社会経済活動をしっかりと回していかなければいけないという状況下でもある。何度もお伝えしているが、基本的な感染防止対策を徹底して、それぞれの活動を行ってもらいたいと考えている。あとワクチン接種においても、3回目を接種したほうがかかりにくいというデータも出ていると認識している。これからもワクチン接種3回目を行政として、しっかりと進めていきたいと考えている。それぞれの意識を高めてもらうしかないと、こういう思いがある。
質問:高齢者施設で広がっており、この週末は1人ずつ亡くなられた方もいるということで、やはり高齢者が感染すると死亡のリスクが高まるわけだが、そういったところの指導や、何か保健所がある市としては考えているか。
市長:今、現場がどういう指導をしているのか、それはさまざまあるが、これもなかなか防ぎようがないというのが正直ある。それぞれの施設においても基本的な対応を行ってもらうということを徹底しているというところだと認識している。確かに、お亡くなりになった方が続いたが、やはりご高齢の方は死亡に至るようなリスクが高いと考えているので、そこは緊張感を持って対応にあたってもらいたいと思っている。一方で、重症者が全然出てないというのも実際事実なので、そういう部分もあるので各年代がそれぞれのリスクをしっかりと再度認識してもらって活動、また日々の対応につなげていってほしいと思っている。
質問:「よんデジ券」は、先週で市民への先行申込みが終わったが、その時点での状況とそれを踏まえて市外の申込みをどうするかというところだったと思うが、今どういう状況なのか教えてほしい。
市長:「よんデジ券」は、大変好評で確定値ではないが、申込件数としては7万3,000件あった。ただ、これが全て適正なデータかどうかという精査、重複がないかどうかという精査もしている。これを踏まえると、6万件を超えるぐらいかどうかというところである。正確な数値は後ほど、また発表はしていきたいと思っている。
店舗登録数は順調に伸びており、今2,030店舗は確定をしている。これからも目標の3,000店舗を目指して頑張っていきたいと思っている。
実際に、お一人5万円まで買え、7万円の商品券がついてくるわけだが、10万人の方が5万円まで買える。仮に6万から7万の方が5万円の商品券を購入されても、まだまだ余裕があるので、市外の方も含めた一般販売は実施をしていくことになる。これは再度、告知することになるが、一般販売は5月16日からスタートということになる。これは以前のスケジュールどおり進めていくことになる。
質問:一般の販売もあるということで、この結果について市長はどういうふうに受け止めているか。
市長:6万人程度になりそうだという前提で話をするが、市民31万人なので5人に1人というところを、どう見ていくのかというのは検証していかなければいけない。行政が発信した情報を100%皆さんが知り得るということはなかなか難しいので、そういった意味では5人に1人の方が購入の申し込みしてくれたということは、非常に大きいとは思っている。ただ、まだまだ「よんデジ券」の取り組みを知らない方もたくさんみえるということも聞いているので、次の一般販売に向けてさらに情報発信をしていきたいと考えている。まずは市民の皆様を優先したが、最終的には市内でのデジタル化の推進など、疲弊した地域の各店舗のある意味救済支援が目的である。市外の方もたくさんの方が待っているということも聞いている。ぜひとも枠はいっぱい何とかご購入いただいて、70億円の経済効果を10月までで、この地域で起こしていきたいなと思っているので期待はしている。市外の方の声も聞くと枠は埋まるのという認識でいる。
質問:キオクシアが4月15日の発表だったと思うが、四日市工場の新設について22年の秋に生産を始めると発表したが、これについての市長の受け止めと、どのような経済効果を期待できるか、お考えをお聞きしたい。
市長:キオクシアが第7棟を建設中ということは、もちろんよくは認識している。それが順調に進んでいるということの発表だと認識をしている。四日市市で最大の事業所でもあるし、恐らくこれができると三重県でも最大の事業所になってくると認識をしている。キオクシアの投資というのは本市にとっても税収であったり、雇用であったり、また人口の増加、こういった大きなインパクトを与えていただいているものであるので、どんどんこの投資が進んで竣工に近づいてきているというのは歓迎すべきことであると思っている。
今後も半導体産業のさらなる投資が必要だということも聞いており、今後も次の展開にしっかりと行政として応えていけるようなサポートもしていかなければいけないなと改めて感じているところである。
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