じんけんフェスタ2022（開催報告）

「じんけんフェスタ2022」を開催しました

　「じんけんフェスタ」は、12月4日から10日までの人権週間にあわせて、人権週間記念事業として毎年四日市市文化会館で開催しています。

　昨年度と一昨年度は、新型コロナウイルス感染症対策のため第１ホールのみの開催としておりましたが、今年度は第2～4ホール、また、展示棟も使用し、市内の各学校・園、そのほか福祉団体や市民団体などにもご協力いただき、さまざまな企画を実施しました。
　午前、午後をとおして約3000名にご参加いただき、少しずつコロナ禍以前の賑わいを取り戻しつつあるように感じられました。

【第1ホール】
「人権大学あすてっぷ」修了式／人権週間記念映画「20歳のソウル」

　第1ホールでは、事前申込の2部制（午前：修了式・記念映画、午後：記念映画）で開催し、午前の部では、「よっかいち人権大学あすてっぷ2022」の修了式を行いました。今年度は、積極的に人権学習に取り組まれた25名が修了生となられました。

　映画「20歳のソウル」は、「生きる大切さ」をテーマとして上映しました。映画の主人公は、恋人との将来、教師になる夢など、未来に希望を抱えながらも若くして癌に侵されます。病による身体や精神への負担などからさまざまな葛藤を抱えながらも、「生きたい」と切望する主人公、浅野大義さんの人生を描いた事実に基づいた映画です。
　毎年県内でも約300人もの人が自殺に追い込まれており、新型コロナウイルス感染症の影響によりさらなる自殺リスクの高まりが懸念されています。このような社会状況の中で、改めて「命」について考えていただけたと思います。

【第2ホール】
人形劇「かくれ山の大冒険」

　親子でご参加いただける企画として、人形劇団むすび座による人形劇「かくれ山の大冒険」を上演しました。仲間と協力し合うことの大切さや平和の大切さがテーマとされており、第2ホールの舞台をいっぱいに使った迫力のある公演に、お子さんのみならず保護者のみなさんにもお楽しみいただけたと思います。

【第3ホール】
人権啓発DVD上映会

　午前は子ども向けの映像作品を3作品上映しました。いじめ問題をテーマにした「しらんぷり」、筋ジストロフィー患者の闘病生活をつづった「ぼくの青空」、白血病患者の弟を救うために奔走する兄や家族の様子を描いた「金色のクジラ」を上映し、人権について幅広く触れていただきました。

　午後は「三月三日の風　水平社誕生物語」を上映しました。全国水平社創立までの過程や、古くから残る部落差別とたたかった西光万吉の姿を描いた作品です。日本初の人権宣言ともいわれる「水平社宣言」の成り立ちについて学ぶ機会としていただけたと思います。

【第4ホール】
「絵の本ひろば」／市内の各学校・園による展示

　「絵の本ひろば」ではたくさんの絵本が並び、親子や学校の先生など、絵本を手に取ってゆっくり観賞いただく場となりました。

　また、市内の保育園・幼稚園・こども園による展示や、小中学校の児童生徒によるポスター作品を数多く展示しました。市内の各学校・園での人権に関する取り組みや、児童生徒の作品の発表の場となり、入場された皆さんにご鑑賞いただきました。

【展示棟】
市民団体や関係機関による展示／福祉団体による物品販売

　第1展示室では、各地区の人権教育推進協議会や市民団体、地方自治体などさまざまな団体の展示を行いました。また、人権擁護委員より、第3会議室での人権相談に加えて、中学生人権作文の表彰式なども行われました。

　第3展示室では、市内の福祉団体等による物品販売があり、施設利用者と参加者とが交流する様子がありました。

　また、１階のホワイエでは「生命のメッセージ展」が開催されるなど、展示棟では多くの来場者でにぎわいました。 

  参加者にご回答いただいたアンケートの一部をご紹介します。

• 私は映画を見たのですが、大号泣しました。これが実話はすごいです。私も悔いのない高校生活にしたいです。（10代）
• 若い人の命いっしょうけんめいに向かう心、最後まで自分からあきらめないで生ききるということですが、私達高齢でも命ある最後の日まで一生けんめい生きようと思います（70代）
• 子供達といろいろ考えるきっかけになって良かったです。人形劇も素晴らしく、また見たいと思いました。生命のメッセージ展、交通事故に子供にも改めて気を付けさせようと思いました。（30代）
• コロナ禍になってこのようなイベントがなかったので久しぶりに友だちと参加できて楽しかったです。（40代）

　「人権の世紀」といわれる21世紀に、この「じんけんフェスタ」が人権意識を育み、明るい地域社会をつくるきっかけになれば幸いです。