コンテンツにジャンプ メニューにジャンプ
こにゅうどうくん

トップ > 市長の部屋 > 市長の発言集 >令和3年2月 市長所信表明

令和3年2月 市長所信表明

問い合わせ番号:16130-8998-9324 更新日:2021年 2月 12日

 ただいま上程されました各議案等のご説明を申し上げます前に、今後の本市のまちづくりにつきまして、私の所信を述べさせていただき、続いて議案等についてのご説明を申し上げます。

 新型コロナウイルスの感染急拡大によって、都市部を中心に医療の逼迫状況は厳しさを増しており、本年の1月に、11都府県において緊急事態宣言が再発令されました。そして、現在も依然として新規感染者数が高い水準にあり医療体制が深刻な状況にあることから、10都府県において緊急事態宣言が延長されているところです。
 これを受け、三重県においても独自に発令していた緊急警戒宣言を延長しております。
 本市でも、市立四日市病院でクラスターが発生するなど、感染拡大が続く一方で、地域経済や社会活動に与える影響も深刻化し、大変厳しい状況が続いております。
 これまで、本市では、新型コロナウイルス感染症対策として、国の示す対策のほか、本市独自の緊急支援策を段階的に実施し、地域経済や市民生活のいち早い再建、活性化に取り組んでまいりました。また、保健所政令市としての強みを活かし、危機管理体制と一体となった感染防止対策を実施するとともに、市民からの相談に専門性を持って対応してまいりました。
 日本全体で、さまざまな取組を進めているところではありますが、新型コロナウイルス感染症はいまだ収束の見通しが立っておらず、依然警戒が必要な状況が続いております。
 このような中、市民の不安を解消し、健康保持を図るため、新型コロナウイルスワクチン接種の推進が不可欠となってまいります。
 昨年の12月に厚生労働省から新型コロナウイルスワクチンの接種体制確保についての方針が示され、国としてワクチンをはじめとする必要な物資の確保を進めるとともに、自治体として市民に向けたワクチン接種体制の構築が求められています。
 本市としても、昨年12月に、健康危機管理対策本部内にワクチン接種推進部会を設置するとともに、新型コロナウイルス感染症対策室を中心に全庁的な体制でワクチン接種の準備を進めているところです。関係機関とも密接に連携しながら、接種の実施体制構築や接種券等の印刷・郵送、相談体制の確保といった準備を進めております。

 また、令和3年度は、昨年延期となった東京2020オリンピック・パラリンピックが7月から9月にかけて開催されるとともに、本市にとっても三重とこわか国体、三重とこわか大会が9月から10月にかけて開催されるという記念すべき年となります。
 特に、国体は46年ぶりの三重県開催となり、本市におきましては、2つの大会で9競技11種目が実施されます。この大会に向け、時間をかけて綿密な準備を進めてまいりました。成功に向けて全庁的に取り組んでいくとともに、これらの大きなスポーツイベントが多くの方に希望を与えられるような大会となることを期待しております。
 次年度も引き続き、本市が、東海エリアにおける西の中枢都市として強い存在感を示していけるよう、総合計画に掲げる4つの将来都市像に基づいて、市政運営に取り組んでまいります。

 それでは、各都市像の順に従って、各分野における政策や施策について私の考えを述べさせていただきます。
 はじめに将来都市像の1つ目は、充実した人生を歩むための基盤を育み、誰もが憧れる「子育て、教育安心都市」です。
 四日市で子どもを産み育てたい、四日市で学べてよかったと思ってもらえる子どもと家族にやさしいまちづくりを目指してまいります。
 平成28年12月の市長就任以来、「子育てするなら四日市」という都市イメージの定着に向けて、さまざまな子育て施策に取り組んでまいりました。今年度の市政アンケートでは、「子育て支援の充実」の項目が昨年度の12位から5位に大幅に上昇し、市民の皆さまに一定の評価をいただき、さらに民間の子育て専門誌による調査である「共働き子育てしやすい街ランキング」では中部地方で1位を獲得するなど、全国的な評価も高まっていることを実感しております。
 今後も子育て世代から選ばれる、安心して子育てができ、「教育大綱」にも位置づけているように子どもたちが自ら「生きる力」・「共に生きる力」を身に付けることができる各種施策を展開し、引き続き、「子育てするなら四日市」、「教育するなら四日市」の都市イメージ定着に向けて取り組んでまいります。
 そこで、子どもを産み育てたいと願う方々の希望が叶う社会の実現に向けて、経済的負担の軽減をはじめとする、それぞれのライフステージに寄り添った支援策を講じてまいります。
 まず、不妊治療にかかる経費の一部助成を拡充してまいります。これは、菅内閣が打ち出した不妊治療の助成金の拡充に加え、市独自の助成の拡充を行うものであり、出産を希望する世帯への支援を充実してまいります。
 また、妊婦が安心して妊娠、出産を迎えられるよう、多胎妊娠期間中の妊婦健診を拡充するとともに、新たに妊婦および2歳児への歯科検診を実施してまいります。
 保育においては、令和元年度に、9年ぶりに達成した保育園の年度当初の待機児童ゼロを継続し、さらに育休退園や兄弟姉妹で別々の保育園となるなどの課題についても、改善に向けて検討してまいります。
 加えて、仕事と子育てが両立できる環境整備の実現が求められる中で、市内に4カ所目の病児保育施設を開設し、保護者が安心して子育てできる環境を整えるとともに、子どもたちが安全・安心な環境で放課後を過ごすことができるよう、公共施設の利活用を進め、学童保育の受け入れ枠拡大に向けて取り組んでまいります。
 そのほか、経済的理由から修学が困難な高校生や大学生等への支援について、給付と返還免除を併用した魅力ある奨学金制度を創設し、周知および募集を行ってまいります。
 また、民間企業が行う働きやすい職場環境づくりのための就業規則の見直しや、ハード整備に対して、引き続き支援を行ってまいります。
 次に教育分野においては、先端技術の効果的な活用とICT環境の整備が求められている中、令和2年度に全小中学校へのタブレット1人1台の導入を完了します。これに伴い、令和3年度については、これらのタブレット端末などICT機器の効果的な活用の促進と円滑な運用・管理のために、ICT支援員を全小中学校に派遣してまいります。
 不登校をはじめとする子どもをめぐる多様な問題に対しては、令和元年度に機能を強化し設置した「登校サポートセンター」や各学校へのスクールソーシャルワーカーなどの積極配置により、不登校児童生徒等に対する支援体制を大きく強化してまいりました。全国や三重県の不登校児童生徒の発生率が過去最高となる中でも、本市は減少傾向を示しており、今後もこの体制をさらに充実させ、「校内ふれあい教室」を増設し、不登校対応教員を配置するなど不登校児童生徒に対する教育機会の確保等に努めてまいります。
 さらに、学校教育の質の向上を目指し、「教育するなら四日市」の都市イメージの定着にもなるよう、教員の働き方改革にも取り組んでまいります。中学校に引き続き、全小学校への高性能コピー機の導入を図るなど学校業務の負担軽減に取り組むとともに、既に全校に配置されている学校業務アシスタントを効果的に活用しながら、教員が子どもと向き合う時間を確保してまいります。
 そのほか、未来の四日市を担う中学生の健やかな成長を支えるため、令和5年4月からの供用開始を目指して中学校給食センターを整備してまいります。
 文化面においては、豊かな人間性を育てるために、乳児期、就学前、学童といった各ステージに合わせ、音楽をはじめとした芸術文化に触れ親しむ体験企画を実施してまいります。
 また、四日市市文化会館については、市民の皆様が安心して快適にご利用いただけるよう、音響や照明設備などの施設の更新を計画的に行ってまいります。
 そのほか、新型コロナウイルス感染防止対策や新しい生活様式に対応するために要した費用の一部を支援することで、コロナ禍における市民主体の文化活動を促進してまいります。
 スポーツ分野においては、子どもの体力向上を目指し、運動・スポーツの楽しさや喜びを知ってもらう取組を推進してまいります。
 具体的な取組内容については、スポーツの入り口として運動の要素を取り入れた遊びを指導する指導者講習会の「アクティブ・チャイルド・プログラム講習会」を市内で新たに開催し、幼少期から体を動かす習慣づくりを推進します。
 また、スポーツ実施率の向上や地域スポーツ環境の充実を図るため、市内2つの学校のグラウンドに照明設備の設置工事を行ってまいります。
 冒頭にも申し上げましたが、令和3年度は三重とこわか国体、三重とこわか大会が開催されます。国体等の開催に向け、本市ではさまざまなスポーツ施設の整備を進めてきました。ハード面では最高の環境が整ったといえます。これらの施設を生かし、三重とこわか国体、三重とこわか大会の成功を目指すとともに、地域スポーツの振興、競技力の強化を図ってまいります。
 また、新型コロナウイルス感染症の影響によって今年に延期となった東京オリンピックについては、カナダ体操チームのオリンピック事前キャンプに向けた調整を行うとともに、オンラインの活用など、実施方法の工夫をしながら市民との交流を図ってまいります。

 次に、将来都市像の2つ目は、東海地域をリードし、地域社会のイノベーションを誘発する「産業、交流拠点都市」です。
 都市機能の集積と高次化、近未来技術の社会実装を進め、人の交流が仕事や魅力を生み出す好循環のまちづくりを目指してまいります。
 本市は、臨海部に石油化学コンビナート、内陸部には世界最先端の半導体メモリ工場など、多様な企業が集積し、日本を代表する産業都市として発展してまいりました。
 今後も本市の強みである「ものづくり」の基盤をさらに強靭なものにするために、成長分野を含む新たな企業の誘致や投資の促進、産学官拠点を生かし、付加価値の高い産業の創出を促していくとともに、市内企業が新しい生活様式への対応や生産性を向上するためのDX(デジタルトランスフォーメーション)への支援にも取り組む必要があります。
 そこで、産業分野においては、事業所、研究所などを新設、増設する事業者に対して継続して支援するとともに、新技術・新製品の開発等に取り組む中小製造業者を対象に、既存事業の高付加価値化にかかる事業や成長産業分野への参入にかかる事業に対して支援を行い、競争力のある企業の創出を促してまいります。
 さらに、コンビナートを始めとする市内企業が脱炭素に向けた世界的な潮流や、国内の動向等をいち早く掴み、グローバルな競争力をさらに強化していくため、水素等の新エネルギー活用に向けた企業の取組を後押し、また、DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進等先進化を図りながら、本市産業の持続的な発展を目指してまいります。
 そのほか、新規産業の誘致、既存企業のさらなる設備投資に結び付けるため、新保々工業用地の事業化を含め、新たな産業用地の確保に取り組んでまいります。
 また、新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、今年度から「中小企業IoT等活用推進事業」の補助対象にテレワーク等の導入を追加しており、引き続き幅広い分野の事業者への支援を行ってまいります。
 加えて、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、事業収入が減少した中小企業者等に対する緊急的な措置として、納付いただいた事業所税相当額に対する一定割合を給付します。
 農業の分野においては、農業経営の安定化や所得向上など持続可能な農業を実現するため、農産物の高付加価値化や新たな販路開拓、六次産業化などの農業のビジネス化を支援してまいります。
 併せて、農作業の効率化・省力化による収益の向上や新規参入促進に向けて、圃場内に気象や水温などを測定するセンサーを設置し、農業に関するさまざまなデータの収集や利活用など、ICT技術を活用したスマート農業の導入を進め、市内の農家を支援してまいります。
 また、本市のものづくり産業の成長と発展の礎となった四日市港においては、今後も国際拠点港湾としてさらなる発展を目指し、霞ヶ浦地区のコンテナ取扱機能を移転集約化するとともに大規模地震発生時においても海上コンテナ物流機能を維持するため、四日市港管理組合と連携して、霞ヶ浦地区の北埠頭に新たな耐震強化岸壁を備えた施設整備に取り組んでまいります。
 一方で、四日市港発祥の地である「四日市地区」については、市民に親しまれるみなとづくりを具体化していくための根幹となる構想「みなとまちづくりプラン」について関係団体と連携し、取り組んでまいります。また、四日市地区の歴史的、文化的資源や運河など港ならではの資源と景観を活用するため、引き続き案内板等を設置し、歩いて楽しめる空間づくりや環境整備に向けて取り組んでまいります。
 交流や賑わいの面においては、リニア中央新幹線の開通に合わせて、本市の玄関口となる近鉄四日市駅、JR四日市駅、そして中央通りを対象エリアとし、都市機能の集積、回遊性の向上、交通結節点の整備等を図るとともに、国の進めるバスタプロジェクトと連携し、東海エリアを代表する賑わいある商業・産業エリアを創り上げてまいります。
 近鉄四日市駅・JR四日市駅の駅前広場や中央通り等の再編については、引き続き基本設計や実施設計を進めるとともに、工事に着手をしてまいります。
 また、中央通りの空間再編に合わせて、31万人都市にふさわしい子育て、生涯学習、社会教育の拠点となる新たな図書館を整備するため、基本計画の策定に取り組んでまいります。
 道路の整備については、慢性的な渋滞や朝夕を中心とした渋滞を解消するため、通過交通の分散を目的としたバイパス道路の整備や現道拡幅、渋滞ネック箇所の改良を進めるとともに、道路整備の方針に沿って、計画的な道路環境の改善に取り組んでまいります。
 このほか、未就学児の園外活動に使用される道路や通学路交差点については、事前調査に基づく危険箇所に対して、集中的に交通安全対策を講じるなど、安全に通行できる道路空間の整備を進めてまいります。
 公共交通施策においては、人口減少・高齢化の進展に伴い、公共交通の維持が困難となっている中、自動運転技術の導入検討に向けた走行実験などの取組を進め、新たな技術を取り入れた移動手段の確保を図ってまいります。
 また、公共交通不便地域における交通手段の確保については、これまで行ってきた実証実験に基づき、デマンドタクシーの本格導入に向けての取組を進めてまいります。

 3つ目の将来都市像は、まちの未来を守り、将来の市民にバトンをつなぐ「環境・防災先進都市」です。豊かな環境を基本とした都市整備と防災力強化を両輪に、快適性と安全安心が高い水準で保たれたまちづくりを目指してまいります。
 国では、温室効果ガスの排出を実質ゼロにするカーボンニュートラルを2050年までに達成するとの新たな目標が宣言されたところです。この目標達成には革新的な技術の役割が不可欠である部分がありますが、産業都市である本市としてもこの国の宣言を重く受け止めつつ、持続的な産業の発展と脱炭素社会の実現に向け、社会情勢や時間軸を意識しながら、引き続き官民一体となってしっかりと取り組んでまいります。
 本市の環境政策においては、公害からの環境改善の経験とそれにより培われた知見や技術、自然や文化および産業との共存を基盤として、新たに策定する「第4期環境計画」に基づき、本市の特性を生かした環境施策の推進に努めてまいります。
 その具体的な施策の1つとして、戸建て住宅に「創エネ」「蓄エネ」「省エネ」設備等を導入する際の現行の補助制度に、エネルギーの自給自足を可能とすることでエネルギー収支をゼロ以下にする住宅(略称でZEH(ゼッチ)と言われる「ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス」)を新たに対象に加え、補助制度を拡充してまいります。
 また、四日市公害の歴史と改善に向けた取組の教訓を活かし、より良い環境を次の世代に引き継いでいくために、令和4年度の四日市公害判決50年に向けて企画展の準備を進めてまいります。
 生活環境面においては、河川や海などの水質保全を図るため、合併浄化槽の新設や転換に対して補助金を交付し、普及促進に努めるとともに、合併浄化槽の保守点検や清掃等維持管理を適正に行った個人に対して補助金を令和3年度から拡充して交付し、法定検査受検率のさらなる向上に努めてまいります。
 そのほか、緑豊かな住環境を形成するため、笹川西小学校跡地を有効活用し、隣接する笹川西公園と一体的な利用に向けゾーニングや施設機能等の整理を進めており、このエリア内に、子どもや親子が安心して活動や交流ができる拠点的な施設や、外国人市民と共に学び・交流し合うための多文化共生拠点施設整備の検討を進めるとともに、公募設置管理制度(Park-PFI)を活用し、民間のノウハウを導入した飲食施設等を整備するなど、さらなる魅力の向上と利用者の利便性向上を図ってまいります。
 近年の自然災害においては、激甚化・頻発化しており、災害に強いまちづくりが求められています。
 防災面について、地域が主体となった防災訓練の充実や引き続きワークショップ等を開催するなど、自治会や自主防災組織等の活動支援に取り組んでまいります。
 また、被害を最小限にとどめるよう本市の責務や役割を果たすことはもちろんですが、「自分の命は自分で守る」という行動につなげるためには、情報を的確かつ迅速に提供していくことが求められます。
 そこで、誰もが分かりやすい防災情報を提供するため、AR機能やGPS機能を活用した多言語対応の防災アプリの開発に取り組み、多様な手段の導入による情報伝達機能の強化を図ってまいります。
 そのほか、大規模地震による災害被害の軽減を図るため、住宅の耐震化を促進するとともに、災害時にも通行を確保すべき第1次緊急輸送道路の沿道建築物に対し、国、県との協調により耐震対策費用の補助事業を実施してまいります。
 さらに、今後は第2次緊急輸送道路の沿道建築物についても対象とするよう支援の拡大を検討してまいります。
 治水対策については、近年のゲリラ豪雨などの大雨時における市街化区域の浸水対策として、浜田通り貯留管の整備等を引き続き進めてまいります。そのほか、河川の整備・改修を進めるとともに、河床の補強など予防的な保全措置を講じることで、治水安全度を高めてまいります。
 次に消防分野においては、南消防署の改築整備について、施設の老朽化対策に加え、敷地面積等による課題を解消するため、令和4年度の開署に向けて、建築工事を行ってまいります。
 また、老朽化した消防車両を最新型の車両に更新するとともに、スマートフォンを活用して災害現場や傷病者の状況を音声と映像で119番通報することができるシステムを導入するなど、消防力の強化を図ってまいります。

 4つ目の将来都市像は、四日市市に関わる人々の力を、まちづくりの原動力にする「健康、生活充実都市」です。生涯にわたり健康で暮らしの中で楽しみと幸せを実感できるまちづくりを目指してまいります。
 郊外住宅団地や既成市街地、農村集落など、古くからの居住地において、人口減少や高齢化が顕著となり、今後、空き家や空き地などの増加が危惧されています。
 これらの対策として、既存の空き家バンク制度については、登録者を対象に登録奨励金の交付や登録物件の活用促進のため建物状況調査補助制度を加え制度を拡充し、空き家の利活用を促進してまいります。
 併せて、空き地バンク制度の創設を行うとともに、空き家の除却に伴う土地の固定資産税上昇相当分を補助することにより、空き家の除却を促進するなど、既存市街地の有効活用を図ってまいります。
 農村集落の活性化については、農村集落の魅力向上に向けた制度づくりを進め、必要な土地利用の規制緩和に取り組んでまいります。
 また、高齢化が進展する中で、本市の市営住宅においても、入居者の4割以上が65歳以上の高齢者となっており、高齢化に対応した住宅整備が喫緊の課題となっております。そういった課題解決のモデルケースとして、三重団地の市営住宅において、エレベーターの設置に向けた調査、設計を行い、バリアフリー化や団地高層階の有効活用を図ってまいります。
 そのほか、高齢化社会や多死社会を踏まえ、今後身寄りのない方や墓地の無縁化などが想定されるため、北大谷霊園での合葬墓の整備に向けて、基本計画の策定に取り組んでまいります。
 次に、市民に一番近い行政窓口として、地域づくりの拠点である地区市民センターにおいては、プライバシーに配慮した窓口の改修や本庁との連携を深めるためタブレット端末の配備を進めるとともに、環境への配慮および災害時の非常電源となる電気自動車を順次配備し、地区市民センターの機能強化を図ってまいります。
 また、多文化共生の分野において、平成31年4月の改正出入国管理法施行により、就労を目的とした在留資格「特定技能」が創設されるなど、ますます外国人市民の増加が予想されます。これによって、日本語学習希望者の増加も予想されることから、外国人市民の日本語学習機会を確保するため、県や関係機関と連携し、日本語学習環境の強化に向けた総合的な体制づくりに取り組んでまいります。
 次に健康や福祉の分野においては、人生100年時代が到来する中、生涯にわたり市民一人ひとりがいつまでも心と体の健康を保持し、充実した人生を送るために、健康意識の向上や運動の実践、生活習慣病予防などさまざまな施策に取り組んでまいります。
 平成31年2月に市長として「四日市をARUKU」宣言を行い、健康づくり・介護予防施策等を積極的に展開していく方針を示しました。適度な運動は心身の健康を保ち、認知症予防にも役立つと言われております。
 これまで南部丘陵公園や垂坂公園・羽津山緑地など、公園内を楽しく歩けるように見所や歩数を記載した路面標示を設置してまいりました。今後は中央緑地においても路面表示を設置し、体を動かすきっかけづくりや環境づくりに取り組んでまいります。
 また、がんや糖尿病などの生活習慣病の予防に関する呼びかけを継続するとともに、各種検診を受診しやすい環境整備に取り組むなど、健康づくりについての全市的な気運を高めてまいります。
 さらに、高齢化の進行とともに認知症高齢者が増加する中で、認知症に関する理解促進のための認知症サポーター・認知症フレンズの養成を行います。また、同時に認知症の早期発見・早期対応に向けた体制強化として、医師会とも連携しながら高齢者を対象とした認知症スクリーニングを実施するなど先進的な仕組みを構築してまいります。
 そのほか、ICTを活用して行方不明となった高齢者を探索するシステム等も強化し、家族の負担軽減につながる取組を推進してまいります。
 次に医療分野において、北勢地域の基幹病院として、高度医療、救急医療などの急性期医療を担っている市立四日市病院については、これからも急性期医療を安定的に提供していくため、当院が抱える施設課題の解決が図られるよう未改修部門を中心とした改修を行ってまいります。
 今年度の基本計画や基本設計に基づき、来年度は実施設計に取り組んでまいります。
 さまざまな政策、施策を展開していく上で、基本となる都市経営における共通課題として、「スマート自治体」への取組が挙げられます。
 国において進められるデジタル庁の設立をはじめとするデジタル社会の実現に向けた動きが加速しております。
 本市においても、デジタル社会の実現に向けた国の動きに遅滞なく対応していくため、マイナンバーカードの普及促進に努めるとともに、市民ニーズを基にしたオンライン行政手続の調査・検討を行い、行政手続きのオンライン化の実現を目指し、市民の利便性の向上を図ってまいります。
 また、国が平成28年に制定した「官民データ活用推進基本法」に基づいて、本市と企業等が保有しているさまざまな公開データを容易に利活用することができ、地域課題への対応を連携して分析・解決できる環境を整備し、市民サービスの向上や地域経済の活性化を図ることを目指して、データ公開WEBサイトやアプリケーションの開発等について調査・研究を行ってまいります。
 さらに、硬直化、複雑化してきた本市の情報システムを見直し、ホストコンピュータの使用期限および住民情報システムの保守期限にあわせて業務の共通化や標準化による情報システム全体の最適化を図ってまいります。今年度導入した税総合・国保年金システムに加え、来年度は福祉系システムの導入に向けて取り組んでまいります。
 このほか、AI 、RPA等のの利活用により、事務作業の効率化を進め、市民サービスの質の向上につながる業務に注力できるよう職員の働き方改革を進めます。
 来年度には、以上の「スマート自治体」を推進するためのさまざまな事業を検討する中で、本市独自のデジタル化に関する実行計画を策定してまいります。
 これまで説明させていただいたさまざまな本市の取組内容や本市ならではの地域資源を最大限に活用し、積極的かつ効果的なシティプロモーションを展開してまいります。
 特に、名古屋圏内において、本市のPR映像を放映するなど、さまざまな媒体を活用して本市の魅力やインパクトのある情報発信を行い、認知度と都市イメージの向上を図るとともに交流人口、定住人口の増加に向けて取り組んでまいります。
 そして、四日市市のさらなる発展を実現するためには、市役所の組織強化が不可欠です。職員の意識改革、組織力の強化、縦割り行政を排除したチーム市役所といった市役所改革に引き続き取り組み、職員一人一人の力を結集して、力強い市役所組織の構築に努めてまいります。
 四日市市を『東海エリアを牽引する元気都市』へと導くため、これまで申し上げた施策を着実に実行してまいります。さらには、本市の持つポテンシャルを十分に発揮し、分権時代にふさわしい個性豊かな自主自立のまちづくりを進めるために、中核市への移行準備についても進めてまいります。
 以上、本市の目指す将来都市像に沿って、令和3年度の新たな取組を中心に具体的な施策について申し上げました。

 さて、このコロナ禍と言われる状況となって、ほぼ1年が経過しました。第2波を経て、第3波と呼ばれる局面に直面する中、市としても絶え間なく支援策を打ち出してまいりました。今後も、新型コロナウイルスに関する緊急的な対策におきましては、当初予算に盛り込まれた対策に加え、今年度の補正予算をはじめ、臨機応変に予算編成を行っていくことで必要な対策を講じてまいります。多くの活動が変更や中止を余儀なくされていますが、そういった中にあっても新型コロナウイルス対策と両立しながら実施できる方策や代替手段を講じたりするなど、先端的な技術を含むさまざまな知恵や工夫の蓄積も生まれてきました。また、ワクチン接種の開始も予定されるなど、新型コロナウイルス対策についても新たな局面を迎えています。
 そして、新型コロナウイルスという目の前の危機に緊張感を持って対処しつつ、四日市の今後の発展につながる取組もしっかりと講じていくことが肝要であります。
 この未曽有の危機を乗り越え、更なる成長を生み出すポテンシャルを四日市は有しています。市民の力を結集し、オール四日市でこの困難を乗り越えていくよう、強い意志を持って四日市市の未来を切り拓いてまいります。
 皆様方には、格別のご指導ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げまして、私の所信表明とさせていただきます。

このページに関するお問い合わせ先

政策推進部 秘書国際課
三重県四日市市諏訪町1番5号(本庁舎8F)
電話番号:059-354-8111
FAX番号:059-354-3974

このページに関するアンケート

このページは見つけやすかったですか?
このページの内容はわかりやすかったですか?
情報は役に立ちましたか?