木造阿弥陀如来立像附像内納入文書1巻19枚

木造阿弥陀如来立像

木造阿弥陀如来立像 像内納入文書1巻19枚

種別

県指定有形文化財(彫刻)

所有者

龍泉寺(富田一色町)

法量

像高36.9cm

材質・形状

割矧造 漆箔 玉眼

製作年代

鎌倉時代中期

指定年月日

平成16年10月18日

解説

 檜材でおよその形を作った後、身体を半分に割り、干割れ防止のために内側を刳り抜き、最後に接合して元の状態に戻します(割矧造)。漆箔を施し玉眼をはめています。螺髪の肉髻珠(にくけいしゅ)、額中央の白毫(びゃくごう)はいずれも水晶で表し、袈裟などの衣を3枚重ね、左手は緩やかに下して第1、2指を捻じ、右手は肘を曲げて掌を前に向けて第1、2指を捻じる来迎印を結んでいます。やや右足を浮かせて蓮華座上に立っています。この姿勢は、阿弥陀如来が極楽浄土から信者を迎えに来た様子を表しています。
 鋭い眼差しや顎を強く引く面部、筋肉の抑揚など、鎌倉時代前期の特色がよく現れています。また、煩雑な激しいうねりをもつ衣文が特に特徴的で、13世紀第2四半期(1225~1250年頃)の宋風彫刻の受容の一つの傾向を示すものと考えられます。
 本像胎内には経巻1巻と19枚の摺仏が納められていました。経巻には「仏説阿弥陀経」などのあとに種々の真言陀羅尼を記し、次いで阿弥陀如来の印仏(仏を刻んだ小さい版木に墨を着けて押したもの)を百行にわたって一体ずつ押印しています。摺仏19枚には阿弥陀如来の印仏が7~8段にわたって押印されています。順蓮という僧侶を軸とした智識によって制作されたことが知られ、中世初頭の仏教信仰の様子を示しています。