平成31年2月 市長所信表明
問い合わせ番号:15517-5900-8181 更新日:2019年 3月 5日
わが国においては、10年以上前の2008(平成20)年から人口減少の局面にあり、団塊世代の出生数が260万人以上であったのに対し、今日では三分の一程度の100万人を割り、人口減少に歯止めがかからない状況となっております。
そのような中で、本市におきましては、先日の記者会見でも発表いたしましたように、社会増が自然減を上回り、2011(平成23)年以降減少が続いていた人口が8年ぶりに増加に転じました。
これは非常にうれしいニュースであり、本市が選ばれるまちになりつつあると認識しております。社会増となった要因は、就職や転勤等による20代の増加が大きな要因である一方、35歳から45歳やその子ども世代では減少傾向が続いており、子育て世代にも住みたいと思われるようなまちとなるよう、更なる子育て・教育施策の充実を図らなければと考えております。
昨年12月18日に内閣府から「中枢中核都市」の発表がありました。
選定条件としては、産業活動の発展のための環境、国際的な投資の受入環境、都市の集積性・自立性等の条件が備わっていること等とされており、これはまさに本市がこれまで培ってきた魅力そのものでありますので、昼夜間人口比率が1を上回り、北勢地域の中心都市である本市も選定されたところであります。
国においては、地方創生の推進が期待される昨今、地方から東京圏への人口流出を抑止する機能を発揮することが期待される都市として選定されたものであり、地方の中心的な都市の活性化により、国土の均衡ある発展を図ることとしております。
交通の要衝にあって産業・経済面が順調に発展している本市は、その役割を十分果たすことができるものと認識しております。
特に、東海地域に目を移しますと、2027(平成39)年のリニア中央新幹線の東京-名古屋間開通により、名古屋大都市圏の地位が今よりも格段に上がっていくことが予測されております。
現在、名古屋大都市圏において、人口30万人以上の都市が8市あり、本市はこの8市の中で人口規模では7番目であるものの、税収は名古屋市、豊田市、岡崎市に次いで4番目、市民一人当たりに換算しますと、豊田市、名古屋市に次いで四日市市は3番目であります。
名古屋大都市圏には、東に豊田市、岡崎市、北に一宮市、岐阜市があり、産業・経済活動が活況で高速交通体系が整いつつある本市は、このエリアの西のエンジンとして圏域の発展の一翼を担っていく必要があります。
その上で、この名古屋大都市圏がより一層飛躍するには、本市の発展が必要不可欠であり、いかに「存在感」を示していけるかということが重要であると考えております。
昨年、「ゆるキャラ(R)グランプリ」におきまして、「こにゅうどうくん」が過去最高の3位となりましたが、市をあげた取り組みに対して、マスコミではさまざまな報道がありました。
しかしながら、私としては、市民・企業・行政が一丸となって「こにゅうどうくん」を応援できたことを誇りに思っており、全国に「存在感」を示す良い機会になったと考えております。
現状維持は後退することと同じでありますので、「こにゅうどうくん」のように、積極的に前進していけるよう努めてまいります。
こうしたことから、平成31年度におきましては、「存在感」を示し、「31万人元気都市四日市」を実現するために、「子育て・教育支援」を継続して最優先で取り組み、さらには、「産業の振興」、「まちの賑わいの創出」、「地域力の向上」、「福祉・医療の充実」、「市役所改革」、「シティプロモーション」、以上7つの基本方針を掲げて取り組んでまいります。
まず、第一の方針として、「子育て・教育支援」の充実に積極的に取り組み、「子育てするなら四日市」、「教育するなら四日市」という都市イメージの定着に向けて引き続き、取り組んでまいります。
子育て支援の具体策として、就学前の保育につきましては、平成31年度に新たに開園する民間保育所3園・地域型保育事業所3園に対して運営支援を行い、保育提供枠の拡大を進めてまいります。
あわせて、民間保育所が行う乳児保育や延長保育等の特別保育に対して補助することで、保護者の皆様の働き方に応じた多様な保育サービスの充実を進めてまいります。
中学校修了前までの子ども医療費助成につきましては、子どもの疾病の早期発見、早期療養、重篤化の防止と、子育て世帯の経済的負担の軽減を図ります。特に受診機会の多い未就学児(6歳到達年度まで)につきましては、窓口負担無料化を引き続き実施してまいります。
また、子育てに関する総合案内窓口や親子で利用できる子育て支援センターおよびこども子育て交流プラザにおいては、育児相談や親子の交流の場の提供のほか、子育てに関する情報の提供など、サービスの向上に繋げてまいります。
また、保護者が必要な情報を容易に入手できるよう、市のホームページや子育て支援アプリ等を活用して子育てに関する情報発信を行い、子育て世帯の利便性の向上を図ってまいります。
学童保育所につきましては、利用児童数の増加に伴うクラス数の増加や指導員の処遇改善への支援を行うとともに、新たに熱中症対策を講じるなど保育環境の向上を進めてまいります。
平成31年4月に移転開園するあけぼの学園につきましては、通園する子どもの定員を拡大するほか、新たに居宅訪問型児童発達支援事業を開始するなど、専門的な発達支援が必要な子どもや保護者への支援の拡充を進めてまいります。
また、予防接種事業につきましては、新たに任意予防接種のロタウイルス予防ワクチンの一部補助を行うとともに、定期予防接種とあわせて、感染症の罹患防止および適切なワクチン接種の推進と啓発に努めてまいります。
次に、教育施策としましては、成長期にある中学生によりふさわしい給食を提供するとともに、給食を通じて食育や地産地消を推進するため、全員喫食を前提とした食缶方式による中学校給食の2023(平成35)年からの導入に向けて、具体的な事業推進を図ってまいります。
また、学習環境の改善を図るため、小中学校の普通教室等への空調設備の整備を計画どおり進めるとともに、教室不足や老朽化に対応した小中学校の校舎・体育館などの改築や改修についても順次、進めてまいります。
学校教育の充実では、タブレット端末を、1クラスの一人一人が一台ずつ使えるよう、全小学校へ40台ずつ配備いたします。
また、電子黒板機能付きプロジェクタを全小学校の各学年1台ずつ使えるよう拡大配備し、ICTを活用した学習環境を整備し、効果的な活用を促す取り組みをすすめてまいります。
児童生徒のさまざまな悩みに対する支援としては、スクールカウンセラー等における相談体制の強化を図ってまいります。
さらに、小中学校における不登校児童生徒の増加に対応できるよう、中央緑地内の旧勤労者・市民交流センター北館全館を活用して、登校サポートセンターの施設整備を行い、リニューアルオープンを図ってまいります。
また、多忙化する教職員の業務負担軽減を図り、教職員が元気になり、子どもたちと向き合う時間を確保して、子どもたちのより良い学びを創造する「教員するなら四日市プロジェクト」を進めてまいります。
具体的には、授業以外の業務の一部を担う「学校業務アシスタント」を全小中学校に配置するとともに、中学校における部活動指導に助力をいただく「部活動協力員」を継続してモデル的に配置し、教員が子どもと向き合う時間や教材研究等の授業力向上に繋がる時間の確保を図り、あわせて教職員の負担軽減を図ってまいります。
また、学校事務の質の向上や教職員の異動時の負担を軽減するため、各小中学校がそれぞれ管理している情報を全校統一のシステムで一元管理できる「校務支援システム」の本格的な導入を進めてまいります。
新図書館を含む中心市街地拠点施設整備につきましては、「市庁舎東側広場」、「近鉄四日市駅直結エリア」、「JR四日市駅直結エリア」の各候補地について、概算事業費や管理運営費等を試算した上で、市民ニーズに合致した施設となるよう、総合的な比較・検討を行い、立地場所を選定してまいります。
スポーツ振興につきましては、2021(平成33)年度の「三重とこわか国体」・「三重とこわか大会」の開催に向けて、新体育館を中心とした中央緑地運動施設、新野球場を中心とした霞ヶ浦緑地運動施設整備を、2020(平成32)年度の早い段階で供用できるよう進めてまいります。
また、2年間開催を休止していたシティロードレース大会を4月7日に再開し、健康づくりに対する関心とともに高まるスポーツへの期待に応えてまいります。
次に、文化振興においては、全国ファミリー音楽コンクールと四日市ジャズフェスティバルとの連携を一層深め、本市の魅力のひとつとして一体となって積極的に市内外へ発信するとともに、より市民が音楽文化に親しむ機会となるよう取り組んでまいります。
第二の方針として、本市の発展の礎である産業の振興に今後も力を注ぎ、引き続き、地域経済の活性化を図ってまいります。
本市は、臨海部コンビナート地域を中心に、内陸部の工業集積も含めて、これまで全国有数の産業都市として発展を遂げてまいりました。
現在では、石油化学コンビナートや半導体産業などが連携した高度部材供給拠点として、名古屋大都市圏の枢要な産業拠点として、産業競争力の強化に大いに貢献しております。
こうした本市の強みをさらに高め、より一層の競争力の向上に努めてまいります。
具体的には、事業所、研究所などを新設、増設する事業者に対して継続して支援するとともに、特に、次世代電池、次世代半導体、次世代自動車、健康・医療関連製品などの分野について、引き続き、重点的に支援してまいります。
また、研究開発機能の集積を強化する事業所に対する奨励金として、特にマザー機能の集積に繋がる投資に対しても、引き続き、重点的に支援してまいります。
特に、石油化学・石油精製産業においては、人口減少による燃料油の需要減、地球環境問題におけるCO2排出抑制などへの対応が、今後、極めて重要となってきております。臨海部コンビナート企業が、これらの環境変化に的確に対応していけるよう、コンビナートの先進化に向けた検討を、引き続き企業と一体となって取り組んでまいります。
また、近鉄四日市駅西側近傍に、三重大学北勢サテライト(知的イノベーション研究センター)および東京大学地域未来社会連携研究機構のサテライト拠点が設置されることから、産学官の連携を強化・推進することにより、地域産業の競争力強化や、地域の課題解決のための取り組みに繋げる調査研究を積極的に進めてまいります。
中小企業支援につきましては、新技術・新製品の研究開発について、継続して支援するとともに、特に、第4次産業革命に対応したIoTやロボット産業、そのほか、航空・宇宙産業など、成長産業への新規参入に対して重点的に支援し、本市産業の持続的な発展を図ってまいります。
また、新たに中小企業の人材確保につながるものとして、名古屋市での転職フェアに取り組むとともに、子育てや介護のため離職した女性の再就労を促進するため、事業所内の改装等に取り組む中小企業に対して助成制度を設け、中小企業における人手不足対策に取り組んでまいります。
次に農業施策につきましては、2017(平成29)年度に立ち上げました農業再生戦略会議で種々、議論してきました内容を受け、市内の農業者や生産組織等の方々による海外も視野に入れた販路拡大を促進させるため、農産物の安全性および品質の向上等を推進する国際水準GAP等の認証取得に係る経費への補助や認証取得のために必要となる施設整備費に対する支援を図ってまいります。
それ以外にも農業のビジネス化について、積極的な取り組みを図ろうとする農業経営者に対する農産加工品開発、販売力強化をテーマに講座を開催することや、農産物の高付加価値化や商工業との連携などにも取り組んでまいります。
また、農業センターのあり方を見直し、農業者の研修の場、市民が農業や農産品と触れ合える場として、中学校給食センターの整備にあわせて、一体的に整備を行ってまいります。
一方、環境施策としましては、これまでの家庭向けの新エネルギー設備等の導入支援について、スマートシティの観点を取り入れた補助制度を引き続き進めるとともに、中心市街地において都市開発を促進すべく、エネルギーマネジメントシステムの導入促進なども含め、まちづくり施策と整合を図りながら、スマートシティの構築に向けた取り組みを推進してまいります。
また、本市の環境施策のマスタープランである四日市市環境計画について、地域の活力を最大限に発揮する国の「地域循環共生圏」の考え方に基づき、新たな計画の策定に着手いたします。
第三の方針として、市民の方にはもちろん、県下最大の都市として市外、県外の方を呼び込める魅力溢れる中心市街地となるよう、まちの賑わい創出に努めてまいります。
具体的には、近鉄四日市駅において、2027(平成39)年のリニア中央新幹線開通に向けて、名古屋へのアクセス向上と乗り継ぎ環境の改善を図る駅前広場の整備に向けた取り組みを継続して進めてまいります。
JR四日市駅につきましても、駅前広場のリニューアルに向けた取り組みを進めるとともに、サイン計画により、引き続き、駅周辺の活性化や四日市港の千歳町周辺の再整備を視野に入れた港と連携したまちづくりも進めてまいります。
なお、千歳町周辺は、受け入れ可能な日本客船などを誘導するとともに、歴史的・文化的価値を有する「末広橋梁」、「潮吹き防波堤」やコンビナート夜景など、本市の特色ある産業観光資源を活かし、まちと一体となった港づくりを目指した取り組みを進めてまいります。
また、中心市街地内での利便性の向上やまちの賑わいに寄与する自動運転の導入に向けて、交通事業者を含めた関係者とともに協議会を設置し、調査・検討を進めてまいります。
さらに、中心市街地における商店街の活性化を図るため、新たな顧客獲得に資する取り組みやイベント事業に対して引き続き支援を行うとともに、空き店舗を活用する取り組みへの支援を継続してまいります。
また、四日市港については、昨年4月に開通した四日市・いなばポートラインや今年度中に開通予定の新名神高速道路により交流圏が広がる強みを十分活かし、利用者のニーズを踏まえた積極的なポートセールスを展開し、航路誘致・集荷促進対策を行うとともに、新たな港湾施設整備の検討など、国際物流機能の強化に向けた取り組みを積極的に進めてまいります。
道路施策については、市民が円滑に移動でき、賑わいや交流のあるまちづくりができるよう、国・県道とともに道路ネットワークを形成する幹線道路の整備を進めてまいります。
また、道路交通のネック箇所となっている、西浦通りと松本街道の交差点および西阿倉川62号線と西阿倉川万古線の変則交差点の改良を進めてまいります。
さらに、交通量が多く、路面の損傷が激しい幹線道路の再舗装に取り組むなど、市内の交通渋滞の解消を含めた道路環境の改善にも取り組んでまいります。
公共交通においては、持続可能な交通体系を構築し、コンパクトなまちづくりを進めるため、四日市あすなろう鉄道をはじめとする地方鉄道の維持や鉄道駅のバリアフリー化に引き続き取り組んでまいります。
また、多くの市民の方が集う公園の魅力向上や賑わい創出を図るため、スポーツ施設の整備が進む中央緑地において、都市公園法の公募設置管理制度を活用した飲食施設等の誘致に取り組んでまいります。
第四の方針として、四日市をつくる各地域の声を積極的に拾い、市民による安全・安心なまちづくり等、地域力の向上を図ってまいります。
四日市全体の魅力を高めていくには、市民協働により、それぞれの地域の魅力を高めていくことが必須でありますので、引き続き、市長として、自らが直接各地域に赴き、市民の皆様と意見交換を行うタウンミーティングを、3年目となる新年度においても継続して実施してまいります。
また、四日市北警察署の移転に伴い、その跡地周辺における治安・防犯機能の確保を目的として、地域住民、警察等と連携し運営する地域防犯拠点施設の整備に向けた取り組みを始めてまいります。
さらに、南海トラフ地震など自然災害の発生が危惧される中、市民の皆様の生命・財産を守っていくため、引き続き、防災・減災への取り組みを進めてまいります。
具体的には、ソフト面においては、地区防災組織の活動に対する補助などの支援を引き続き行うとともに、水防法改正に伴う河川の浸水想定等に基づくハザードマップの作成に向けて、順次、取り組んでまいります。
また、2018(平成30)年北海道胆振(いぶり)東部地震における宅地被害の発生を受け、国において大規模盛土造成地マップの公表が進められる中、本市においても、市民の防災意識の向上や宅地耐震化の推進に向け、大規模盛土造成地マップの作成と公表に取り組んでまいります。
ハード面では、災害発生後の避難生活に備え、生活用水の確保のための防災井戸の設置を進めるほか、浄水器の配備やより身近な場所での応急給水が可能となる応急給水栓の配備を進めてまいります。
また、近年のゲリラ豪雨などの大雨時における市街化区域の浸水防除を図るため、浜田通り貯留管の整備等を引き続き進めるほか、準用河川における河川改修などの治水対策にも取り組んでまいります。
第五の方針として、高齢者が健康を維持し、住み慣れた地域で安心して暮らし続けることができるよう、地域ぐるみで高齢者を支える「地域包括ケアシステム」の構築に引き続き努めてまいります。
具体的には、順次進めておりました地域における身近な相談窓口である在宅介護支援センターへの看護師などの医療職の配置につきましては、計画どおり今年度に完了しており、今後も配置を継続してまいります。
また、認知症の人の社会参加を促進し、家族の負担を軽減できるよう、認知症カフェへの支援の拡充を行ってまいります。
次に、予防医療としましては、働く世代が健康な生活を送るための対策として、がん検診の精度を高め、検診の質の向上を引き続き図るとともに、特に、女性のがん対策として、乳がん検診の個別受診勧奨を行う年代を、昨年度からさらに拡大し、現行の40歳代・50歳代に加え60歳代の女性にも実施してまいります。
さらに、介護予防に対する取り組みとしましては、要支援高齢者等の自立を支援するため、2017(平成29)年度からスタートした「介護予防・日常生活支援総合事業」において、市民ボランティアによる介護予防・生活支援の取り組みを引き続き進めてまいります。
具体的には、元気な高齢者を介護の担い手として、買い物やごみ出し等の家事援助や外出支援に取り組む訪問型サービス提供者に対する支援や、介護予防に取り組む通所型サービス提供者に対する支援、日常的な支え合い活動の立ち上げや活動継続の支援に加え、移動や安全にかかる支援を拡充し、実施してまいります。
また、健康づくりや介護予防に対する関心が少ない方々も自然と「歩く」「カラダを動かす」ことへつながるよう、公園や公共施設等に歩数や所要時間を表示し、歩く楽しみを取り入れるなど、健康づくり施策に積極的に取り組んでまいります。
そのほか、北勢地域の高度急性期医療を担う市立四日市病院の更なる機能強化を図るため、内視鏡下手術支援ロボットを導入するなど、高い診療密度を有する大学病院本院並の診療機能を有する病院、いわゆるDPC特定病院群にふさわしい、質の高い医療の提供に努めてまいります。
第六の方針として、市民サービスの向上とともに、適切な財源配分を実現し、「市役所改革」を推し進めていくため、これまでの行財政改革の流れを踏襲しつつ、新地方公会計の手法を用いて、行財政改革に取り組んでまいります。
具体的には、新たに採用した公認会計士の知見も活用しながら、施設別行政コスト計算書等の作成を行い、これまでの現金主義会計では明らかでなかった減価償却費なども含めたフルコストでの費用分析や経年的分析を進め、業務の効率化につながる取り組みを引き続き進めてまいります。
また、老朽化が進む本市の公共施設に関して、計画的な予防保全や適正な維持管理に努め、施設の長寿命化や維持管理コストの削減を図ります。また、将来的な人口の動向や財政規模、少子高齢化などの社会情勢の変化等を踏まえ、個別施設計画策定に向け、施設カルテ等を活用して今後の施設のあり方について検討を進めてまいります。
次に、働き方改革としまして、市役所内におけるワーク・ライフ・バランスの取り組みを推進するために「働き方改革推進本部」を設置し、働きやすい環境づくりや業務の一層の効率化に向けた取り組みをさらに強力に進め、市民や事業者にとって、職員が最大限のパフォーマンスを発揮できる職場風土の構築を進めてまいります。
そのため、現在のIT推進課を「ICT戦略課」に改称し、ICT(Information and Communication Technology(情報通信技術))やAI(人工知能)等の技術を活用して、市役所の働き方改革を推進するともに、広く市民サービスの向上等にもつながるよう、取り組んでまいります。
また、育児休業等の市職員が、復帰後もスムーズに職場へ適応できるよう、自宅から市役所庁内向けネットワーク掲示板にアクセスし、職務情報を取得できる環境を構築し、ワーク・ライフ・バランスを重視した働きやすい職場環境づくりに取り組みます。
第七の方針として、本市が、名古屋大都市圏において、大きな「存在感」を示すことを目指しております。
例えば、産業都市として誇れる経済活力の活況さや、にぎわいのあるまちのすがた、多彩な文化、子育て支援、教育や福祉・医療の充実など、総合的な本市の魅力を広くPRし、都市イメージの向上を図るため、シティプロモーションに力を入れてまいります。
具体的には、名古屋圏での観光PRイベントやラジオでのプロモーション番組の放送、映画館いわゆるシネアドでの上映を継続して行うとともに、大勢の人が行き交うJR名古屋駅構内のデジタルサイネージにおいて、新たに制作するPR映像を放映し、本市の都市イメージおよび存在感の向上に努めてまいります。
また、2020(平成32)年は市制施行123周年にあたるため、これを契機とした本市の魅力発信・地域活性化を図るため、「B-1グランプリ」の開催準備を進めるとともに、「ハーフマラソン」開催計画の策定に取り組みます。
さらに、四日市港が、本年に開港120周年を迎える節目の年であることから、「大四日市まつり」と同時期に開催する「みなとまつり」について、千歳町周辺で復活開催することとなり、カッターレースや帆船の寄港等のイベントが開催されます。
これを契機に、多くの方々が四日市港を訪れ、その魅力を再発見するよう、市としても十分連携を図ってまいります。
また、四日市ブランドの向上に向けた地場産品の情報発信等をより一層推進していくとともに、市内外を問わず、あらゆる機会を通して、積極的にPRに努めてまいります。
こうした取り組みの展開に向けて、引き続き、私、自らが果敢に取り組んでまいります。
以上、7つの基本方針を中心に市政運営に関して、平成31年度に向けて所信を述べてまいりました。
これらの重点施策につきましては、この他の重点的な事業を取りまとめた第3次推進計画事業とともに、着実に推進してまいります。
平成というひとつの時代が終わりを告げ、新時代が幕を開けようとする今、現総合計画の計画期間を前倒しし、2020(平成32)年度を初年度とする新たな総合計画の策定に向けた取り組みを積極的に進めております。
計画の策定にあたりましては、人生100年時代に向けた健康意識の高まりと働き方の見直しへの対応、IoT・AI・ロボット等に代表される「第4次産業革命」への対応、リニアや高速交通網整備の進展に伴う「スーパーメガリージョン」への対応、また「持続可能な開発目標(SDGs)」への対応など、さまざまな時代の潮流をしっかり見定めた上で、取り組んでまいります。
このような時代の潮流に的確に対応し、市民ニーズに即応した多様な行政サービスに迅速に対応していくためにも、また、本市の持つポテンシャルを十分に発揮するためにも、中核市の要件を備えている本市は、早期に中核市に移行すべきであります。
先にも述べました、名古屋大都市圏における西の枢要な拠点として、これからの都市間競争を勝ち抜くためにも、体制の強化を進めつつ、現在進めております国や県との協議・調整に、より一層拍車をかけてまいります。
「31万人元気都市四日市」の実現に向けて、市民の皆様と一緒に汗をかき、夢を叶えてゆく、そんな強い思いで新年度も取り組んでまいります。
平成31年度を迎えるにあたって、私を先頭に全職員一丸となって市政運営に邁進するとともに、存在感のある四日市の実現に向けて取り組んでまいりたいと考えていますので、何卒、議員の皆様方のより一層のご支援とご理解、ご協力を賜りますよう、お願い申し上げ、私の所信表明とさせていただきます。
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