平成28年10月25日 記者会見要旨
問い合わせ番号:10010-0000-3921 更新日:2017年 4月 1日
市長定例記者会見
日時
平成28年10月25日(火曜日) 午前11時~
場所
7階部長会議室
出席者
報道機関
朝日新聞、伊勢新聞、CTY、中日新聞、中部経済新聞、毎日新聞、読売新聞
市側
市長、舘政策推進部長、中村教育委員会事務局理事、廣瀬教育委員会事務局参事・指導課長、松岡政策推進部参事・秘書課長、高野国体推進課長、加藤政策推進部参事・広報広聴課長ほか
発表事項1.国体に向けた新スポーツ施設整備について
市長:平成33年に三重県で開催予定の第76回国民体育大会(愛称:三重とこわか国体)に向けて、本市での種目開催もあるが、その後の市民の利用や全国大会などの大規模な大会の誘致も見越してスポーツ施設の整備を行う。その進捗状況について、お知らせする。三重とこわか国体は、平成33年9月中旬から10月中旬までの11日間の開催と聞いている。開催競技数は、正式競技が37競技、うち本市では8競技行う予定になっている。本市開催競技の内訳は、サッカー、テニス、体操、自転車、軟式野球、カヌー、空手道、ゴルフの8競技である。
今後の整備工程として、まず、中央緑地の新スポーツ施設については、平成29年10月から平成32年4月にかけて、本体の新体育館の建設と旧体育館の解体、駐車場の整備工事を実施する。また、サッカー場については、平成28年12月から平成29年6月にかけ、新しくクラブハウスを建てる。さらに、平成29年4月から平成30年6月に、サッカー場の整備工事を実施する予定である。一方、霞ヶ浦緑地の新テニス場については、平成29年1月から平成30年4月にかけて、クラブハウスの整備工事とテニスコート16面の整備工事を行う。
中央緑地新体育館の諸元は、鉄筋コンクリート造一部鉄骨造、地上3階建て、建築面積が約1万3,800平方メートル、延床面積が約1万7,200平方メートルになる。アリーナの面積は約3,200平方メートルで、ハンドボール2面、バスケットボール3面、バレーボール4面が可能になる。固定席3,000席程度、可動席500席程度、合わせて約3,500席になる。中央緑地のサッカー場は、人工芝コートが3面で、陸上競技のサブトラック、アメフト兼用のサッカー場、ラグビー兼用のサッカー場である。現在の陸上競技場内のサッカー場は、国体ではメーンのサッカー場として決勝などに使用する。一方、霞ヶ浦緑地新テニス場の諸元は、屋根付きコートが8面で観客席数が740席、センターコートは1面で観客席数が1,017席、サブコートは1面で観客席数が470席、屋外コートは6面で観客席数が555席、合わせて16面で観客席数が2,800席程度になる。
このスポーツ施設整備に係る事業費について、中央緑地の新しいスポーツ施設は合計146億3,000万円、霞ヶ浦緑地の新テニス場は18億5,000万円を予定している。また、霞ヶ浦緑地内の野球場整備に10億円ないし15億円を見込んでおり、合計で174億8,000万円から179億8,000万円が現時点での事業費の予定になる。
これらのスポーツ施設の整備により、国体を成功させることはもちろん、国体後は市民のスポーツ振興、生涯スポーツの振興に活用していく。また、全国レベルあるいは国際レベルの大会の誘致につなげる。さらには、このスポーツ施設を本市の地域資源として、シティプロモーションにも活用する。現在、交渉中の東京オリンピックの事前キャンプ地としても活用したいと思っている。以上のさまざまな目的を持って、今回のスポーツ施設を整備し、地域の活性化につなげたいと思っている。
規模の一番大きい中央緑地の新体育館の建設は、国体の2年前の平成31年秋ごろ体育館本体が完成する予定である。その後、外構工事などを進め、全ての完了は平成32年の春ぐらいを予定している。その年に東京オリンピックがあり、翌年に国体があることになる。中央緑地と霞ヶ浦緑地はイメージ図のとおりである。中央緑地の新体育館は、真ん中にラインが入る予定で、本市は港町であるので船の先端をイメージしたデザインにする予定である。
中村教育委員会事務局理事:現在、実施設計を進めており、順次、工事を発注していく予定である。事業費については、昨年度から進めている基本設計をベースに試算した数字であり、実施設計を進めていく中で、若干、数字が動く部分もあるかと思う。コストダウンを進めながら、現在、設計をまとめており、事業費の内訳として、中央緑地については、体育館を97億円、サッカー場を20億円、既存施設などの解体および駐車場整備を11億5,000万円、公園および周辺整備として17億8,000万円である。ある程度、複合して発注するので、若干、数字に動きがある。一方、霞ヶ浦緑地について、テニス場は16億9,000万円、公園整備は1億6,000万円で、合わせて18億5,000万円である。野球場は、10億円から15億円と幅を持たせていただいており、来年度に設計を進めていく予定で、今後、精査をしていくように考えている。
今回の中央緑地体育館の発注について、国の多様な入札方式の一環としてECI方式で進めている。このECI方式とは、設計段階から施工候補者を特定し、施工候補者の持つ技術力を設計に生かして進めていくものである。本年7月から施工候補者の優先交渉者の募集を開始し、現在、そのECI方式の事業を進めている。11月中旬に業者がある程度選考される予定で進んでいる。ECI方式については、県内を含めて県外でも多数の事例が出ていると思うので、そちらも参考にして優先交渉者を進めているところである。
市長:ECI方式とは、最近、物価、人件費の高騰によって入札不調が非常に多いことから、設計業者の積算と施工業者の積算の乖離をなるべく防いで、入札不調を極力無いようにすることが一番の目的である。
質疑応答
質問:中央緑地は、大体、このイメージ図のようになるのか、それとも、これからこの形が変わる可能性もあるのか。
回答:基本的には、このイメージ図に基づいて設計する。ECI方式についても、これをベースに募集をしている。極端に値段が相違すれば、それに合わすような形で設計の見直しなどがあると思うが、そこまで大きな相違、変更が無ければ、設計について施工者のいろいろなノウハウをいただきながら、現状の市場価格と相違する部分をできるだけ合わせて設計を進めていく。細かい部分では変更になってくる部分はあるかと思うが、基本的には、そのイメージ図をベースにしていきたいと考えている。(中村教育委員会事務局理事)
質問:この施設整備によって、市や市民への効果を教えてほしい。
回答:国体の成功が一番であるが、その後、生涯スポーツの振興という目的で、現状のスポーツ施設と比べるとレベルも上がった施設を使って、市民の皆さんの健康、体力維持のためにも大いに利用してスポーツをしていただきたい。また、国体を経験した、あるいは場合によっては東京オリンピックの事前キャンプ場を誘致した体育館としてのスポーツ施設のレベルの高さを情報発信して、シティプロモーションにも生かす意味合いもある。(市長)
質問:霞ヶ浦緑地の野球場整備について、来年度、設計に入るということだが、その後の大まかな工程や完成時期はいつか。
回答:具体的な時期のめどは難しいが、国体に合わせて一緒に整備を行っていくと考えていただければいいかと思う。平成32年度中の完成を予定している。(中村教育委員会事務局理事)
質問:霞ヶ浦緑地の野球場は、3つ目の野球場になるのか。
回答:今度、中央緑地にサッカー場が整備されるので、整備された後、霞ヶ浦緑地のサッカー場を閉鎖して、サッカー場があった部分に野球場を整備する。野球場も霞ヶ浦緑地でまとまり、サッカー場も中央緑地でまとまることになり、市民の利用も効率が上がると思っている。(中村教育委員会事務局理事)
質問:新しい野球場の名称は何か。
回答:名称はまだ付いていない。今のところ、霞ヶ浦第1、霞ヶ浦第2があるので、第3という形にはなっている。(中村教育委員会事務局理事)
中央緑地と霞ヶ浦緑地、機能を分けた。(市長)
質問:中央緑地のECI方式の施工候補者の選定を11月までに行うということであるが、具体的な状況をもう少し詳しく教えてほしい。
回答:ホームページにも、ECI方式についての募集や途中経緯、具体的に工程的なものは載せてある。7月に募集要項を発表して、9月に応募者に図面などの配布をしている。現在、そのECI方式の予定業者が、技術提案などをしている状況である。まだ詳しい状況まで申し上げる段階ではないが、選定協議を含めて技術提案を作り、その選定を進めているところである。(中村教育委員会事務局理事)
質問:7月に募集要項を発表した後、業者から名乗りがあがっているということか。
回答:応募はあった。ただし、応募が何社かについては、現段階では入札の競争性があり、控えさせていただく。複数者が応募していただいており、そちらで現在、進めているところである。(中村教育委員会事務局理事)
発表事項2.外国人児童生徒と保護者のための進学ガイダンスの実施について
市長:小学6年生から中学3年生までの外国人児童生徒およびその保護者に対して、高等学校や入学試験に関する説明を、通訳を介して行うことにより、日ごろの学習や将来への進学の意欲を高めるとともに、今後の進学への不安を解消する目的を持って行う。平成15年から開催しており、本年度で14回目になるが、今後、高等学校へ進学される人が増える見込みもあるにもかかわらず、進学ガイダンスへの参加者が相対的に少ないことがあって、このガイダンスへの参加者を増やしたい。
日時・場所は、11月13日(日曜日)13時30分から16時まで、中部中学校の多目的ホールで行う。
対象は、小学校6年生と中学生およびその保護者である。
主催は四日市市教育委員会、共催として三重県教育委員会、後援が財団法人三重県国際交流財団、協力機関として四日市公共職業安定所である。
内容は、まず、四日市市教育委員会から「日本の学校制度等について」というテーマで話をする。次に、四日市公共職業安定所から「外国人の就職事情等」について、お話をいただく。さらに、卒業して社会人になった先輩に体験談として「先輩からのアドバイス」として、お話しいただく。最後に、「各高等学校からの紹介」ということで、各校のそれぞれの紹介と、ブースに分かれての個別相談を行う。
ポルトガル語、スペイン語、中国語、タガログ語(フィリピン)、ネパール語、以上の言語に対応する。
特にこのガイダンスの中で、社会人になった先輩から、「1年後、3年後、10年後の自分を想像して将来の自分のあるべき姿を描いていこう。志、目標を持って頑張っていこう」という励ましをしていただき、進路を目前に控えた生徒にとっては非常に勇気づけられるものだと聞いている。
保護者にとっても、「進路全般に渡って非常に多くの方面からの情報を得ることができるため、貴重な機会となっている」という成果がある。
今後の方向性として、高校への進学を希望する生徒・保護者はこれから増加する傾向にあることから、継続して実施していきたいと思っている。将来の展望を持って、まず、日本語力の向上が一番大事であり、キャリア教育の視点からも主体的に学び続ける姿勢をつくるための支援をしていきたい。そういう意味から、継続してこのガイダンスを行い、社会に寄与できる人材育成にもつなげていきたいと思っている。
廣瀬教育委員会事務局参事・指導課長:日本語指導が必要な外国人児童生徒は、平成24年に1度ピークに達して、25年、26年と一旦減少傾向にあったが、27年、28年と増加傾向にある。また、外国人の定住化にも伴って、進学を希望する子どもたち、保護者も増えている状況である。外国籍の子どもたちだけではなく、日本の子どもたちも、今の日本の社会においては、自立した社会人となっていただくため、また就労にしっかりつなげ、しっかり働いていただくためには、高校進学は一定、必要と考えている。一方で、日本語が十分でない子どもたちにとって、日本の高校入試の壁を越えることは、とても大変なところになっている。各中学校でも3年生の段階で進路説明会は通訳を介して行っているが、早くから保護者本人が日本の高校のシステムを理解していただくことで、より日本語の向上に努めていただいて学力の定着を図れると思っている。対象も、中学3年生だけでなく、小学6年生、中学1年生、中学2年生も含めて、進学ガイダンスをこれまで行っており、今後も進めていきたいと考えている。参加高校については、外国籍の生徒が在籍している学校が協力していただいている状況である。
質疑応答
質問:内容について、前回と何か変更点はあるのか。
回答:新たに大橋学園高校に参加していただく。また、今年は、中学3年生でネパール語が必要な生徒がいるが、対象の生徒が少ないため、ネパール語の言語の通訳を付けさせていただくことである。(廣瀬教育委員会事務局参事・指導課長)
質問:ネパール語に関しては、当日、通訳をするという意味か。
回答:そのとおりである。ほかの4言語については、翻訳資料を作成して配布する予定である。(廣瀬教育委員会事務局参事・指導課長)
質問:例年、どれぐらいの人が参加されているのか。
回答:生徒が40名前後である。(廣瀬教育委員会事務局参事・指導課長)
質問:社会人先輩の体験談は何人の人が発表されるのか。
回答:今年は、通訳の仕事をしている先輩が一人である。(廣瀬教育委員会事務局参事・指導課長)
質問:発表される先輩は四日市市内の高校を卒業しているのか。
回答:そのとおりである。(廣瀬教育委員会事務局参事・指導課長)
質問:事前の申し込みは必要か。
回答:学校から要綱を配布しており、学校で取りまとめて、教育委員会で集約している。当日の参加も可能である。(廣瀬教育委員会事務局参事・指導課長)
質問:この進学ガイダンスは、いつ始まったものか。
回答:平成15年から実施している。(廣瀬教育委員会事務局参事・指導課長)
質問:毎年実施しているのか。
回答:例年、この時期に開催している。(廣瀬教育委員会事務局参事・指導課長)
質問:対象の小学6年生、中学生およびその保護者とは、四日市市内に限るのか。近隣も含むのか。
回答:三泗地区が対象で三重郡3町とも共同で実施しており、三重郡3町にも在籍する生徒がいれば参加をすることもある。(廣瀬教育委員会事務局参事・指導課長)
質問:参加者は40人前後という話であるが、三泗地区で対象となる外国籍の中学生や小学校6年生は何人くらいか。
回答:市内の中学生と小学6年で約110人である。(市長)
質問:三重郡の該当者を含むと、もう少し増えるということか。
回答:そのとおりである。(廣瀬教育委員会事務局参事・指導課長)
参加者が40人では少ないので、もう少し増やしたいと考えている。(市長)
質問:該当者の半数以上の人に来てほしいということか。
回答:進学ガイダンスを受ける人が増えてほしい。(市長)
例年、該当者の3分の1以下の参加であるので、多くの人に参加してほしい。(廣瀬教育委員会事務局参事・指導課長)
質問:参加対象者に対して、どのような働きかけ、情報提供をしているのか。
回答:各学校が児童・生徒に日本語指導を行っており、その機会の一つとして進学ガイダンスの機会があるので行ってみたらという働きかけをしている。(廣瀬教育委員会事務局参事・指導課長)
質問:プリント配るなどしているのか。
回答:翻訳したものを配っている。(廣瀬教育委員会事務局参事・指導課長)
質問:日本語だけの資料ではなく、母国語のものを配布しているのか。
回答:進学ガイダンスが、一定の通訳が必要な人を対象にしているためである。(廣瀬教育委員会事務局参事・指導課長)
質問:記者が、日本語で報道して効果はあるのか。
回答:進学ガイダンスを地道に開催していることを皆さんに広く知っていただければ、チャンネルが増えるという期待をしている。(廣瀬教育委員会事務局参事・指導課長)
質問:進学ガイダンスに参加している学校は、高校入試を日本人と同じ条件で受験するのか、それとも特別措置があるのか。
回答:飯野高校と北星高校は外国人枠というのを持っており、特別措置がある。ほかの学校は特にない。(廣瀬教育委員会事務局参事・指導課長)
質問:国籍を問わず全く条件は同じということか。
回答:そのとおりであり、日本語の力を持って学力をつけていく必要がある。中学3年生で聞いても間に合わないこともあるので、できるだけ早い時期から情報提供をしていく必要があると考えている。(廣瀬教育委員会事務局参事・指導課長)
発表事項3.市政アンケートの調査結果について
市長:本市では、市が行うさまざまな施策に対する「満足度」あるいは「期待」や、日ごろの生活と市政などへの市民の意識や意見を調査し、その結果を市政に反映することを目的として、市政アンケートを毎年実施している。本年度も調査を実施し、このほど結果がまとまったので、内容をお知らせする。選挙権年齢の引き下げも考慮し、初めて今回の調査から対象年齢を18歳以上に引き下げ、より若い世代の意見も取り入れられるようにした。また、回収率が少し低かったことを踏まえ、回収率の向上を図るため、アンケートの回収方法について、従来の郵送によるものに加え、より簡単に回答ができるインターネットからの回答システムを今回から初めて導入した。その結果、回収率は、前回31.1%が、今回は34.6%と3.5ポイント上昇した。
アンケートは7月27日から8月19日にかけて実施した。18歳以上の市民から無作為に選んだ5,000人に対して行っている。調査項目は10問である。
調査結果として、全40項目の施策に対する満足度の得点の平均値は3.05である。
また、満足度が低くて期待が高い項目は、市民から特に求められている施策と捉えられるという判断のもとに、満足度が平均未満で期待が平均以上の項目を抽出した。今回、市民から特に求められている施策が4項目増えたが、「障害者福祉の充実」という項目については7月に相模原で起きた殺傷事件が影響しているかもしれないと思っている。「安心な医療体制の確保」については、3月に報道があった市立病院の医療過誤などが影響しているかもしれないと推測をしている。
満足度・期待に関する特記事項について、満足度の平均値が3.05で、昨年度の3.09から0.04ポイント、わずかながら下降したが、市長に就任してからの過去8年間の推移を見ると、前回が全ての項目において最も高く、今回は8年間で2番目の高さであった。期待については、全項目の平均が12.4%となり、前回12.1%と比較して上昇し、過去8年間で3番目の高さであった。回答率が最も高い60歳代の満足度が平均を下回り、これに対し、若年層は回答率が低いものの、満足度がかなり高い傾向にある。18歳・19歳は3.43、20歳代は3.22で、若い世代が平均3.05より満足度が高い傾向になっている。経年で見ると、3年連続で中間である5段階中の3を上回っている。満足度の平均値が毎年上昇し続けることは、さまざまな要素が入り、なかなか難しいが、少なくとも中間の3を下回ることのないよう、積極的に政策や施策を進めていきたい。また、政策や施策が、なかなか市民の皆さんに理解されてない、知られてないことは大いに反省材料であり、市民の皆さんへの情報発信を強化していきたいと思っている。他市も同様であろうが、やれることをやっていても、なかなか伝わらない厳しい現実がある。
また、個別の項目についての特記事項として、「子育て支援の充実」に対する期待が全体的に高く20.3%であり、30歳代では突出して42.2%になっている。全国的な傾向として、人口減少、少子化社会により、非常に期待が高い。「子育て支援の充実」については、「子ども・子育て支援制度」が国の法律改正によって、仕事に就いている人だけでなく、求職中の人や就労時間が短い人も保育園を利用できるようなった。求職中の人や就労時間が短い人も保育園を利用できるようになり、そういう人たちも待機児童にカウントされるようになって待機児童の数がかなり増えた。また、「保育園落ちた 日本死ね!」という匿名のブログなどにより、待機児童の問題が注目されたということも背景にあると考えられる。「災害に強いまちづくり」については、満足度が若干下降して期待が上がったが、国内で非常に大きな災害が発生すると、満足度が下降して期待が上昇する傾向が、今までもあった。今回は、4月の熊本の地震、大型台風の連続した上陸、栃木県での豪雨による鬼怒川の堤防決壊など、市民の記憶に鮮明に残るような自然災害があり、そういったことで災害に強いまちづくりに対する関心が高まったことが影響しているのかもしれない。「適正なごみ処理の推進」については、満足度が3.40から3.96まで非常に大きく上昇した。これについては、4月に四日市市クリーンセンターが稼働して、日常のごみ出しの利便性が向上したことが大きな要因であると考えている。「健全な財政の維持」に対する満足度の数値は、この項目について調査を開始した平成23年度からずっと上昇傾向にある。この要因は、市債残高の減少、財政調整基金の確保を着実に進めてきたことについて、今まであまり浸透していなかったことを広報紙でも分かりやすく紹介することで、市民の皆さんの市の財政状況への理解が、徐々に高まってきたことによるものではないかと分析している。
一問一答設問における特記事項について、「市民の意見を市政に反映している」と答えた人の割合は25.9%で、過去8年間の平均25.0%を上回って3番目の高さであった。「市職員の仕事ぶりなどを信頼している」と答えた人の割合は59.9%で、過去8年間の平均57.4%を上回って2番目の高さであった。「四日市に住んでいることについての総合的な満足度」は、四日市に住んでいることについて感覚的に総合的な満足度を尋ねる設問で、「非常に満足している」、「満足している」、「ふつう」言い換えれば「まあまあ」という答えの割合が83.5%であった。前回は86.2%であったので、若干下回ったが、この設問は3年前から実施をしているものであり、前々回81.7%をかなり上回った。また、本市の「現在の都市イメージ」として多い意見は、「都会と田舎の中間」「工業都市」などである。本市が「目指すべき都市像」として多い意見は、「産業と居住のバランスがとれたまち」「文化豊かな工業都市」、そういう都市像を目指していくべきだという意見が多かったように思う。
今後の対応として、「市民の意見反映」については、さまざまな広聴の施策、例えば、今年は4月から6月にかけて地区ごとに9回の市政懇談会を開催したが、公共施策を充実させ、市の取り組みについてより丁寧に分かりやすく広報をしていきたい。また、「市職員への信頼については、上がったり下がったりしているが、今後も研修の中身を工夫しながら、より一層、接遇の向上も図っていきたいと思っている。「現在の都市イメージ」「目指すべき都市像」ともに、産業と居住、あるいは産業と文化というような形で、バランスのとれたまちづくり、総合的な住みやすさに関するものが目立った。また、「四日市市居住に対する総合的な満足度」については、総合計画や地方創生の取り組みを効果的に実行して、さらにはそれを分かりやすく情報発信することによって、住みやすさを実感していただけるように鋭意努めていきたいと思っている。
今回の結果については、市のホームページ、市政情報センター、各地区市民センターで公表するとともに、庁内の各部局で情報を共有して今後の市政運営に積極的に出していきたいと思っている。
質疑応答
質問:全体的に良くなった部分、わずかながら数値が下がったところ、両方あると思うが、今回、ご覧になった感想や今後の方向性で思うところがあれば、教えていただきたい。
回答:全国的な出来事も含めて、いろいろなその年の出来事により率が上がったり下がったりするが、全般的に見ると、私の過去8年間の中では昨年が突出して良かったが、それに次ぐぐらいの結果かなと思っている。
その中で反省すべき点としては、「子育て支援の充実」についても、子育て世代に不安を与えていることがあると思うので、特に待機児童問題については、これから重点的に力を入れていきたいと思っている。平成28年度で市が認可する地域型保育所は6カ所増設して、保育所・保育園の定数を93人増やしたという対策はとったが、まだまだ待機児童が残っており、さらなる充実策が必要と思っている。また、「災害に強いまちづくり」についても、東日本大震災の後、防災対策の予算を倍以上にして、ハード・ソフト両面で対応しているが、この防災対策は、財政力の限界はあるものの最重点で進めていくべきもので、市民の命、財産を守ることが市の最大の使命であるので、その点は改めて肝に銘じたいと思っている。
一方、良かった点としては、長年の懸案課題の四日市市クリーンセンターが稼働して、ペットボトルは別であるが、プラスチック類も燃やすことができるようになって、最終埋立処分場の容量はかなり不要になり、そのプラスチック類を燃やすことができるようになったことによって、利便性が高まって市民の皆さんの満足度が上がった。また、「健全な財政の維持」について、今年は地方交付税の不交付団体になって、総体的に他市と比べて財政力はあるほうで、市債残高をかなり減らしたり財政調整基金を増やしたりもしてきている。市民の皆さんにはそれがなかなか伝わっていなく、10年前ぐらいの借金が多いらしいというようなことから、今もそういう認識がなかなか変わっていないという状況である。広報で、分かりやすくグラフで図示して発信することによって、だんだん理解していっていただいたと思うので、今後もこの財政状況については、できるだけ分かりやすく市民の皆さんへの発信をしていきたいと思っている。井上前市長からバトンを受けて過去8年間、数字がある平成27年度末の決算までで、前回の市債残高から444億円減らした。財政調整基金は現在110億円で85億円増やしたことになるが、これを知っている人は、ほとんどいない。「市民の意見反映」や「市職員への信頼」という点では、絶対値がかなり低いため、対策は今までも行ってきているが、今までと違う視点で知恵を絞って目に見える形で結果が出るように、中身を改善しなければいけないと考えている。また、「都市イメージ」や「目指すべき都市像」については、私が「産業と環境、産業と文化が調和した魅力と風格のあるまち四日市」と言い続けているため、その市政の方向性についても着実に理解が広がっていると感じている。(市長)
その他
質問:市長が退任の意向を表明されたときに、これから残り期間で、できるだけ多くの現場を見に行って、それを施策に反映したいというお話をされた。任期が残り2カ月となったが、これまでにどのようなところを見てこられたか。また、現場を見て、改めて気付いたようなことがあれば、教えていただきたい。
回答:航空宇宙産業に関連する製品をつくり出している中小企業を訪問した。本市にはこれだけ企業が集積していても航空宇宙関連の企業がほとんどなかったが、非常に若い社長で意欲が強く、航空宇宙産業に入りこんでいく可能性がかなり開けてきたと感じた。本市の産業の種類として、コンビナート、半導体、自動車、電気、機械、食品などいろいろあるが、その中で、今後、目指すべき方向としては、水素社会の到来に向けた水素を活用した新規事業、航空宇宙産業やロボット産業など、市内の企業の成長を後押しする意味合いで、中小企業の訪問は非常に意義があったと思っている。また、福祉施設も訪問しており、四日市の特区で整備をしたサテライト型の特養が五、六年経過した状況を見せていただいた。順調に運営がなされており、入所者の皆さんとも対談をさせてもらったが、かなり満足しておられる人が多かったと思う。サテライト型の特養についても、さらに充実していく必要があると感じた。今後は、まだ行っていない学校、保育園、幼稚園を訪問したいと思っている。任期が2カ月しかないため、スケジュール調整が難しく、訪問する機会が限られてくるが、できる限り現場に足を運んで、少しでも道筋を付けたいと思っている。(市長)
質問:退任の意向を示されてから、現場視察をいつごろから始められて、具体的に何カ所ぐらい訪問されたのか。
回答:8月から10月にかけて、中小企業を2社程度と福祉施設を訪問していただいている。(松岡政策推進部参事・秘書課長)
ほかに、萬古焼の製品を紹介して休憩できるような場所を新しくつくられた工房を訪問して、現状を聞かせてもらったこともあった。また、運送会社さんにお邪魔をして、今の道路の整備状況、北勢バイパスなどの進捗状況も報告しながら要望を聞かせてもらったこともあった。(市長)
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