御池沼沢植物群落とは
問い合わせ番号:15280-7235-3783 更新日:2022年 9月 29日
御池沼沢植物群落は昭和15年(1940年)に安井直康氏によって発見され、昭和26年(1951年)に広く紹介されました。
その後の調査で、この植物群落は、寒地性のヤチヤナギの分布の南限であること、暖地性のミクリガヤの分布の北限であること、ミミカキグサなど各種の食虫植物が豊富に生育していること、東海地方固有の植物であるシラタマホシクサやヘビノボラズなどの大群落があることなど、多くの珍しい植物が多数生育することが明らかになり、植物地理学上貴重な湿原として、昭和27年(1952年)に国の天然記念物の指定を受けました。
トウカイコモウセンゴケ | シラタマホシクサ |
三重県レッドデータブックで絶滅危惧種に指定されている、トキソウ・サギソウ・ミカヅキグサ・ノハナショウブ・ムラサキミミカキグサ・ナガボノアカワレモコウ・コムラサキ・クロミノニシゴリなど貴重な植物が生育しています。
トキソウ | ノハナショウブ |
御池沼沢は、元禄6年(1693)の西坂部村、下海老村・平尾村野論裁許絵図にみられるように、大池という一つの池でした。
これまで、一つの池に、ヤチヤナギという寒地性の植物とミクリガヤという暖地性の植物が共存できたのは、沼沢の西端で湧いている水の温度が低いためで、ヤチヤナギはこの湧水近くに群落を形成しています。この湧水は、東に流れていく途上で温められるので、沼沢の東側では、温暖な環境を好むミクリガヤのような植物が生育できたのです。
ヤチヤナギ(西部指定地) | ミクリガヤ(東部指定地) |
この植物群落では、さまざまな植物が四季折々に花を咲かせ、野鳥が羽を休める豊かな自然環境が長く維持されていましたが、昭和30年(1955年)以降の周辺環境の変化が植物群落の指定地にも波及し、生育する植物が変化しつつあります。沼沢の水量が減少したことへの対策として、現在、井戸を掘削し沼沢へ水を供給しています。
また、ボランティアの市民の人々により、植物群落維持のための活動を行っていただいています。
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