木造薬師如来坐像
問い合わせ番号:14924-8972-6404 更新日:2017年 4月 25日
木造薬師如来坐像 | |
種別 | 市指定有形文化財(彫刻) |
所有者 | 遠生寺(堂ヶ山町) |
法量 | 像高51.5cm |
材質・形状 | 木造 漆箔 金泥 彫眼 |
製作年代 | 鎌倉時代初期(13世紀) |
指定年月日 | 平成29年3月22日 |
解説 | 像高51.5cmの鎌倉時代初期(13世紀)の一木割刳造の木造薬師如来坐像です。 形状は、知恵の象徴で巻貝のような螺髪を粒状に彫出し、悟りに達した証とされる肉髻珠、白毫(眉間の少し上に生える白く右巻の毛)をあらわし、耳朶は環状、首に三道を表しています。右手は肘を屈して掌を前に立て、5指を軽く伸ばしています(恐れなくてもよいという意味の施無畏印)。左手は膝の上に置いて掌を上にして薬壺を持っています。衲衣は偏袒右肩に着し、左足を上に結跏趺坐しています。 構造は、ヒノキの材を用いた一木造り。頭体部を一材で造った後、両耳の中央で前後に割り矧ぎ、内刳りを施し、玉眼を嵌入しています。これに左肩から左腰部に至る体側材、右肩より先の材、膝前材をそれぞれ寄せています。右手は肩、肘、手首で矧ぎ付け、左手は別に造って膝上の前膊材(別材)に差し込まれています。頭部の群青彩色、その他は茶色に彩色しています。また、像内内刳部分に漆箔を施しています。 制作年代は、彫りの浅い衣文の表現に平安時代後期の余風を残していますが、口元を小さく引き締めた表情や、体部の抑揚表現に新しい時代の作風が感じられることから、実際の制作は鎌倉時代初期になるものと考えられます。近年に施された彩色が、本像の印象を少しばかり消極的なものにしていますが、像の基本的な造形は損なわれておらず、市内でも数少ない鎌倉時代初期(13世紀)の作例として評価できます。 |
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