大般若経

大般若経

大般若経

種別

県指定有形文化財(書跡)

所有者

大樹寺(市場町)

指定年月日

昭和27年3月13日

解説

 大般若経は、六百巻にも及ぶ膨大な量をもつ経典で、数ある般若経典を集大成したものです。奈良時代から国家安寧(あんねい)のための読経にしばしば用いられ、くだっては各地の民俗行事にも取り入れられています。現在でも奈良・薬師寺の大般若会(だいはんにゃえ)における転読(てんどく)が有名です。大樹寺の大般若経は、もともと巻物の状態でしたが、おそらく永禄十二年(1569)に修理の際に、折本(おりほん)に変えたようです。現在は残った九十九冊が十の帙に分けられ保管されています。今はない第一巻の奥書には「仁平元年四月廿三日甲子日始至于廿六日丁卯書畢」とあり、第一巻から第十巻までは同筆で仁平元年(1151)に書写されたもの、残りは室町時代の書写とされています。
巻によっては一人ではなく数人が分担して書いたものもあります。このように大般若経の書写は、一人が全て写すのではなく、長い年月をかけて多くの人々によってなされたもので、そこには深い信仰心で結ばれた人々の真摯な姿が浮かび上がります。料紙は、黄檗(おうばく)で染めた楮紙(ちょし)で時折、麻や雁皮(がんぴ)混じりの楮紙も含まれているようです。