建築協定について
問い合わせ番号:15077-9916-1766 更新日:2023年 9月 8日
建築協定制度について
1.建築協定とは
●住みやすいまちづくりのために、その地域の住民全員の合意で、建築基準法で定められた一般的な基準以上のルールを定めて、お互いに守っていく制度です。
●一般の契約とは異なり、四日市市に届け出をし、認可を受けることで、建築協定に同意した当事者はもちろん、同意した人の土地を後から購入するなどした人にも適用されます。
※建築基準法は、建築物の敷地、構造、設備および用途に関する最低の基準を定めて、国民の生命、健康および財産の保護を図っています。しかし、こうした基準は、あくまで一般的な最低の基準であるので、より良好な生活環境を確保するためには、建築物に関する制限を必要に応じて強化したり、詳しくすることが適切である場合があります。 そこで、建築基準法では、一般的な最低の基準では充たされない個別の要望を満足させるために、一定の地域の住民が同意に基づいて建築に関する協定を締結することができるようにしています。この協定を「建築協定」といいます。 |
2.四日市市建築協定条例で定めている内容
建築協定を締結できる区域 | 四日市市の都市計画区域内 |
建築協定を締結できる人 |
土地の所有者及び借地権を有する者 (仮換地として指定された土地にあっては、当該土地に対応する従前の土地の所有者及び借地権を有する者) |
定めることができる基準 | 建築物の敷地、位置、構造、用途、形態、意匠、建築設備 |
目的 |
(1)建築物の利用を促進する (2)土地の環境を改善する |
制限 | 協定の内容は、建築に関する法律、命令、条例に適合するものでなければなりません。 |
3.建築協定の手続き
4.建築協定書に定める内容
●協定の区域
土地の所有者等の合意が得られた土地(合意地)を建築協定区域として定めます。また、建築協定区域隣接地の指定をする場合は、認可申請時に区域を定めておく必要があります。
Q1. | 建築協定区域の規模は、どれくらいあればいいのか? |
A1. | 建築協定の面積や区画数など具体的な規模の制限はありませんが、建築協定の目的に応じ、良好な環境を確保できるような規模が望ましいです。 |
Q2. | 合意が得られなかった場合はどうなるのか? |
A2. | 合意が得られなかった土地(不合意地)を建築協定区域に加え、建築協定の制限を課すことはできません。 |
協定を締結しようとするまとまった地域内の全ての土地が建築協定区域となるのが理想的ですが、実際には不合意地が部分的に残る場合があります。不合意地について、将来的に建築協定区域の一部となることが望ましい土地として、あらかじめ「建築協定区域隣接地」に指定することができます。
「建築協定区域隣接地」に指定をしておけば、将来的に当該土地の所有者等が建築協定に加入する意思を示された場合、建築協定の認可後であっても、簡単な手続きで合意地として建築協定区域に加わることができます。
なお、「建築協定区域隣接地」の指定だけでは、建築協定の効力は及びません。
合意が得られなかった土地でも「建築協定区域隣接地」に指定しておけば、あとから協定に加わることができます。 |
●建築物に関する基準
地域の課題や目標に応じて内容を検討し、基準を定めます。
※公法上の規制として建築基準法が定める最低限の基準は緩和できません。
◉ 建築物に関する基準としては、
「敷地」:敷地の最低面積、分割禁止等 ⇒乱開発の禁止
「位置」:敷地境界線等からの壁面後退等 ⇒通風・採光、プライバシーの保護
「構造」:建築物の不燃化等 ⇒防災面の強化
「用途」:専用住宅に限る等 ⇒閑静な住環境の確保
「形態」:高さの制限、建ぺい率、容積率等⇒圧迫感の抑制
「意匠」:建築物の色、屋根の形状、緑化等⇒統一感に配慮した街並みの形成
「建築設備」:空調室外機の設置位置、無線アンテナの禁止等⇒景観に配慮した街並みの形成
<住宅地における建築協定>
住宅地における建築協定には、次のようなことを定めることが考えられます。
目標とする環境 | 具体例 |
純粋な住宅地にする | ○住宅用の建築物だけを認める。 |
低層住宅の環境を守る | ○高さ、階数を制限する。 |
良好な住宅地の美観を守る |
○道路からの外壁後退距離を定め、家並みをそろえる。 ○塀の高さを制限して、開放的な空間をつくりだす。 |
日照を確保する |
○南側に庭を確保する。 ○2階以上の外壁後退距離を定める。 |
プライバシーを守る | ○隣地境界線からの外壁後退距離を定める。 |
ゆったりとした住宅地にする |
○法の定めより厳しい建ぺい率や容積率を定める。 ○敷地の最低規模を定めたり、敷地の再分割を禁止する。 |
災害に強いまちにする | ○ブロック塀を制限し、生け垣や生け垣併用の塀とする。 |
<商業地などにおける建築協定>
【商業地】
商業地では、消費者が安心して買い物を楽しめ、調和のある美しい商店街をつくるため、次のようなことを定めることが考えられます。
・軒の線をそろえる
・看板を統一する
・歩道を広げる、など
商業地での建築協定は、商店街の改造計画や建設計画とあわせて行うと効果的です。
【工業地】
住宅の新築を認めない協定を結ぶことで、工場跡地が住宅に変わることを防ぎ、工業地としての環境の安定、経済性を維持することができます。
●有効期間
有効期間は無期限ではなく、協定書に定めた期間(一般的に5年、10年が多い)に限り効力があり、有効期間内であれば土地の所有者等が変わっても効力はつづきます。また、有効期間内であっても、所有者等の全員の合意があれば協定内容を見直すことが可能です。
建築協定の更新をするためには、改めて合意を取り直すなど当初の締結時と同様の手続きが必要となります。
●違反があった場合の措置
建築協定は一種の私法的契約のため、公的な指導や罰則の対象とならず、協定書に基づき、地域の住民の方々で対応することとなるため、あらかじめ協定書に建築協定運営委員会から工事の停止や是正措置を請求できること、さらには裁判所に提訴できること等を定めておく必要があります。
建築基準法等の法令に違反している場合は、特定行政庁が指導等を行います。
建築協定に違反があった場合は、協定書に基づき、地域の皆さんで対応する必要があります。 |
5.建築協定成立後は
●建築協定の運営
住民の皆さんがルールをつくり、そのルールをお互いに守っていくことを取り決めたものです。その運営についても、住民の方々の主体的・自発的な取組みが必要となります。
通常は、建築協定の運営を円滑にし、より実効性のあるものとするため、地域の方々によって建築協定運営委員会を組織し、様々な活動を行っていくこととなります。
運営委員会の役割としては、次のようなものがあります。
(1) | 協定区域内の建築計画について、協定内容に適合しているか事前にチェックします。 |
(2) | 建築工事中、完了後の物件について協定の内容に適合しているか現地確認します。 |
(3) | 違反があった場合は、協定書の内容に基づき是正請求等行います。 |
(4) | 協定の有効期間満了前(更新時期)や変更・廃止しようとする場合は、説明会の開催、取りまとめ、申請手続等の作業が必要となります。 |
※「建築協定制度について」の一括ダウンロードは、こちらをクリックしてください。
四日市市内の建築協定を締結している地域
協定の区域 | 有効期限 | 内容 |
浮橋1丁目~2丁目、南松本町の一部 | 令和15年9月7日 | 協定内容(PDF/522KB) |
緑丘町地内 | 令和9年11月18日 | 協定内容(PDF/221KB) |
大字西阿倉川地内 |
令和11年9月28日 | 協定内容(PDF/276KB) |
大矢知町地内 | 令和9年9月25日 | 協定内容(PDF/559KB) |
このページに関するお問い合わせ先
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