蓮華図

        1 蓮華図1   2 蓮華図2

 
         蓮華図(二幅一対)
 種別  市指定有形文化財(絵画)
 所有者  大樹寺(市場町)
 法量  1縦96.0cm 横46.3cm  2縦95.9cm 横46.5cm
 材質・形状  絹本着色 掛軸
 製作年代  室町時代
 指定年月日  平成24年8月23日
 解説  大画面の掛軸に、咲き誇る大輪の蓮を描く、蓮華図あるいは蓮池図と呼ばれる絵画は、中国宋、
元代に成立した絵画ジャンルで、ほぼ実物大に蓮の花や荷葉を写実的にあらわす描写が特徴であ
り、魚あるいは小昆虫が描き加えられる例もあります。
 本図もそのような中国蓮図の系譜に位置づけられる作品です。中国伝来の絵画を丁寧に写してお
り、製作時期は顔料の質や粗い目の画絹から16世紀と考えます。同種の中国画写しの作例は比較
的多く報告されていますが、そのなかでは、堂々とした蓮花に用いられた繊細な描写から、たしかな
再現能力であることがわかります。16世紀には、狩野派をはじめとして、中国絵画を写すことを日常
的に行っていた絵師がいました。そのような中国絵画写しに習熟した絵師による作例ではないかと
考えられます。なお、一対とみられますが、左右は不明です。
 中国絵画が伝来して、わが国で受容されてゆく過程の、しかも初期的な様相を物語る作例として
大きな価値があります。