令和03年02月24日 記者発表資料 三重県指定有形文化財について
問い合わせ番号:16137-0918-7293 更新日:2021年 2月 24日
令和3年2月22日(月)開催の三重県文化財保護審議会において、市指定有形文化財であった「塑造仏頭」及び「木造神像 男神女神坐像 2軀 女神坐像 1軀 神像 2軀」を三重県指定有形文化財に指定するよう答申が出されましたことを報告します。概要は下記のとおりです。
【塑造仏頭】
- 種別 有形文化財 彫刻
- 名称 塑造仏頭(そぞうぶっとう)
- 指定日(予定) 令和3年3月24日
- 時代 奈良時代(8世紀後半)
- 所在地 四日市市西日野町2970
- 所有者 宗教法人 顕正寺
- 文化財の概要
顕正寺に伝来した、奈良時代(8世紀後半)の塑造の如来頭部です。全長13.9cmで、後頭部と頸部以下を欠損し、背面は平らになっています。半眼で口を閉じた慈悲相で、頭部には肉髻をあらわしています。表面は黒褐色ですが、元々は彩色仕上げだった可能性があります。
塑像は、主に白鳳時代から奈良時代にかけて、心木(しんぎ・芯となる木)に荒縄を巻き付けた上に塑土(そど・つなぎを混ぜた粘土)を盛って造られました。本像は後頭部を欠損しているため心木が残っていませんが、元々は背面の平らな部分に心木が接していたと考えられ、心木に関する構造が見て取れる重要な事例です。
三重県内には白鳳時代・奈良時代の仏像が少ない上、なかでも貴重な塑像であることから、三重県の彫刻史を語る上でも欠かせない仏像のひとつといえます。
【木造神像 男神女神坐像 2軀 女神坐像 1軀 神像 2軀】
- 種別 有形文化財 彫刻
- 名称
木造神像(もくぞうしんぞう)
男神女神坐像 2軀(だんしんじょしんざぞう)
女神坐像 1軀 (じょしんざぞう)
神像 2軀 (しんぞう) - 指定日(予定) 令和3年3月24日
- 時代 平安時代 ・ 室町時代
- 所在地 四日市市下之宮町319(耳常神社)
- 所有者 宗教法人 耳常神社
- 文化財の概要
本像は、耳常神社に伝来した、平安時代 と 室町時代の神像5軀です。神像とは、神の姿をあらわした彫刻や絵画のことで、日本では平安時代以降に多く作られました。
「男神女神坐像」は、材質、構造や作風が共通し、大きさが釣り合うことから一具の像とみられ 、平安時代(1 0世紀末~1 1世紀前半)に制作されたと考えられます。男神坐像は冠を被り、袍を着ています。女神坐像は、髪を頭頂で結い、左手に持物を持っています。「女神坐像」は、制作技法や表情から、室町時代に制作されたと考えられます。「神像」2軀は、表面が全体的に摩滅しているため性別等は不明ですが、現存する頭と体の比率や体形から、平安時代の制作と推測されます。
本像は、三重県内に残る数少ない平安時代の神像であるとともに、ひとつの神社に伝来した神像群として重要な事例といえます。
【参考】
「塑造仏頭」は令和元年10月9日付で、「木造神像 男神女神坐像 2軀 女神坐像 1軀 神像 2軀」は平成31年3月26日付で市指定となっていたが、今回県指定となることに伴い、市指定は解除となります。
〔担当:教育委員会 社会教育・文化財課 山根良公 TEL354-8240 内2715〕
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