令和2年2月 市長所信表明
問い合わせ番号:15851-1754-3955 更新日:2020年 3月 26日
現在の世界情勢は、米中貿易摩擦の激化などを背景に、先行き不透明感が拡がっておりましたが、米中間の貿易協議が第一段階の合意に達したことや、令和2年1月に公表された日銀の展望レポートによりますと、海外経済においては緩やかな成長が見込まれるとの見方もあることから、少しずつではありますが経済の安定化に向けた期待感も生じております。
また、今春からの第5世代移動通信システム(5G)の本格運用も手掛かりに、半導体サイクルは循環的な上昇局面に入ろうとしておりますし、これらは、本市にとって明るい兆しであると捉えております。
しかしながら、世界中に感染が拡大しております新型コロナウイルスのように、さまざまな経済活動に影響を及ぼすリスクなども懸念されることから、しっかりと経済の動きを見極めていく必要があります。
さて、本年は、世界的なスポーツの大会、平和の祭典である東京2020オリンピック、パラリンピック競技大会が開催される記念すべき年であります。日本での夏季大会は、56年ぶり2回目の開催であり、世界中から多くのアスリートや観光客が集まることが予想され、交流人口の増加や地域経済の活性化が期待されます。
本市におきましても、7月にカナダ体操チームの事前キャンプ受け入れが控えておりますし、何と言っても、昨年、本市から2人のオリンピック選手が誕生するという嬉しいニュースがございました。
マラソン男子の中村匠吾選手と、レスリング女子53キロ級の向田真優選手です。個人競技の代表内定は2004年のアテネオリンピック以来16年ぶりということです。市民にとって大変大きな喜びであり、大きな誇りであります。お二人に留まることなく、より多くの本市出身の選手の方々が東京オリンピック、パラリンピックで活躍いただくことを願っております。皆さんの東京オリンピック、パラリンピックでの大活躍を期待し、市をあげて「ワンチーム」で力強く応援してまいります。
また、本市にとっても、本年は、市制施行から123周年となり、「1、2、3、四日市」の掛け声にふさわしい、盛り上がりが期待できる年を迎えます。この千載一遇の大きなチャンスをシティプロモーションに活かしていきたいと思います。
そして、本年4月からは10年間を計画期間とする新たな四日市市総合計画がスタートしてまいります。本市が「東海エリアにおける西の中枢都市として飛躍する」ために、東海エリアで強い存在感を示していけるよう大きく成長していかなければなりません。本市における今の経済状況や立地的な特性を考えますと、存在感を示せるだけの力は十分に備えていると考えておりますので、これまで蓄えてきた本市の力を今後の10年間の中で大いに発揮してまいります。
そして、「ゼロからイチを生み出すちから イチから未来を四日市」という理念のもと、4つの将来都市像を掲げ、この都市像を実現すべく市政運営に取り組んでまいります。
それでは、各都市像の順に従って、私の考えを述べさせていただきます。
初めに将来都市像の1つ「子育て・教育安心都市」です。
四日市で子どもを産み育てたい、四日市で学べてよかったと思っていただけるまちづくりを目指してまいります。
この都市像の実現に向けて、子育て世代から選ばれる、誰もが安心して子育てができ、子どもたちが自ら育つ力を応援するまちづくりを進め、「子育てするなら四日市+」と題した重点的横断戦略プランを策定し、その中で3つのプロジェクトを展開してまいります。
まずは、四日市の子どもの学力・体力・能力を向上させるプロジェクトです。
就学前から中学校まで一貫した考え方による教育を進めることで、子ども自らの人生を拓き、生き抜く力を持つことができるよう本市独自の「四日市市新教育プログラム」を展開してまいります。夢と志を持った子どもの育成に向け、子どもたちの言語能力、情報活用能力、問題解決能力といった必要な能力向上に取り組んでまいります。
特にICTの活用につきましては、タブレット端末の小学校へのさらなる増強と中学校への導入を進めるとともに、タブレット端末と連携して活用するプロジェクタ型の大型提示装置の設置数を増強してまいります。併せて、ICT支援員を全小学校に配置するなどICT活用を円滑に進める環境づくりを推進してまいります。一方で、情報を見極める能力であるメディア・リテラシーの養成についても取り組んでまいります。インターネット上で発生するいじめや差別などの人権侵害を解消し、人権に十分配慮した利用ができるよう人権教育を推進してまいります。
また、幼少期から質の高い芸術文化に触れることのできる機会の提供や、小学生を対象としたスポーツ能力測定会を実施することにより、豊かな感性を育んでいくとともに、子どもたちの可能性を引き出してまいります。
学校教育の質の向上を目指し、「教員するなら四日市」の都市イメージの定着にもなるよう、教員の働き方改革にも取り組んでまいります。特に、校務支援システムの本格稼働により、業務の効率化や事務作業時間の縮減を進めてまいります。また、学校業務アシスタントの配置や、中学校に引き続き、小学校への高性能コピー機の導入を図るなど学校業務の負担軽減に取り組み、教員が子どもと向き合う時間を確保してまいります。
そのほか、いじめや不登校をはじめとするさまざまな課題に対しては、スクールソーシャルワーカーやスクールカウンセラーなどの専門職員と連携して「チーム学校」として多様な問題へ対応できる体制づくりを推進してまいります。
また、通級指導教室やサポートルームの拡充を図るとともに、特別支援教育支援員・介助員や医療的ケアサポーターを適切に配置し、特別な配慮や医療的なケアを必要とする子どもへの支援体制を充実してまいります。
続いて2つ目は、子育て家庭の経済的負担の軽減や相談体制を充実させるプロジェクトです。子育てに関わるさまざまな不安や心配事に対して、保護者の皆さんが安心を実感していただける取組を進めてまいります。
まず、子育て家庭のライフステージごとに経済的負担を軽減することで、子どもを産み、そして育てていくことのできる社会を実現していくため、子ども医療費助成事業の充実を図ってまいります。
子ども医療費助成については、子どもの疾病の早期発見と早期療養の促進、ならびに、保護者の経済的負担を軽減するため、所得制限を廃止するとともに、県内初の取組として、現在未就学児に対して実施している窓口負担無料化の対象範囲を小中学生まで拡大してまいります。このような新たな取組を通して、本市が三重県の子育て施策をけん引してまいりたいと考えております。
さらに、経済的理由から修学が困難な高校生や大学生などへの支援につきましては、給付型や返還免除型の奨学金制度の実施に向けて、研究を進めてまいります。
なお、保育士の処遇改善に関し、公立園での人材の確保に取り組むとともに、私立園において、市独自で給与改善の補助の拡充を行い、更なる処遇改善を行います。
次に、児童虐待防止における取組につきましては、すべての子どもが健やかに育成されるよう支援してまいります。専門職を含む人員体制を構築することで、現在の家庭児童相談室を「こども家庭課」に拡充改組するとともに、子ども家庭総合支援拠点を設置して訪問等による継続的な支援や在宅支援を中心とする、より専門的な相談支援の充実を図ってまいります。
そのほか、子どもを交通事故から守り、安全な歩行空間を創るため、関係機関と連携し、ゾーン30の取組など通学や保育の園外活動に使う道路の安全対策を進めてまいります。併せて、防犯パトロールや見守り活動等、地域が一体となって取り組むさまざまな防犯活動についても支援してまいります。
3つ目の、子育てと仕事の両立を応援していくプロジェクトにつきましては、共働き家庭が増加する中で、安心して子どもを預けることのできる環境整備が求められており、産業都市四日市市だからこそできる先駆的な取組を進めてまいります。
仕事と子育ての両立ができる職場環境の実現のため、各種休業制度の充実のほか、在宅勤務や育児短時間勤務などフレキシブルな就業ができるよう企業へ働きかけを行うとともに、誰もが働きやすい環境づくりのハード整備に対して支援を行ってまいります。
また、共働き家庭の増加により、学童保育所の利用希望が高まる中、引き続き受入れ枠拡大への支援に取り組むとともに、指導員の処遇改善や研修体制の充実などによる保育の質の向上に向けた支援に取り組んでまいります。
次に、将来都市像の2つ目の「産業・交流拠点都市」です。
都市機能の集積と高次化、近未来技術の社会実装を進め、人の交流が仕事や魅力を生みだす好循環のまちづくりを目指してまいります。
この都市像の実現に向けて、「リージョン・コアYOKKAICHI」と題した重点的横断戦略プランを策定し、その中において3つのプロジェクトを展開してまいります。
まず、産業活性化に向けたプロジェクトにおきましては、技術開発や人材育成など「企業の稼ぐ力」の向上を支援してまいります。
具体的な取組としては、事業所や研究所などを新増設する事業者に対して、企業立地奨励金を交付してまいります。
特に、次世代電池や次世代半導体、CO2削減に向けた水素などの新原料・新燃料への転換を進める分野などについては、奨励金の拡充を図ってまいります。さらに、マザー機能の集積につながる研究開発関連の投資に対しても奨励金の拡充を図ってまいります。
また、工場立地法における緑地面積率の緩和を進めることで、企業進出、投資促進を図り、産業の活性化を促してまいります。設備投資が促進され、老朽化した設備を更新することによって、省エネ効果を高め、環境面や安全面の向上を図ってまいります。
なお、新保々工業用地については、昨年度、計画予定地内の大部分の土地が土地開発公社から市に移管されたことから、今後の事業化に向けて、具体的な取組を進めてまいります。
次に、農業施策につきましては、後継者不足や耕作放棄地の増加など農業が直面する課題を解決していくため、農業のビジネス化を促進し、「儲かる農業」の実現を目指してまいります。自家農産物の加工等を通じた商品化・ブランド化に取り組み、販売の視点を養うセミナー等を開催し、6次産業化に取り組む農業者を育成・支援してまいります。また、GAPやHACCPの普及促進および認証取得を支援することで、生産物の品質向上や経営の安定化を図ってまいります。
本市の発展を支え続けてきた四日市港につきましては、高規格道路の整備に伴う物流需要の増加に対応するため、コンテナ取扱機能の移転・集約化を行い、一層の効率化を図るとともに、大規模災害時においても物流機能を維持する新たな耐震強化岸壁を霞ヶ浦地区の北ふ頭に整備していくため、四日市港管理組合と連携して、国への要望やフォーラムを開催するなど、物流機能の強化に向けて積極的に取り組んでまいります。
続いて2つ目の、中心市街地における都市機能の高次化に向けたプロジェクトにつきましては、2027年のリニア開通を機に、首都圏との交流が飛躍的に高まる中、この効果を最大限享受できるよう、近鉄四日市駅やJR四日市駅周辺等において駅前広場や中央通りの歩行空間の整備や、都市公園の再整備を進め、魅力的なまちなかを形成していくため、基本計画を策定してまいります。
また、この計画と連動する形で、あらゆる世代が集い、交流することのできるスペースなど複合的な機能を併せ持つ新たな図書館を整備していくため、関係機関との協議に取り組んでまいります。
さらに、中心市街地に都市型産業を集積し、IoTやAIなどの新技術による新たなビジネスの創出につなげていくため、IT関連サービス企業の進出や事業化を支援してまいります。
3つ目は、次世代交通ネットワークの構築に向けたプロジェクトです。
今後、人口減少や高齢化の進展による移動の減少により、公共交通の維持が困難となることが懸念されている中、高齢者においては、自動車に変わる移動手段の確保が求められています。これらの課題に対応していくため、次世代交通ネットワークの構築を図ってまいります。
具体的な取組としては、郊外部の商業施設や駅などから基幹的な公共交通へ快適に乗り換えができるような交通結節点の候補地調査や、バス路線再編に向けて、バス事業者と支線バスに係る共同実験を進めるなど、郊外部の交通・生活における利便性の向上に努めてまいります。また、自動運転などの新技術の導入に向けて調査・検討を進めてまいります。
さらに、関係機関と連携し、東海環状自動車道等の整備促進や北勢バイパスの国道477号バイパスまでの早期完成および南側への延伸に向けての条件整理等、関係者との調整を進めてまいります。
このほか、市内の交通渋滞の解消に向けて、道路整備の基本方針を示していくなど計画的な道路環境の改善に取り組んでまいります。
続いて将来都市像の3つ目「環境・防災先進都市」です。
豊かな環境を基本とした都市整備と防災力強化を両輪に、快適性と安全安心が高い水準で保たれたまちづくりを目指してまいります。
この都市像の実現に向けては、先程と同様に「リージョン・コアYOKKAICHI」と題した重点的横断戦略プランを策定し、その中にさらに3つのプロジェクトを展開してまいります。
まず、スマートシティの創造に向けたプロジェクトです。環境負荷の低い都市システムの創造により、環境的に持続可能で、生活満足度の高い、次世代に受け継がれる都市へと進化させてまいります。
具体的な取り組みとしては、「SDGs(持続可能な開発目標)」や「地域循環共生圏」の考え方を踏まえながら、気候変動への影響の適応策などを位置づけた新たな第4期環境計画を策定し、環境先進都市 四日市として新たな方向性を示してまいりたいと考えております。その中で、環境技術の動向を見ながら地球温暖化対策に資する設備などの導入・支援策も検討してまいります。
加えて、四日市市一般廃棄物処理基本計画につきましても、食品ロス削減など昨今の国内外の動向を的確にとらえながら改訂を行い、施策の推進に取り組んでまいります。
また、ICT等を用いた市民サービスの利便性向上につきましては、行政手続のオンライン化を実現するために電子申請サービスに関する基本的な考え方の整理を行うとともに、マイナンバーカードを活用した市民サービスの検討を含め、市民ニーズを基にしたオンライン行政手続の調査・検討を行い、スマート自治体の実現に向け取り組んでまいります。
続いて、都市の「空き」を再活用し、魅力を増進させるプロジェクトです。活用度の低い公園や空き家など、都市を形づくるさまざまな要素にもう一度活躍の場を創出することで、地域の特性に合わせた魅力づくりを進めてまいります。
団地再生につきましては、団地内にある複数の小規模公園を集約し、新たな公園の配置再編を行い、既存の小規模公園を宅地化することで、子育て世代の誘導・定住を図り、多世代の住む団地へと再生してまいります。また、旧笹川西小学校周辺の土地利用につきましては、再編案の検討を進めてまいります。
さらに空き家、空き地の有効活用を図るため、旧耐震住宅の除却を促進する制度の構築に向けて取り組んでまいります。
四日市港発祥の地である「四日市地区」の再生につきましては、市民に親しまれる港づくりを具体化していくための根幹となる構想「みなとまちづくりプラン」について関係団体と連携し、策定してまいります。また、四日市地区の歴史的・文化的資源や運河など、港ならではの資源と景観を活用した、歩いて楽しめる空間づくりや環境整備に向けて取り組んでまいります。
最後は、大規模災害の発生に備え、地域防災の強化に向けたプロジェクトです。
南海トラフ巨大地震の発生が危惧される中、大規模地震などの自然災害に備えて、自主防災組織等の活動に対して引き続き支援を行ってまいります。加えて、大型の投資が必要となる資機材等の整備に対しては、新たな補助制度を設け、地域の防災力をさらに高める取り組みを進めてまいります。
また、避難情報等を的確かつ迅速に提供できるよう、複数の伝達手段に一斉配信するワンオペレーション情報発信システムを構築してまいります。
さらに、水防法改正に伴う河川の新たな浸水想定に基づくハザードマップの作成に向けて、順次、取り組んでまいります。
治水対策については、近年のゲリラ豪雨などの大雨時における市街化区域の浸水防除を図るため、浜田通り貯留管の整備等を引き続き進めてまいります。そのほか、準用河川などの整備・改修を進めるとともに、調整池の堆積土砂を撤去するなど予防的な措置を講じることで、治水安全度を高めてまいります。
最後に、4つ目の将来都市像「健康・生活充実都市」です。
生涯にわたり健康で暮らしの中で楽しみと幸せを実感できるまちづくりを目指してまいります。この都市像の実現に向けて、「幸せ、わくわく! 四日市生活」と題した重点的横断戦略プランを策定し、その中で3つのプロジェクトを展開してまいります。
まず、人生100年時代を迎え、健康寿命の延伸を目指すプロジェクトです。
「いつまでも元気でいきいきと活躍したい」ということは誰もが願うことであり、健康寿命の延伸は、超高齢社会を迎えつつある今、私たちが取り組むべき最も重要な政策のひとつであります。私は、過日、「四日市をARUKU宣言」をいたしました。これは、楽しみながら歩いたり、自然に体を動かすという身近な取り組みが、健康の維持増進とともに、自らの健康を考える大切なきっかけになるとの強い思いから宣言をしたものであり、できるだけ多くの市民にこうした活動をしていただきやすいよう、ハード、ソフト合わせた環境整備を行ってまいります。
あわせて、健康関連情報にふれていただける機会を増やすとともに、幅広い世代を対象とした体力測定会やウォーキングイベントなどを実施し、運動・スポーツの日常化、習慣化をめざします。
さらに、がんや糖尿病などの生活習慣病の予防に関する周知啓発を強化するとともに、各種検診の受診しやすい環境整備に取り組むなど、健康づくりについての全市的な気運を高めてまいります。
健康づくりの拠点ともなる中央緑地公園においては、国体に向けて整備を進めておりますが、Park-PFIを活用し、県内初の民間ノウハウを導入した飲食施設等を整備することで、都市公園のさらなる魅力向上と利用者の利便性向上を図ってまいります。
また、未来の四日市を担う中学生の健やかな成長を支えるため、令和5年4月からの供用開始を目指して中学校給食センターを整備してまいります。
中学校給食センターと一体整備を行う農業センターにおいては、栽培・収穫から調理体験まで、地元農産物に触れる体験の機会を設けるほか、給食への地元食材の利用拡大を図るなど地産地消、食育推進に取り組んでまいります。
続いて、超高齢社会におけるさまざまな課題に対応していくプロジェクトです。
まずは、認知症への対応についてであります。超高齢社会において、誰もが認知症になったり、認知症の人に関わる可能性が大きくなることが指摘されています。
認知症になっても、できる限り住み慣れた地域で安心して暮らし続けられる、また、社会の一員として尊重される地域社会づくりが急務であります。
新たな総合計画のスタートに合わせ、来年度を認知症の人とともに歩むまちづくりの新たな出発点として位置づけ、市民、事業者、関係機関等と連携しながら、強力に施策展開をしてまいります。
まず、認知症に関する正しい知識の啓発が基本となることから、認知症フレンズや認知症サポーターの養成に取り組むとともに、認知症地域支援推進員等の活動を通し、認知症への理解促進を進めてまいります。
特に、認知症には早期受診、早期対応が重要なことから、チェックシートを活用した自己診断ツールの活用に取り組むとともに、認知症初期集中支援チームを中心に、ショッピングセンター等、比較的誰もが立ち寄りやすい場所に出向き、相談会等を行うなど能動的で積極的な取組を行ってまいります。
さらに、行方不明となった人の早期発見のためにGPSやQRコードなどICTを活用した手段を導入するとともに、認知症の人が事故等に遭い、賠償責任を負った場合に補償される保険の費用を公費負担するための予算を計上するなど、早期診断、早期対応を促進し、地域の中で安心して暮らし続けていくための環境整備を行ってまいります。
救急業務におきましても、次世代高速通信(5G)やIoT、AI等の最先端技術を活用した救急処置の高度化に向けて調査研究を行ってまいります。
また、高齢化や核家族化の進展する中、地域の集積場にごみ出しができない高齢者等の世帯の増加が予想されており、福祉サービスの担い手と連携して、自力でごみ出しが困難な世帯の生活を支援してまいります。
このほか、市内の大学等と連携して、高齢化が進む市営住宅を活用し、高齢者の見守りや地域活動等への参画に向けて取組を進めてまいります。
最後は、四日市のことをもっと好きになってもらうプロジェクトです。日常生活の中で幸せ感やワクワク感を感じられ、思い描いた人生を送ることができるまちを目指して取り組んでまいります。そして、人と人のつながりを大切にし、四日市のおすすめや良いところを増やすとともに、内外にアピールしてまいります。
冒頭でも申し上げましたが、本市におきまして、令和2年度は市制施行から123周年となり、「1、2、3、四日市」の掛け声にふさわしい、盛り上がりが期待できる年を迎えます。そこで、123周年を彩るさまざまなイベントを実施してまいります。
まず、「2020東海・北陸B-1グランプリin四日市」を実施してまいります。B-1グランプリは、まちに元気と活気を呼び込むだけでなく、多くの市民がまちに誇りと愛着を持ち、地域が一丸となって取り組めるまちおこしイベントです。B-1グランプリを通して、本市の知名度、都市イメージの向上を図るとともに、本市の魅力を発信してまいります。
次に、四日市として初めて「ハーフマラソン」を実施してまいります。市外・県外から広く参加を募って四日市ハーフマラソンを開催することにより、シティプロモーションにつなげていくとともに、体育館や野球場などスポーツ施設の充実に伴う利用拡大を目指し、スポーツを契機とした交流人口の増加を図ってまいります。
そのほか、123周年を記念したさまざまな市民企画イベントにつきましても、実施に向けて支援を行い、市民・企業・行政が一体となってこの1年を盛り上げてまいりたいと思います。
以上、次期四日市市総合計画の4つの将来都市像を中心に市政運営に関して、令和2年度に向けて所信を述べてまいりました。
私自身、市長就任以来、初めて創り上げた総合計画であります。本市の政策や施策の内容につきましては、2015年に国連サミットにおいて採択された「SDGs(持続可能な開発目標)」の考え方を踏まえながら作成いたしました。市民の皆さんが豊かで幸せに暮らせる持続可能な社会を実現していくためにも、これらの重点施策やこの他の重点的な事業を取りまとめた推進計画事業とともに、着実に実行してまいります。
また、本市を取り巻く社会経済情勢が日々大きく変化する中で、地域経済の中心を担う本市は、「中枢中核都市」に選ばれ、三重県をけん引するリーダーとして、その期待に応えていかなければならないと考えております。
そこで、時代の潮流に的確に対応しつつ、市民ニーズに即応した多様な行政サービスに迅速に対応し、さらに、本市の持つポテンシャルを十分に発揮するためにも、地方自治法上の中核市への移行は重要であり、移行に向けて、県との協議を継続して進めてまいります。
令和2年度を迎えるにあたって、「31万人元気都市四日市」の実現に向けて、市民の皆様と一緒に汗をかき、夢を叶えてゆく、改めてその思いを強くしました。
私を先頭に全職員一丸となって市政運営に邁進し、東海エリアにおける中枢都市として存在感のある四日市の実現に向けて取り組んでまいりますので、何卒、議員の皆様方のより一層のご支援とご理解、ご協力を賜りますよう、お願い申し上げ、私の所信表明とさせていただきます。
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